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南の熊壁街でお買い物

 ログインしてテントから外を見ると、いまだに雨が降り続いてる。とりあえず魔素量は寝ることでしっかり回復した。フリップエリアを展開して外に出る。

 外側はずぶ濡れのテントを片付けてポーチにしまう。そしてもう一匹ずぶ濡れの狼がいるわけだ。


「やっぱ無理にでも一緒に寝るべきだったな。濡れた背中に乗るのか・・・」


「ば、ばぅ・・・」


「あと、フリップエリアの中に入れたけど、とりあえず雨を落とすか?」


「ばぅ。」


「よし、ちょっと待てよ。」


 うーん、犬みたいに体振って落とすんだよな?それだと僕もぬれちゃうし、どうするか・・・

 熱風魔法でも使えればいいんだけど、ドライヤーの温風をイメージしても、使うことができないんだよな。多分だけど、火術の範囲じゃないんだろう。

 お、そうだ。ちょっときついけど、フリップエリアを壁状にもう一つ作って、これで良し!

 ベードも大丈夫なことが分かったのか、体を振って雨を弾き飛ばす。それだけで結構水っぽさがなくなったみたいだ。

 でも触ってみるとまだ湿っぽい感じなわけで、まぁしょうがない、乗る所にエリア作って湿っぽさを防ぐか。

 そんな状態で日中ずっとフリップエリア大目に展開してたわけだけど、昨日よりも消費がかなり遅めになってる。大体3刻で10くらいの消費だ。これなら展開の時に多めに消耗した分を考えても、今までよりも長持ちする。

 まぁでも今はそれを考える必要もないかな?月夜でぼんやりとだけど、もう街が見えてきた。

 当然そこでベードからは降りるから、ベードに乗る用のエリアは解除して、これ以上ベードが濡れないように包んでるエリアは広げる。

 そして門前で門兵の人に声をかけられるというわけだ。従魔四匹の従魔証識別と伝達をすることに了承すれば、南の肉の街と同様にすんなり通れたけどね。

 ついでに従魔も泊れそうな宿、冒険者ギルドと商業者ギルドの場所は聞いておいた。これで買い物にも困らないだろう。

 とりあえずは夜だし、宿屋に行こう。目印は木の桶の看板といってたけど、看板のある建物は店なわけで、その店に関連するものか、その街で有名なものを看板にすることが多い。

 南端の街はリンゴとリンゴの木の看板とか、リンゴと兎の看板とか、リンゴか兎がついてるのが多かったな。

 木の桶って何をイメージして付けてるんだろうか?まぁちょうどついたし、入って聞いてみればいいか。

 宿の受付には、青とか赤とか黄色とかで汚れたエプロンをした、ヒュムの男性が迎えてくれた。


「いらっさ・・・いらっしゃいませー。」


「あ、どうも。えっと門兵の人に聞いて、僕の従魔でもこの宿なら泊まれるだろうと聞いてやってきました。」


「従魔・・・おぉう、その大きな狼さんだね。うん大丈夫ー。10日で5000リアね。」


「では証明でお願いします。モイザ、今回は渡さなくていいぞ。」


 モイザが糸玉を作ろうと準備してたけど、お金に困ってるわけじゃないし、毎回渡さなくてもいいだろう。


「大きめの部屋が1階のここしかもう開いてないから、お客さん良かったねー。112号室だよ、右入って一番奥ね。」


「ありがとうございます。それとここの看板の木の桶なんですけど・・・」


「あーそれね。この宿作ったうちの家系の得意分野が染色なんだよー。それで染色桶を看板にしてるんだよー。」


「なるほど、あの、もしよければなんですけど、染色教わったりってできます?」


「別料金にはなるけどできるよー、僕もいつでもここにいるわけではないから、水晶で教わりたいって声かけてね。あと、もし教わりたかったら染色桶買ってきてくれるとありがたいかな。」


