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装備更新

 ログインした今日はまず商業者ギルドの直轄店へと来た。昨日言われたようにローブを取りに来たためだ。

 店舗でスクーリの名を出すと、水晶に向かって店員が手をかざした。少し経つと店舗の奥にある扉から黒いローブをもったバンダー商長が現れる。


「お待たせいたしましたスクーリ様、ご注文のローブをお持ちいたしました。すでに着ていらっしゃるそちらの来訪者のローブに合わせ、黒を基調としたローブに仕上げさせましたね。仕上げましたよ。」


「黒にこだわってるというわけではないのですけどね、ありがとうございます。」


 どれどれ、さっそく識別してみるか。


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≪識別結果

製作蜘蛛糸のローブ 質:5D 耐久値:2500

所有者:リュクス・アルイン 装甲:18 知+5

生産に適した糸から作り出されたローブ、布地だがその糸の性質により装甲性が高い≫

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 おぉ、かなり装甲が高いな、今付けてるローブなんて装甲3だぞ。壊れないという利点はあるけど、腰のベルトの装甲3と同じってのが悲しい。

 他に付けてる狼皮の腕あてだって装甲6だし、兎皮の靴だって装甲4とどれも一桁台ばかりだったからな。かなり装甲強化になるだろう。

 まぁ装甲があっても装備してない頭とかは危ないんだろうか。皮装備を追加してから肉弾戦してないから気を付けないとな。慢心駄目だよね。


「モイザ様は、本日はいらっしゃらないのですか。残念ですね。残念ですよ。」


「そうですね、今日は魔牛と戦うつもりだと伝えたら、宿で製薬と合成をしたいようだったので、錬金セットと一緒に留守番ですね。」


 モイザは戦闘よりも生産面のほうに注力したいのだろうか。いざというときに戦えないとかはないだろうけど、戦闘しなくてなまったりはしないのかな?


「ほぅ魔牛討伐ですか。豚や鶏と比べると格段に強めの魔物になるのでご注意くださいね。ご注意くださいよ。」


「そうなんですか、とりあえずローブを受け取ったので、一度冒険者ギルドで情報集めするつもりです。」


「なるほど、ところで武器は杖ですか?術法補助としてもお使いになるならば、本もおすすめですね。おすすめですよ。いかがですか?」


「いえ、杖での近接戦闘も行いたいんですよね。魔牛相手にやるかは今は未定ですけどね。」


「なるほど、鈍器としてもお使いになるのでしたら、かなりの耐久性が必要ですね。必要ですよ。それでいて術法補助にも長けたものですと・・・おぉそうでした、ちょうどいい一本がありますね。ありますよ。少々お待ちください。」


 そういって再び扉奥へといってしまった。結構待つかと思ったけどすぐに戻ってきたバンダー商長の手に一本の杖が握られていた。


「こちらは術法の威力を上げるための力が少し込められた杖です。付与能力自体は弱いですが、耐久性に優れ、鈍器として使用しやすくなっておりますね。おりますよ。」


「うーん、では一度見せてもらいますね。」


----------

≪識別結果

活性樹の杖 質:4C 耐久値:5800

所有者:なし 威力:10 秘+10

生命力の強い活性樹の素材を用いて作られた杖、杖となってもなお衰えない生命力により、ゆったりだが自動的に耐久値を回復する≫

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「おぉ、すごい杖ですね!特に自動耐久値回復というのがいいですね。」


「そちらは大体1刻で50ほどの回復速度になりますので、連戦の際にはお気を付けくださいね。お気をつけくださいよ。こちらの木は火を知る街の付近に生えるものでして、火を知る街ではこの木を一本丸々燃やせるようになることで、火術が炎術にと進化するとされていますね。されていますよ。」


「おぉ、そんな木があるんですね。でもそんな木を素材にしちゃっていいんですかね?」


「スクーリ様の言う通り、こちらの木になる活性樹の実は、生命活性の水薬の材料でもあるので、かなり厳重な管理体制をとっているようですね。とっているようですよ。そのために苗木を入手することもできないので、困ったものですがね。困ったものですよ。ですがこうして良い杖となるので、原木素材として輸出は行っているようですね。行っているようですよ。」


 なるほど、管理体制の下でどれだけ素材にするのか、実を付ける木として使うのか、そして火術の訓練に使うのかを決めているってことか。


「ちょっと興味あったんですけど、街に行っても気軽には買えそうにないですね。この街の後の進行方向も違いますし。とりあえず杖はありがたく購入させていただきたいです。」


「わかりました。それで料金のほうですが、提示させていただく前に相談がありますね。相談ですよ。今まで着ていたローブと使っていた杖を、もし使わないのであればお譲りいただきたいのですね。お譲いただきたいのですよ。」


「このローブと杖ですか?そういえばインナーもトレビス商長に言われて渡してしまったんですよね。僕は問題ないですよ。」


 特に使う予定もなかったので、古いほうのインナーは新しいインナーにするときに渡してしまっている。今回も別に今後戻すつもりはないし、別に渡しちゃっていいだろう。


「おや、そうなのですね。実は来訪者に与えられた壊れぬ装具はわたしたち南の住人にとってはかなり貴重なのですね。貴重なのですよ。とはいってもこの街で多くの来訪者の方にすでにいただいていますがね。いただいてますよ。」


「そうなんですか?てっきり来訪者はみんな南端の街で装備変更してるのかと。」


「すこしまえになりますが、かなりの人数、大体三、四千人というところですかね。ところですよ。この直轄店で装備更新を行っていただきましたね。いただきましたよ。そこで不要という方も多かったために、かなりの数をいただくことができましたね。できましたよ。」


 あぁ、多分攻略情報化掲示板を見た第3班のプレイヤーだな。多分この街のほうがこの杖みたいな良い装備がそろってるとか、そんな辺りの情報だろう。

 それで五千人のほとんどがこの街に移動したってことか、納得。


「まぁ僕のも役に立つというなら役立ててください。もし装備が壊れてしまっても、今は少しお金に余裕もありますので。」


「なるほどなるほど。ありがとうございます。ではローブは製作費用を前払いいただいていますので、杖のほうの代金からいただいたローブと杖代を引かせていただき、5,000リラになりますね。なりますよ。」


「え、結構安いんですね。というかローブは前払い済み?」


「はい、20もの新しい糸玉をいただいたのです、さすがにそのローブだけに20は使っていませんからね。いませんよ。残りは代金としての意味合いでしたよね?意味合いですよね?」


「え、えっと、そ、そうですね。多分そんな感じです。ではお支払いしますね。」


 ローブもその場で着替えて、杖と一緒に渡し、水晶に証明を重ねて5000リラをお支払い完了。


「では、僕はこれで失礼しますね。」


「はい、お買い上げありがとうございました。」


 さてお店を出て、この後は魔牛討伐!と行きたいけど強いということらしいし、またグリーディードッグの時みたいな苦戦になっても不服だから、一度しっかり情報を入れておこう。

 レイトとベードがいるからそこまでしなくてもいいのかもだけど、情報を持っておけば不意の事故は防げるはずだ。頼りすぎるのもよくないと思うし。

 まずは冒険者ギルドでしっかり情報収集しておこう。どうしても肉がほしくなったら買っちゃえばいいんだからね。


後付けになってしまいましたが防具の防御力としての値を「装甲」としました。

今後はこれで通す予定です。こんな感じでその場の思い付きが増えていく・・・

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