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低級酸蟻戦

 とりあえず朝は予定通り、商業者ギルドにと向かう。付き添いは頭上にレイト、後方にベード、ベード頭上にフレウドがいる。今日は宿で制作を続けるモイザ。そのモイザの作った、羊毛を蜘蛛糸で編んだ布を、この街で売ってもいいのかどうか見てもらわないとね。


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≪識別結果

 四色羊の赤羊毛と製作蜘蛛糸の合わせ布 質:3A

 フォーカラーシープレッドの羊毛をクラフタースパイダーの糸で縫い合わせた布。編まれた赤羊毛はほのかに火の力を宿す。≫

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 僕の識別で見た感じ、詳しい用途とか出なかったけど、まぁ布なんだし何かしら用途はあるはずだ。失敗品ではなさそうだし。

 というわけで商業者ギルドに入る。見た目は円柱の不思議な建物だけど、中は他の商業者ギルドと同じで、入るとすぐ受付だ。


「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用件でしょうか。」


「はい。ちょっと製作素材を見てほしいんです。場合によっては旅商としてこの街で売ろうかと思いまして。」


「なるほど、でしたら素材の商品価値についてということでよろしいでしょうか?」


「そう、ですね。できればどんなことに使えるかも見てほしいんです。この布なんですけど。」


 とりあえずモイザの作った赤の布を、受付のヒュムの男性にと渡す。


「これは四色羊の羊毛から作った布ですか。おや、見たことのない素材で編まれてますね。この素材は用途として他の布と同じように使えるでしょうが、わたしのほうではこの街でいくらで売るといいか、すぐに判断するのは難しいところになってしまいます。一応はお客様の価格設定で販売をすること自体は問題ないはずです。ですがわたしとしてはこのような場合、一度商長を通していただきたいところなのですが、残念ながら商長は現在、風の寄る街に輸入の案件で出かけているため、不在にしております。もしくはこちらで一度お預かりして、詳しい制作調査をしてからならば、商品価値をお調べすることができますよ。」


「なるほど、わかりました。とりあえずこの街で売り出すのは少し控えます。一応ですが四色渡しますので、調べていただいてもいいですか?」


「わかりました。もしよろしければ、どれか一色でいいので、2枚ほどお預かりしても大丈夫ですか?それと、使用後はリラでの返金か、製作物を素材費を引いてお買い上げいただくという形になってしまいますが、よろしいでしょうか。」


「はい、それは大丈夫です。とりあえず赤羊毛のを2枚付けておきますね。」


「はい、では承りました。商品価値や用途など詳しくお調べいたしますので、3日後以降にまたお立ち寄りください。」


「了解しました。では失礼します。」


 なぜか一番多かった赤羊毛で作った布を2枚渡して、西門にと向かう。今東門への大通りだからちょっと逆方面だけど、まぁ予定通りいこう。

 ちょっと速足気味に進んで、西の森に到着。さて、ここからはまたベードに頼っちゃおうかな。ベードに騎乗してゆっくり森を進む。

 でかいアリの巣山を発見、大きな穴が山うえに開いてるから、あそこが出入り口か。周囲に見えるのは資料通りのレイトとおなじくらいの大きさの灰色アリたちだ。


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≪識別結果

 ヴォルガーアシッドアント 危:D

 常に巣の周りにて、一匹が襲われると集団で襲ってくる。生命の危機に追い込まれると鉄をも溶かす酸を吐き出してくる。≫

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 さて、どうしますかね。一撃で倒せればいいけど、あの外皮は結構堅そうだ。もし下手に致命傷にすると、自爆覚悟の酸吐きということらしい。

 ちょっと酸が当たるのはさすがにまずいと思うので、ここはベードにも手伝ってもらうか。


「ベード、影術で口元を拘束できるか?そうすれば酸吐きはしてこなくなるはずだ。」


「ばう!」


「フレウドは僕と一緒に炎魔法を。今使えるのはフレイムボールくらいか?」


「コ。」


「よし、じゃあそれでいい。数は多く来るだろうけど一匹ずつしっかりしとめていこう。」


 というわけで、一番近いアリをベードから伸びた影が拘束。すかさず僕がファイアランスを、フレウドがフレイムボールをぶち当てる。燃え上がるアリは断末魔を上げることもできず焼失するが、それと同時に周囲のアリたちが一斉にこちらに振り向いた。


「ギシィィ!」「ギシギシ!」「ギシッ。」


「来るぞ!ベードとりあえず近場の3匹拘束できるか?」


「ばう!」


 即座にベードが影を3つ伸ばし、3匹を拘束。結構きつそうな顔をしてるから、3匹が限度だろうか。


「フレウド、右のほうを頼む。炎で足りなそうなら油から浴びせてやれ!僕は二匹のほうに行く!」


 右手に杖、左手にファイアランスを構える。ぶっつけ本番だけど、予定通りいくはず。ファイアランスを維持しつつ、杖先にも意識を集中。


「ファイアランス、からのフリップスペース!」


 拘束された頭にファイアランスを打ち込み、すかさず杖を叩き込む。頭が完全につぶれてるので、どうやらうまくいったようだ。この調子でもう一匹も同じように仕留める。フレウドのほうも仕留めたようだけど、いかんせん数が多い、すぐに僕の前にまた3匹、フレウドのほうに2匹行ったようだ。


