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豚狩り

 さぁてログアウト中に何をするかは一応決めてきた。まずは使い慣れた豚肉を回収してみよう、お金には余裕があるから買ってもいいんだけど、せっかくなので自分で集めてみようと思う。なんだかんだスキルアーツの書だけ見て、やってみたかった新しい火術も使えてないし、試しついでだ。ダメなときはベードに頼ってみるか。

 モイザは宿に置いた料理セットで料理を作るみたいなので待機、豚狩りに一緒なのはレイトだけだ。ベードは一応目立たないようにと言っておいたけど自由行動。集められても、新しくつけてあげた中型袋ポーチに死体200までだから、解体時間はかかるかもだけど、いざとなったら南門の近くで見かけた解体屋に頼んでみよう。

 さて、兎と違って豚たちはよく見えるし、より広範囲で襲い掛かって来るみたいだ。街道から少し離れた位置で豚たちを見てて分かった。

 さて、人の見えないとこまで来たから、やっと草原に入っていく。おっと、豚がこっちに気が付いたようだ、こっちに突っ込んでくる。


----------

≪識別結果

リッピングホグ 危:G

その突進は風を纏って相手を切り裂くといわれる豚。強力な嗅覚で餌や敵をすぐ見つける≫

---------


 おっと、なるほど、突っ込んでくる豚の周りにある白い風みたいなのは、幻覚じゃなくって魔法か何かの類なんだろう。識別はできた、まっすぐ突っ込んでくるだけなのにあたるような僕じゃない。

 横に飛びのきつつ、左手を握り前に突き出す。その拳に右手を添えて、魔力をつまむようにイメージしながら胸元に引っ張る。拳から右手まで火の矢が出来上がり、豚に向かい放つ!


「ファイアアロー!」


 放った火の矢は豚を貫いたが、豚は燃えずにピギッという声を上げて倒れたようだ。やったね、うまくいった。このファイアアローなら当てた対象を燃やすことなく、こうして貫くだけですむ。普通のVRゲームでアーチェリー経験してたのが役に立ったのかな、矢もまっすぐとんだし。

 ポーチは袋型特大ポーチがあるから、とりあえず解体しちゃうか。解体ナイフで肉と皮をはがす。うーん、皮は素材にならないのか?なんか緑甘樹の蔕と同じような感じだ。あれも少し取っておいたんだけど、僕にもトレビス商長にも用途不明、畑の肥やしになるかなととりあえず地面に埋めてしまっていた。そういえばモイザ達は蔕をどうしていたんだろう?まぁいいか。


「とりあえずはポーチに入れておいて、次行くか。」


 少し歩けばすぐに遠目に豚が見えて、すぐにこっちにと突進してくる、この距離で匂いで察知してるのか。でもこの距離ならよけて狙うなんてせずとも、まっすぐ打ち抜ける。左手を構え、強く引いて、放つ!

 まっすぐ突っ込んでくるだけの豚を火の矢が貫いた。こいつらは纏った風以外に脅威はないな。あの風で矢の弾道をそらされなかったのはよかった。こいつら危険度Gだけどレッサードッグのような知能もないようだな。豚肉稼ぎには困らないか。ありがたいことだ。

 なら次はもう一つのほう、一匹しか釣れなくてちょっともったいないけど、まずは射程範囲まで引き付ける。


「ファイアメモリアル!」


 ファイアメモリーと同じ性質をもちつつ、火力を上げるための技、その代わりメモリーの時よりもさらにひきつけないといけない感じだ。火の玉になった豚が威力を落としながらだけど、そのまま突っ込んできちゃったので、飛びのいて様子を見る。

 豚だったものはその火に燃え尽きて、灰も残らなかった、まぁこれはしょうがない。むしろ十分な力を出せたのでありがたい。

 使いたかった2つの火術は試せたし、豚の情報も十分集まったし、いったん戻るかな。


「ベードは近くにいるかな、お、いた。」


「ばぅ。」


 袋は・・・おぅ、もう全部詰まってるのね。そうですか。うーん、時間的には余裕はあるけど、一度解体屋に行ってみるか。


 解体屋に入るとカウンターに肘をつき、とつもなく気だるそうなあくびをしている犬系のビスタが、一応は出迎えてくれた。


「何か用?」


「えっと、切り裂き豚の解体をお願いしたいんですけど。」


「個体数はどうする?」


「200です、中型袋に入ってます。」


「袋ごと預かる?個別に出す?」


「え、えっと、じゃあ袋ごとお願いします。」


「600リラだ、証明。」


「あ、はい。」


 なんかそっけない対応だったけど、証明をだして600リラを払う。そして袋も預けるとちらっと中を覗く。


「半刻もあれば終わる。待つか?」


「半刻・・・待たせてもらいます。」


「わかった。」


 そういうと袋を持って奥へ、あの袋って僕しか中身取り出せないはずだけど、何か取り出す方法があるのかな。とりあえず座る場所もないので立ったままだけど、ベードやレイトをなでつつ待たせてもらう。そして半刻後に袋を持って戻ってきてくれた。


「切り裂き豚の肉だけを詰めた。他に袋があれば端材の皮、頭、足も渡せるぞ、どうする?」


「えっと、端材って、何ですか?」


 端材って言ってるということは素材ではないということだよね。


「端材、素材とならないもの、用途不明といえば聞こえはいい、未知のものと感じる。本質はほとんど用途なし。価値を見出せる端材はごく一部。」


「う、な、なるほど、通常はそういうものってどうするんですか?」


「廃棄肥料。」


 廃棄肥料・・・僕と同じような用途か。ある意味正しい使い方だったということか。


「じゃあ足だけもらっていきます、袋はこれで。」


「わかった、受け渡す。」


 おぉ、特大ポーチ、あれに入れて処理するとこまで運ぶのか。ポーチ同士を触れ合わせると、僕の特大ポーチに豚の足200が追加される。端材って言われたけど、豚足料理作れるかな?帰ったら試してみるか。


「ありがとうございました。」


「まいど。」


 愛想悪いかと思ったけど、ちゃんと聞いたこと答えてくれたしよかった。ちょうど昼時だし、一度帰っておくか。


豚の足は4つ1組でポーチ一枠分となります。

実際には200組800個もの足がポーチ内に入ってることになります。

・・・考えるとちょっと気持ち悪いですね、早めに処分します。

次話で指摘された上記の内容について表現していきます。

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