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魔牛戦闘

 本日夜の料理は、まずハンバーグ、他にも料理を作るつもりなので種は小さめに作る。

 まずはひき肉を作る所から。とはいってもすでに塊から薄めに切ってある豚肉の一枚を細切りにしていく。あとは細かくなるようにたたくだけ。

 ひき肉は宿に戻る前に買ってきたボウルを使って、しっかり粘り気が出るまでよく混ぜる。そこに溶き卵と塩を加えて、まとまるまで混ぜる。

 店にはコショウも玉ねぎも売ってなかったから、そこは残念だったな。本当はハンバーグにはどっちも欲しい素材だった。

 気を取り直して続き、空気を抜きつつハンバーグの丸形にまとめる。膨らみすぎる真ん中には指でちょっとくぼみを作る。

 このまま少し熱を冷ますのに、現実のように冷蔵庫で冷やすというわけにはいかない。王都とかで探せばそんな魔道具もありそうだけど。

 水石から出る水が十分冷たいので、大きめのボウルに少し水を敷いて、小さめのボウルにハンバーグを入れる。あとは小さめのボウルを大きいほうに入れて、これで冷ましてみる。湿気っぽくなっちゃうかな?まぁ物は試しだな。

 その間に醤油につけておいた鶏肉に手を付け始める。油はたっぷりあるので、唐揚げを作ろうと思ったんだけど、片栗粉も売ってなかったから、ここから素揚げする。

 漬け込んだ鶏肉は5つ分、あんな大きい鶏1匹からとれた量が結構小さかったからなぁ。まぁ僕はどちらかといえば小食だからいいけど。

 油に入れると、ちょっとつけた醤油の水分が飛んで危なかった。

 高温の油にしっかり沈めた鶏肉を取り出すと、ジュワリとなかなかおいしそうな匂いを醸し出す。今すぐかぶりつきたいけど、熱々すぎると危ない気もするので、しっかり油をきって皿に盛りつけておく。

 お次は別のフライパンでハンバーグを焼き上げる。ジューシーな焼ける音がたまらない、蒸し焼きもいいけど今日はそのまま焼き上げた。

 野菜は鶏肉の素揚げにちぎりキャベツとハンバーグにちょっと焼いたねぎを添えて出来上がり。さっそくいただきます!


「ココ。」


「ん、なんだフレウド?同族が素揚げされたのが悲しかったか?」


「コ。」


 ずっとベードの上にいたのに、わざわざ近寄ってきたから、鶏肉料理に何か物申したいのかと思ったけど、そういうわけではないようだ。

 フレウドが翼でさすのは鶏肉を揚げた油が残るほうのフライパン。


「え、まさか、これがほしいのか?あとで捨てるつもりだったんだが・・・ほしいならどうぞ。」


「コッココ!」


 フライパンを床に下ろすと。フレウドは口を開けた。そうしてフライパンの残り油が吸われていく。うっ、みてると胃もたれしそう。すぐ目をそらして僕は僕のご飯だ。

 というかフレウドはさっきファイアボールを食べてたはずなんだけど、まぁいいか。

 さてさて、まずは先にあげた素揚げから一つ。衣がないからザックリ感はないけど、なかなかジュワリと広がる肉の味がおいしい。しっかり醤油もしみ込んでるようだ。なかなかいい出来だと思う。キャベツ一枚に挟んで、食感とさっぱり感をプラス、これもいい感じ。

 お次はハンバーグ、同じ醤油味になってしまうけど、漬け込んでるかの差があるからまぁいいだろう。

 結構柔らかくジューシーに仕上がったな。玉ねぎ入れてないから味わい深さが足りない気もしちゃうけど、十分においしい。普通のネギを代用にみじん切りにして入れてよかったか?乗せたネギと一緒に食べた相性がかなりよかった。

 はふぅ、満足満足、ちらっとフレウドを見るけど、そっちも満足げのようだ。フライパンの油無くなってるけど、床にこぼれてもいないからうまく吸い尽くしたようだ。というか火と違って液体だったけど、吸い込めるんだな。熱がまだあったからかな?

 まぁフレウドの食べるものが少し加わったという感じだな、さすがにこの量毎日油を用意するのもきついから、ファイアボールだけで我慢してもらうか、無理にでも魔道コンロの火を食べさせるかだな。今日は魔道コンロの火に見向きもしなかったけど。


「ふぅ、先寝てていいからな。僕は時空術の練習してから寝る。」


 宿でのスペースボールを出し続ける訓練をこなす。フリップスペースってスキルアーツも使えたし、レベルだってすこしずつだけど上がってる。転送のスキルアーツを覚えられたらいいんだけどな・・・




 翌日、西の荒野に僕はベードとフレウド、そしてレイトを連れてきていた。連れてとはいってもフレウドはベードの頭上、レイトは僕の頭上と、どっちも頭装備のようになってるけど。


「フレウド、ベードの上にいてもいいけど、危ないと思ったら降りて下がっておけよ。知ってるかわからないけど、相手はデビルカウ。お前だけじゃなく、僕もきつそうな相手だからな。」


