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水石水術

 さてと、これで一旦の用事はすんだので、レイトとフレウド待ちなんだけど、どこまでいったのかね。土地内にはいなかったから、多分外まで行ってるなこりゃ。

 ベードの時は次の日の夕方に帰ってきたんだっけ?早くてもそれくらいにはなるのだろうか。じゃあそれまで特訓でもしますかね。

 久しぶりの南端の街冒険者ギルドへ、訓練所がこの街にもあるか確認するためだ。そんな確認のためにわざわざギルド長は通さない。受付の人で十分だ。

 そう思って受付を見たら、ちょっと懐かしい人を発見。せっかくなのでその列に並んだ。


「お久しぶりですドーンさん。」


「おぅ?おぉ!久しぶりだなリュクス。なんだ?また爆弾投下しに来たのか?」


「違いますよ・・・今日はこの街に訓練所があるか教えてほしくて来たんです。」


「訓練所か、残念だがこの街にはないぞ。確か隣町の南の肉の街にはあるんだったっけか?そういえば旅中も俺は使ったことがなかったな。」


「そう、なんですか。炎術の練習をしようと思ったんですけどね。」


「ほぉ、炎術になったのか。普通に北の兎にぶっ放して練習すればいいじゃねぇか。」


 うーん、そうか。この街は北の兎が弱すぎて、あそこが天然の訓練所みたいなもんなんだな。


「なるほど、ありがとうございます。行ってみます。」


「おぅ、ちょっと待った。ついでに炭化はもう無理だろうが、肉と皮くらい集めて納品したらどうだ?今さっと調べたが、お前全然依頼やってないじゃないか。」


 えぇ、さっと調べてそんなことがわかるの?冒険者ギルドの情報網侮りがたし。


「まぁ確かにそうですけど、火術の時も素材にできずに、魔物を燃やし切っちゃってる時もありましたから。」


「なるほどな・・・おい!ちょっと空けるぞ!代わり誰か来てくれ!」


 受付奥にとドーンが声をかけると、これまたちょっと懐かし人が出てきた。


「おや、お久しぶりです。なるほど、わかりました。ちょうど休憩終わりなので自分が交代しますよ。」


「ちっ!まぁいい、助かる。んじゃ行くぞ。」


「え、ちょ行くってどこに?」


「あん?南兎平原に決まってるだろ?」


 そういわれて、なぜかドーンに連れられて南兎平原に向かった。ギルド出る前に端っこで待機してたべ―ドに驚いてたのは見なかったことにしてあげよう。

 平原に出て、人気のない奥の場所まで進んだところでストップ。


「このあたりならまぁ、前みたいに誰かに見られたりはしないだろ。まぁ別に見られてもいいんだが、今からやるのがあんま広まりすぎてもよくないことだからな。」


「え、えっと何やるんでしょうか。」


 そんなこと言われるとちょっと不安になって来るじゃないか。


「お前、水石持ってるだろ?まずあれを出すんだ。」


「あ、はい。よく使うのでポーチに別にして入れてます。」


 取り出したるは魔道水石、料理セットについてきた水を出す青いクリスタルの様な形の石だ。料理のための水だけでなく、手洗いにも使えるのでいつでも使えるようにしてる。


「どのくらい使い続けてるんだ?」


「もうだいぶ使ってますよ。それこそ手に入れてからはずっとというくらいに。」


「そうか、なら早そうだな。まず片手に小さくていいから炎を出すんだ。そんで水石を使ってそれを消す。それだけだ。」


「え、それって・・・」


「察したか?ウォータエクスティンション、つまり水術の練習さ。」


「えぇ!?他の属性って攻撃性能のある魔道石が必要なんじゃ?」


「さぁな。実は俺の術法の火と水は、魔道コンロと魔道水石を使って覚えたものなんだよ。ちょっとはっちゃけてた頃に、コンロを使って魔物を攻撃できないかなんてやってた時だな。」


 えぇ、なんてことしてるんだ・・・まぁちょっと思いつきそうなことでもあるけど。


「ま、水術覚えたとしても俺みたいに消火にしか使えないかもしれないが、消火できれば多少は燃やし尽くさずに済むんじゃないか?もちろん燃やさない炎術の技を使ってもいいし、そもそもとどめに炎術以外を使えばいいけどな。」


「まぁ、それはそうなんですよね。でもせっかくなのでやってみたいと思います。その間ベードは自由に周りの兎狩っててもいいぞ。」


「ばぅ。」


 左手にできるだけ小さく炎を出す。イメージはファイアバレットの一つ部分くらい。お、上手く出せた。あとは水石から水を流して消火する。ただそんな単純作業を繰り返す。


「そんなもんでいいだろう。水石を使わずに同じようにイメージしてやってみるといいぞ。難しければウォータエクスティンションって声に出すといい。」


「わかりました、やってみます。」


 水石はポーチにしまい、左手に小さい炎をだし、右手から水を出して炎を消す、さっきの動作を思い出す。


「ウォータエクスティンション。おぉ、水出た!」


 炎が消えたの確認!さらにステータス確認!おぉ、水術増えてる!


「な、簡単だっただろ?だからこそ危ないんだ。」


「危ないんですか?」


「要はこれと同じ感じで火術もコンロからできちまう。特に使ってる時間が長いやつほどな。自分で気が付いて自分でやる分にはいいんだけどな、術法目的にやり始めると、使い焦ったりして魔道具を暴走させる危険があるからな。」


「暴走、ですか。」


 魔道具が暴走するなんて今まで聞いたことなかったけど、そういうこともあるのか。


「俺がなった、下手に火術を強くしようとしたせいでな。攻撃に使うものじゃない物を攻撃に使おうとしたばつだろうな。普通に使う分には問題ねぇよ。」


「そうなんですね・・・」


 話しながら左わきのところをさすってたから、何かあったんだろうな。やけどでも負ったんだろうか、話さないなら追及はしないけど。


「とりあえず水術はできたみたいだな。しばらく兎どもで練習するといいんじゃないか?俺はこれでギルドに戻るぜ。素材があればそのまま依頼受けて納品もできるから、素材のこしておけよ?」


「はい、ありがとうございました。」


 そうだな、どこまでできるか分からないけど、一応水術を使いつつ戦ってみるか。ここの兎たちには負ける気しないし。


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