表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/180

時術と範囲火術の訓練

 昨日は宿帰宅後には休憩中はモイザの裁縫とか製薬、合成を眺めつつゆったりして、そのあと空間術の練習をしたりして、寝るときにはログアウト。

 ログインした今日はダンシングエイプと戦うつもりだったけど、今の僕で危険度Cにどこまで通用するか。集団で襲うという点で危険度が上がってるみたいだけど、準備には念を入れてまずは訓練所を使うつもりだ。

 蟻戦ではファイアウォールと立ち位置のおかげで、体当たりくらいしか受けてなかったけど、杖は結構噛まれたし、苦戦してなかったわけじゃない。エイプ戦ではそれ以上には苦戦するだろうし、せめて時術で動きを遅くしたりとかしたい。

 羊戦のようにこっちが複数で有利なら、直接ためしたほうがいいけど、相手は集団になるわけだし。そもそも時術は完全に初めて使う分類だ。しっかり練習するほうがいいだろう。

 というわけで冒険者ギルドで場所を聞いて、やってきました訓練場。他に使用者もいるみたいだけど、がっつり見ようとしなきゃ何してるのかはわからないな。

 マナー違反になりそうだし僕はしないけど、これなら見られてるってすぐ気づけそうだ。

 付き添ってくれてるレイト、ベード、フレウドと一緒に囲われた一角に入り、使用受付しておく。

 まずは的に当てるところからだな。動く的みたいなのはないのかな?お、あるみたいだな。とりあえず動く的を選択。

 床の一部が開いて、そこからフリスビーのような円形の的が打ち上げられる。なるほど、まぁ一応は動く的だな。落ちる瞬間の勢いが止まる所に狙いを定める。あれがゆっくり落ちるようになるイメージ。


「スロウダウン!」


 うーん、明らかにゆったりと落ちてる。重力にとらわれた動きじゃないな。思ってる以上にゆっくりになったな。スロウだけだとちょっとカッコつかないかなって、スロウダウンってつい言っちゃったけどスキルアーツとして発動したようだ。それでは次、逆に素早く落ちるイメージ。


「ヘイスト!」


 あっという間に落ちてくだけてしまった。うん、成功は成功のようだけど、どのくらい早くなったかわからないな。よし思い切って自分にかけてみるか。


「ヘイスト。」


 おぉ!?おぉ!おぉぉ!すごい、なんかかけた後に飛んだり腕振ったりするけど、いつもよりも全然早く動ける!周りの動きがすっごく遅く感じる!ってあれ?もう終わっちゃった?


「うぇ、気持ちわる。」


 終わった瞬間に、ぐっと気持ち悪い感じが、やばいこれは胃に来てるって感じ・・・セーフ、何とか大丈夫だった。けどこれだと確かに断然早くなるけど、効果時間短いし、反動もひどいな。

 もうちょっと抑えた感じじゃないと、気軽には使えないなこれ。あえて敵に使って体勢を崩したりとかには使えそうだけど。

 少し休憩後に考える。他に早くなるような感じのは・・・これだ!


「クイックアップ!」


 おぉ?ほんのり体の動きが早くなってるな。いつもより思ったことが瞬時に体に伝わる感じだ。周囲の動きもほんのり遅く見えてる。まだ効果は続いてるな。ならすぐに水晶を操作・・・っておそい。表示が遅いぞ。いや僕が早くなってる感覚だから遅く見えるのか。

 よし、何とか動く的10を追加できた。杖を構えつつ、発射されるのを待つ。床に10個の的用の穴が空き、そこから的が上にと射出される。

 さっきはすぐに打ち上げ頂点になったと思ったけど、うち足した直後なのに的が回って上に撃ちあがっていくのが見える。そのまま的を1枚ずつ殴り壊していく。壊すたびに少しずつ的が上に行くけど、頂点につく前に10枚とも壊し切れた。

 そこで自分の速さの感覚が元に戻る。気持ち悪さも・・・あんまりない。動く分には支障ないな。さっきとは全然違うや。


「ばぅ!」「ココ!」


「ん?なんだ?お前らもクイックアップやってみたいのか?よし、複数がけやってみるか。クイックアップ。」


 ベードとフレウドに催促されて、二匹にクイックアップを同時にかけてみた。フレウドはいつもよりも早く転がることができるようで、そこら中転がりまくってた。気持ち悪くないんだろうか?