「コケ。」


 調べたところによると、このあたりの魔物の中では、術法に対して結構耐性が高めで、特に火の耐性は高めなのだそうだ。さらに耐久力があるため、生半可な近接戦闘も効果は薄いそうだ。そんな相手に僕がどこまで通用するのか、気になる所じゃないか。

 あんまり草地のない荒野に伸びる街道から外れて、遠目に見える牛一匹をターゲット。やっぱこいつらも街道からはできるだけ距離取りたいんだな。

 鶏のように周囲にいっぱいいてリンクするということもないそうなので、一匹と集中して戦える。ここまで来るまでに見かけた他の人たちも大体3人くらいで一匹を集中して狩ってるようだった。それほどの相手ってわけだ。


--------

≪識別結果

デビルカウ 危:E

魔素を取り込み肉体が頑丈になった牛、縄張り自体は狭く、感知能力も低いが、一度敵に気が付くと猛烈な勢いで突進する≫

--------


「さて、ベードもフレウドも戦闘態勢でいてくれよ!ファイアアロー!」


 牛の感知範囲は情報通り狭いようで、背後から近寄れば、僕のファイアアロー射程内まで近寄れた。ケツに突き刺さる火の矢だが、体を貫くことはなく、先端が少し刺さったくらいで消えてしまった。


「ブモッ!ブモー!」


 やはりあんまり効いていないのか、軽快な動きでこちらを向くように反転。そのまま突っ込んでくる、結構速い!


「ばぅわぅ!」「コ。」


 ベードが何か吠えると、一気に牛の横から突っ込んでいった。その瞬間フレウドは頭上で少しだけ飛んで、ベードの上から退いた。

 牛の横からベードがタックルをかまし、牛の動きが一瞬止まる。僕も戦闘に集中。


「ファイアボール!」


 両手を思いっきり突き出すようにして、出現させたファイアボールをそのまま放つ。よろけた牛に命中したけど、牛が体を横に振ると、火はすぐに消えてしまった。

 こちらを見た牛が突進してくる!と思ったけど、その場から動けないようだ。牛がベードのほうを振り向く、ベードが何かしたのか?

 まぁ何でもいい、今がチャンス!やはり今の僕の火術じゃ決定打にはならないし、効いてるのかもよくわからん!

 それほど離れてない牛に、杖を構えて駆け寄る。ベードのほうを向いてて、今はこっちに意識がない、その横腹に思いっきり杖を叩き込む。


「吹っ飛べ!フリップスペース!」


 ドゴッっという音とともにズササと地を滑る牛、殴る瞬間ベードも引いていたので、やっぱ何かして動きを止めてくれてたんだな。

 牛は1メートルくらいは吹っ飛ばせたけど、これも決定打とはいかないようで、すぐに僕のほうを見て突っ込んできた!

 やばいけど、今から横に動いたら多分対応される、だから引き付けてから、飛び退ける!


「ぐっ!」


 いっつ、肉体自体には当たってないはずなのに、ちょっとかすった気がする。こいつの突進も切り裂き豚みたいになんか纏ってるのか?可能性はあるな・・・

 突進した牛は反転、再度こちらに突進しようとして来ようとしてたが、横から謎の液体弾が飛んできた。


「コッ!」


「フレウド!?なんだいまのは?スキルにそんなのはなかったはず。そもそもフレウドは火の属性の魔物のはず、液体なんて・・・」


 いや、待った、一つだけ心当たりがある、迷ってる暇はない、フレウドに向きを変えた牛が今や突進しそうなところを、ベードが慌てて止めに入ったようで、動きを止めてくれた。やるならいましかない!


「一か八かだ!もう一回食らっとけ!ファイアボール!」


「ブモゥオォォ!」


 命中したファイアボールはさっきよりも明らかに激しく炎のように燃え上がる。牛はもだえるようにその場で体を振りまくるけど、その激しさは衰えない。

 でもやっぱりしぶといな、ならファイアアロー連打だ!とにかく突き刺しまくって、仕留める!


 フレウドも火魔法のおそらくファイアボールを5発、ベードは影から出した球体、シャドウボールとでもいうんだろうか、それを7発。僕は12発は射しただろうか、偶然脳天にヒットした最後の一発とともに燃えてた火も消えて、その場に牛は倒れこんだ。

 結構長期戦になったし、消耗も大きかったけど、攻撃はほとんど受けずに勝利できたな。


「二人ともお疲れさん、少し街道のほうまで行ってやすもう。そのあともう一戦だな。」


「ばぅ!」「コッ。」


 というわけで街道付近まで下がって休憩、おっと休むだけじゃなく、一応フレウドのステータス確認だ。


「フレウド、さっきの液体の球が気になるからステ確認するぞ。」


「コ。」


 大丈夫のようだな、さてさて、スキルには油術というのが追加されてる。やはりあれは油だったのか、昨日飲んだ油だけでスキルが使えるようになったのか?

 うーん、油術なんて見たことないからさすがにわからん。今日帰ったらギルドで調べてみるか。まぁその前に昼飯と、もう一戦牛と戦うけどな。


戦闘シーン難しい

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