「了解です、ありがとうございます。」


 そんな話をしてから、部屋に向かった。部屋に入ると大体つくりは南の肉の街で泊まった宿屋と同じほど、作りも似てるから慣れた調子でゆっくりできそうだ。

 その前にベードを備え付けてあるタオルで拭かせてもらう。しっかり全身拭いてやると、結構気持ちよさそうだった。

 後、レイトもモイザもフレウドも、うらやましそうな顔で見るなよ。なんなんだ?撫でればいいのか?しょうがない。

 ふわふわレイト、今はちょい違うけどふさふさベード、名状しがたい触り心地のモイザ、羽毛のもこもこフレウド、みんな触り心地がいいから別に撫でるのはいいんだけどね。

 皆を撫でながら、大通りを歩く人がやたらめったら少なかったのを思い出す。やっぱり雨だからか。それに僕以外に歩いてる人は、フリップエリアみたいに雨を弾いてるようだった。空間術って珍しいものって聞いてたから、あれも魔道具なんだろうか。

 いろいろ思うところはあるけど、今日はもうやすみたいな・・・とりあえず撫でるのはこれでおしまい、おやすみなさい。

 翌日は錬金セットと料理セットを作業スペースに出して、いったんみんなは宿屋で待機させて出発。ベードはついてきたかったようだけど、フリップエリア広げずにとりあえずお買い物済ませたい。雨の間は無理に動かずに、生産重視で行くつもりだからね。

 というわけで、商業者ギルドまでやってきました。予想通り横は直営店のようだ。直営店は看板出てないけど、商業者ギルドすぐ横という一番の目印あるからね。

 ここは商業者ギルドと隣り合わせだけど、それぞれ別の建物だな。店のほうは3階建ての四角い建物で普通なんだけど・・・

 聞いてた通り商業者ギルドが異様な形、なんで円柱?変なの、絶対端の部屋使いづらいよあれ。まぁ今は関係ないからいいや。

 店に入ると会計用水晶と横に店員がいて、いらしゃいませと声をかけられた。

 そっちを振り向くと、ギルドの見取り図を発見。1階が食材メイン、2階が他生産に使用する素材メイン、3階が生産道具メインのようだ。

 まず生産道具を見に行く、2階、3階の階段横にも水晶が設置され、横には店員さんが待機していた。3階の店員さんにいらっしゃいませと言われたので、せっかくだし聞いてみちゃうか。


「あの、すいません。お伺いしてもいいですか?」


「はい、いらっしゃいませ。どのようなご用件ですか?」


「染色桶を探してるんです。あと製薬後に使える瓶の補充希望ですね。」


「かしこまりました。錬金セットは今お持ちですか?お持ちならばここで補充出来ますが、お持ちでない場合、ポーチが必要となります。」


「ポーチに入れてもらいます。あと大量型ポーチってここ置いてますか?」


「はい、置いてますよ。3階の取り扱いです。そちらにお入れする形でよろしいですか?」


「そうですね、そうしていただけるとありがたいです。」


「かしこまりました。」


 そんな話し合いをして、まずポーチ売り場に案内されて、大量型ポーチを10個購入。ポーション瓶とフラスコをそれぞれ5000ずつ購入。これだけ買えばしばらくは平気だろう。

 染色桶も購入、あと近くにあった赤、青、黄色が出せるらしい基本色というのも、補充分としてとりあえず100購入した。

 3階はこれで終了、ありがとうございましたの声を背に1階へと戻る。1階の食材はかなり豊富だ、南の肉の街の4種の肉も当然売ってるけど、割高ではある。

 リンゴオイル、リンゴ酢もかなり高めだけど売ってる。いろんなものがここまで流れてきてるようだ。でもその中でも目を引くのが、商品ケースに新素材のポップが張られた片栗粉と、その横のジャガイモだ。

 ジャガイモ来た!片栗粉まで!ジャガイモ好きなんだよなぁ。片栗粉は料理の幅広がるし。おぉ、味噌に豆腐、ソースまであるぞ!きっと輸入品だから高いんだろうけど、全部一気に買い込んでやる!

 はっはっはっ!・・・・結構散財しちゃったな、いかんいかん。とりあえず宿に戻って、モイザに染色をやってみたい気分になったか確認したら、従魔も一緒に体験できるか聞いてみるか。


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