「ベード、フレウドのサポート重視しろ!口をふさぐのはしっかりやってくれよ!」


「ばう!」


 手ごたえ的に、頭も堅いけど先にファイアランスを打ち込めば、フリップスペースでつぶせるのはわかった。多分フリップスペースだけだとつぶし切れない。

 一匹ずつ、確実に仕留める。酸なんて食らってたまるか。なら普通に噛みつかれるほうがましだ。

 結構素早い動きで僕に3匹同時に襲い掛かってくる。でもそれは通さないよ、地面を踏みしめてファイアウォール。2匹の方面にだけ出した火の壁に阻まれて身じろいだ隙に、そのまま突っ込んできた一匹をつぶす!

 ファイアウォールをファイアバレットに、さらに巣穴から出てきてる輩にとりあえずぶち当てておく。巣穴は遠いけど、けん制くらいにはなったはず。

 近くの二匹がファイアウォールが切れたことで僕に再び噛みつこうと襲い掛かってくる。2匹ならよけれない動きじゃない。一匹は完全によけて、二匹目は杖で受け流しつつ、ファイアランスを打ち込む。杖に噛みついてた口が離れた瞬間、フリップスペースでその顔をぶちぬく。杖の振りぬきが甘かったかと思ったけど。吹っ飛んでいったアリはちゃんと絶命してくれたようだ。

 あともう一匹と思ったところで、吹っ飛んだ蟻のほうから2匹さらに近づいてくる。とりあえずファイアウォールで牽制して、目の前のに集中。噛みつこうと近づいてきたところにファイアランス、からのフリップスペース!


 そんな調子で20か30は倒しただろうか、巣穴からも蟻は出てこなくなっていた。この巣穴は全滅させたかな。ベードとフレウドのほうには死体は残ってないから、何匹倒したかわからないけど、そこらに焦げ跡がかなりついている。近くの草木が燃えてないのがほんと不思議なほどだ。

 数えたところ、僕は28もの蟻を潰してたようだ。全部死体はポーチ行。一応死体用ポーチにしてるけど、他の人は気にせず全部ひとまとめに入れるんだろうな。

 さて、さすがに疲れたし、もう一巣穴とはいきたくない。ベードとフレウドもちょっとぐったり気味だ。多分魔素不足だろうな。まだ日は高めだけど、今日は宿に帰ろうか。


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≪種レベルが1上がりました1ポイントを任意のステータスに振り分けてください≫

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 お、種のレベル上がった。じゃあいつも通り魔に振っておこう。ん?なんかスキル二つ付いてる。


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<キャラクター>

 名:リュクス・アルイン

 性:男

 歴:18

 種:ヒュム

 職:テイマー

<ステータス>

 種:Lv5

 職:Lv9

 命:4240/6600

 魔:50/6010(+12)

 力:121

 技:255

 速:122

 知:591

 秘:1983

<スキル>

【テイムLv45】【個別指示Lv20】【分担指示Lv17】【統制指示Lv8】

【時空術Lv11】【魔獣言語Lv12】【愛でる手Lv14】【料理Lv31】

【集中Lv30】【火術Lv36】【合成Lv3】【騎乗戦Lv1】【棒術Lv1】

<スペシャリティ>

【全識別】【六感分析】【テイム上限解放】【暴力的幸運】【従魔永続待機】

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 おぉ念願の棒術!聞いてたよりあっさり手に入ったな。ちょっと意識して使ってたおかげかな?あと騎乗戦って、ベードに乗りながら戦うためのスキルかな。

 そういえばベード上で戦うってことはしてなかったっけ。なんか悪い気がして、いちいち降りて戦ってたな。火術メインで戦うなら、ベードの上から使うってのもありか。


「なんか騎乗戦とかいうスキルを覚えたから、今度ベードの上で火術使いながら戦ってみようと思う。いいかな?」


「ばうわぅ!」


「おぉ、結構乗り気のようだな。でも今日は休もう、お互い疲れた。フレウドも、お前の頭の上で寝始めちゃったしな。」


 いつの間にかベード頭上に飛び乗ってたフレウド。あと今まで意識してなかったけど、レイトも戦闘中気が付かないうちに僕の頭上から降りてるようで、レイトが飛び乗ってきたことに今回は偶然気が付いた。

 邪魔にならないようにしてくれてるのかな?ずっとスースー寝息立ててるから起きてるのかねてるのかわからないや。まぁそんなことより宿に戻ろうか。


ステータスアップしてなかったので修正

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