表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/180

到着した南の肉の街

 慣れてからは速いもので、日が見えるころには森を抜けて平原へ。ただその平原の街道じゃないところを突っ切ってるせいで、魔物がちらほらとこっちに向かって突進してきた。こっちが速くて、通り過ぎたところに突進してたので、ベードに被害はない。

 何匹も突進してきたのは豚のようで、一度突進してきたあとは、こっちを追跡するような感じではなかった。ちゃんとベードが振り切ってくれてるようで安心。

 豚というのは遠目で分かったのに、識別するためには離れすぎててダメだった。まぁ多分あれがリッピングホグというやつなんだとは思う。

 まっすぐ平原を進み続けて、日が一番高くなったころに街道沿いに到着、街道には乗らずに進んでるけど、そこら中に人の姿が見える、こっち見られてないだろうか、ちょっと不安。まぁあっという間に駆け抜けていくから大丈夫かな?

 そうしてベードに走り続けてもらって、日の暮れないうちに南の肉の街の門前まで到着、そして門前で武器を構えた門兵に止められる。まぁ当然だよね。ベードから降りて軽く門兵の人にお辞儀しておく。


「申し訳ないね、乗ってたし従魔なんだろうけど、さすがにちゃんとチェックもなくそんな大きいのいれたら、あとで何言われるかわからないからね。」


「そうですよね、理解してます。あとベード以外にも従魔はいるので、一応認識していただいたほうがいいんですかね?」


「そうだね、もしこの街に入りたいなら従魔証を認証魔道具にかざしてもらうのともう一つ、僕のほうでも従魔証を識別して、街長、ギルド長、商長の3人へ伝達させてもらうね。」


「はい、大丈夫です。」


 まぁレイトをアタックラビットとして扱えたのは南端の街までだよね。従魔とはいえこの幸運兎をどう思うのかね。何も起こらない幸運を祈るよ。


「確認しましたよ・・・どの3種も僕の見たことない種族ですね、トップの方達ならわかるでしょうか?とりあえずこちらからの通達をしておきますね。本日は日も遅いのでとりあえずお入りくださいね。」


「ありがとうございます、あの僕の従魔達も一緒に泊まれるような宿ってありますか?」


「その大きさのこが泊まれる宿か、もしかしたら一番大きい生産宿ならいけるかもね、西門への大通りにある魔牛の看板の店だよ、この街大きいからちょっと遠いけどね。」


「たびたびありがとうございます。とりあえず向かってみることにしますね。」


 手続きの終わった僕たちはさっそく街の中へと入る、レイトはいつも通り僕の頭上、ベードは僕の真後ろについて、モイザはベードの上に乗っている。そんな状態で歩く僕たちは目立つと思ってたんだけど、意外なことに視線はあまり感じなかった。もしかして気配をうまく消してるのかな?時折ぎょっとしたように見てる人には見えているんだろう。

 それにしても本当に広い街だ、もう日は沈みかけてるから、ちんたら歩いてたら闇の刻になって暗くなっちゃう、急ぎ足でまずは中央をめざす。大きさが違っても街の門をつなぐ大通りは同じようで、中央につけば東西南北に大きく分かれた十字路と、それを指す中央看板もある。そこからは看板に従い西門の大通りへ。

 そこからはとりあえず大きな建物と、その建物の看板に注視しながら歩く。お、あれか?変なまがった角の生えてる黒い牛の看板がついてる、建物も他と比べて圧倒的にでかい、ついでに入口も広い、これならベードも楽々通れるな、なんでこんな広いんだ?おっとそんなことより早く中に入って休もう、もう闇の刻を回ってしまった。


「いらっさー!夜遅くにご苦労っ!お客さんうちをご入用で?」


「えっと、はい、そうです。門兵の人に紹介されてきました。」


「おー、門兵さんの紹介?めずらし!」


 急にドワーフの女性店員に話しかけられてちょっとびっくり。さて、ちゃんと説明したほうがいいよね、あとで迷惑になったら嫌だし。


「実は三人の従魔がいるんです、その一人が結構大きい体格なんですけど、それでも一緒に泊まれそうな宿はないかと聞いたらここを紹介されたんです。レイト、ベード、モイザ、挨拶しておいてくれ。」


「きゅ。」「ばぅ。」「――――。」


「おぉぉ!大きい狼!かわいい兎、あと蜘蛛さん?うーん、まぁ狼さんの大きさでもうちなら入れるね!まぁいいよ!そうだね、106室ね!とりあえず10日で4500リラだよ。」


「はい、了解です・・・ん?モイザ?」


 僕が証明で支払おうとしたら、モイザが前に出て、糸を出し始める。体を丸めずとも糸を操れるようになったようで、そのまま前の二つの足で器用に糸玉を1つ作り、店員さんに渡した。


「えっなにこれ!?すごい、ほんと、すごい・・・2000、いや1500リラでいいよ!これなら何作れるかなぁ、初めて見る性質だなぁ・・・あ、そこの水晶に入れといて!」


「え、あ、ちょ・・・」


 そう言い残して糸玉を抱えて奥の扉にと消えて行ってしまった。しょうがないのでカウンターの水晶に証明を当てると、1500リラだけ消費されて、水晶から106号室の鍵が出てくる。カウンター下に宿全体の見取り図があるのはさっき見ておいた。


「しょうがないとりあえず部屋に向かおうか。」


 三人にそう言って部屋へ。部屋の中は前の宿よりも全然大きい。扉はさすがに宿入り口ほどは大きくないけど、ベードでも通れそうだ。中に入ればかなり広い、生産用スペースもかなり広い。

 ベードもゆったりと寝れるようだ。レイトは設置してあったソファーの中心を占拠。そしてモイザはなぜか部屋の四隅をみてそわそわしてたけど、目をつぶって伏せたことでおとなしくなった。僕もベットに伏せておやすみなさいとログアウトだ。


ベードの大きさの想定は体格210㎝ほど横幅は人より広め、体長は280cmくらいかな・・・それで人って乗れるのか?まぁいけると信じよう。大きめという程度なのだけどヒュム用の宿の扉だと少し高さと幅が足りない感じです。不足があったら設定は変更すると思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