 ベードのほうは、まったく動きが見えなかった。早すぎて見えないってあるんだな・・・今もしかしなくてもベードのほうが僕より強いだろうな。

 最もベードにそんな気はないだろう。クイックアップが終わって僕の元にと来てから座って、満足そうな感じの顔をしていた。

 フレウドが炎球を早く作り出せないかと試していたけど、どうやら術法の生成速度を上げる効果はないようだ。身体的加速効果だけというわけだ。

 うーん、術法のスキルアーツ生成が早くなる時術か。あったら便利そうだな、試してみるか。そうだな・・・


「ファストマジック?」


 フレウドに対してイメージしてしまい、フレウドが少しびっくりしたような表情になった。瞬時にフレイムボールがフレウドの前に生成されていて、僕も焦った。とりあえず何事もなくフレイムボールは霧散してくれた。


「ど、どうやらうまくいっちゃったみたいだね。たぶん1秒くらいは速くなったかな?」


「コ。」


 うん、まぁそのくらいの差だろうけど、もっと大掛かりな術法になったらきっと便利になるだろう。クイックアップと同じくらいの効果時間のようだな。これなら1戦の間くらいはかけ直し必要ないだろう。

 スロウダウンの効果時間も再度見ておいたけど、さすがにこっちは短いな。とりあえずクイックアップ、ファストマジックをかけてからの戦闘すれば、だいぶ有利に進められるかな?

 後はもうちょっと集団戦向きの火術も練習しておくか。ただ急に使ったら集団戦において離れてるベード達も巻き込みそうで、怖くて使ってなかったんだよね。


「大きい火術を試してみる。ちょっと離れててくれよ、危なかったらフレウドが吸収してくれ。」


「ばぅ。」「ココ。」


 ここでなら危なくなったらフレウドに吸収してもらえばいいもんな。なんで気が付かなったんだろう。戦いたい欲が先出ちゃってたからだな。

 まずは自分の周囲から襲われたときの対処用のスキル。手を左右に伸ばして、そこよりは少し離れたくらいに自分周囲に円を描くイメージ。


「ファイアストーム。」


 床から巻き上がるように火の円が燃え上がり、さながら火の竜巻の中心にいるみたいだ。2,3メートルくらいの高さになって、燃え続けてるけど、いかんせん火のせいで周囲が見えづらいな。とりあえず解除。

 ベード達のほうは十分離れてたから大丈夫みたいだな。よし、次はとりあえず前面の敵なら一気にからめとれる技だ。メモリーとメモリアルは着火するだけで、相手の動きの拘束性が高いわけじゃない。結構素早い動きらしいダンシングエイプには動きをほんのり制限するくらいしか、効き目は期待できないだろう。

 もう少し高速性のある範囲火術を使わないと。イメージは前方広範囲に波のように広げていくかんじ。波のイメージを体でも表現するといいってあったけど、とりあえず両腕を波のようにしならせる。


「ファイアウェーブ。うぉっ!」


 床より少し浮いた位置に、手から少し離れた場所からどっと波状に火が広がっていく。ウェーブのスキルアーツは当たると相手を押しのけ、動きを緩めるってあったけど、それに火属性は燃える能力も付与されるってことか。

 あっやべ!広がりすぎて区画仕切りにあたっちゃった!ってあれ、大丈夫のようだな。仕切りより奥には広がらないようだし、仕切りも燃えてない。

 一度ウェーブを止めて、火が消えるのを確認。試しに十字の的をいくつか出して、もう一度ファイアウェーブを放つ。命中した的はギシギシという音を立ててきしみながら燃え始める。しばらくウェーブを当て続けるとバキッという音とともに的が割れて、破片は燃え尽きた。


「よし、いい感じかな?実戦でも試さないとわからないけど。今回は初めからベードとフレウドにも頼るからな。」


「ばぅ!」「コ!」


 訓練終了!あ、水晶に必要料金って書かれてる。お金とるのね。まぁそりゃそうか。これで8000リラか、結構取るんだな。まぁ僕は払えるけど。

 よし、昼飯食ったら東の誘踊の森に、ダンシングエイプ狩りに行くか。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