家が出来上がりました
ログアウト中にどうするかを決めてきておいた。今日は自分の土地にはいかないことにする。作業してるところを中断させる可能性もあるし、出来上がりを見るほうがおもしろいかと思ったからだ。
ちょっと作業員の人をねぎらわないのもどうかと思ったけど、そこは明日に今日の分も含めてやろうとおもう。そのためにも今日は依頼をするでもなく、できるだけ触れてないような食材を使っていろいろ料理してみたいと思う。まずはいつもの商業者ギルド横の店から見てみよう。
前にも食材を見てたけど、一応キャベツ、ニンジン、長ネギ、ナス、ピーマン、ブロッコリーと僕が試験で使った野菜は数は少ないけど一通り売っている。結構値段もバラバラだし、ナス、ピーマンは数用意しないと物が小さめだから1食分くらいにしかならない。増やすための種もここでは取り扱っていないようなので、探すなら隣町とのこと。
この街でも一応育たなくもないが、輸出入として種は流通しにくいらしい。店の野菜の販売数が100に満たないほどなのも、向こうの街があんまり流してこないかららしい。
まれに旅商が種を流すことがあるらしいけど、その種を買ってもそれで育った野菜は1回収穫したら連作できるものでも枯れてしまうし、野菜たちも普通の物より小さく育ってしまうという。いわゆる質の低い種で本来取り扱うべきでないものだそうだ、なるほど、質の低い種だとそんなことがあるのね。買わないように気を付けておこう。
まぁ数が少ないのはおいしいものを試して、いっぱい買うなら我が町でということなんだと思う。実にいい商売戦略だと思うよ。だから買い占めできないように販売制限してるんだと思うし。ちょっと悩んだけど野菜のほうはやめておくか。
肉のほうは兎肉と豚肉はかなりの量売っているけど、それ以外は売っていない。南の肉の街は豚肉以外は数をおろしてないということなのか。魔牛肉はギルド用と限定的な店用におろされているらしい。ちょっと残念だけどしょうがない。
マヨネーズは売ってるのに卵だけを売ってないのも気になったけど、どうやらリンゴの加工品の輸出をして向こうでマヨネーズに加工、そして再輸入してるらしい。ギルド長が卵輸入してるって言ってたけど、どうやらしてはいるそうだが、ごく少量で売りには出せないらしい。そういうものがほしい場合は商長に相談してくださいと言われたので、やめておくことにする。最近明らかにいろいろ融通されすぎているからな。
野菜も明日用にできればいろいろ味を試してから出したいから、多めに買えないなら次の南の肉の街まで楽しみに取っておくのもありだ。それにしても、調味料として醤油も売ってないんだけど、僕が持ってる分もおそらく持ってるのから出したんだろうなぁ。
こう見ると意外と食材の種類が少ないな、なんか新しいコーナーができるのか、展示ケースに何も並んでない部分があるけど。そこの部分を抜いたら食材らしい食材はそんなもんだ。バリエーションを増やすなら南の肉の街に行ったほうがよさそうだな。この周囲も見終えてるし、土地の建築作業を終えたら出発しよう。とりあえず今日は兎炭の依頼が残っているようなのでこなすことにするか。
南兎平原ではレイトの協力のもと兎炭の回収を楽にこなすことができたけど、今後はちゃんとこういう見つけづらい相手も、自分で見つけられるようにしないとな。
別行動で兎狩りを楽しんできたベードは袋型小ポーチをいっぱいにしてきたようで、100匹分の死体が入ってる・・・時間もあるし、解体の特訓でもするか。
そういえばベードの袋に狼の死体は入っていなかったな、どうしたんだろうか?さすがに回収するのは嫌だったのかな。それか近くの他の冒険者にあげたのかもな。とりあえず一匹ずつ兎の解体を始める、結構長丁場になりそうだな。
・・・本当に長丁場になってしまい、帰ってくる頃には夕暮れだった。ベードに新しく袋を渡したらそっちも満杯だったので、明日以降に解体所にでも頼むとしよう。
解体には集中力も結構必要だったし、精神的にも結構疲れてる。明日の家とかの出来をしっかり見るためにも、今日は早めに寝るか。
そんな過ごし方をした翌日の朝は、まずがっつりサンドの製作300個。1刻半ほどで終了させて自分の露店にと向かう。
僕の露店に何とかサンドを追加したけど、それより土地の変わり具合に、僕はちょっと不安になった。まず南東の扉付近にあるでかい家、あれが僕の家になるの?そしてかなり広めに作られた屋根だけの部分、雨風しのぐ用だけど広すぎじゃない?
一応木々の配置場所を考えてくれてるのか、すでに苗木の生えた部分には屋根がないようだ。でもなんかさ、苗木かなり多くない?200くらいはあるように見える。
リンゴの木と緑甘樹が半々ほどで並んでいるようだ、識別も大変なので全部はしないことにする、一応苗木の形がちょっと違うからわかるし。
それと、モイザ達の巣が中央付近に移動して広がっていた、なんか相談があったのかな?勝手には移動しないだろうし。元のモイザ達の場所には、なぜかノビルが大量に生えていた。
そこから少し離れた位置にレモングラスも生えている、ノビルほどではないけど、十分多いようだ、こいつらは南兎平原でもいっぱい取れるんだけどな・・・
まぁいいか、作業員の人たちやモイザ達が考えてやってくれたんだろうし、別にその光景を気に入ってないわけじゃないし。
露店近くは人だかりもできそうな予感がしたので南側に移動、土地が広くなって見やすくなったかと思ったけど、こっちまで来ると露店が小さく見えるから、人がいるとわかってもだれがいるかまでは見えないだろうな。というか、木々もあるから柵側の通路にしてる部分じゃないと、露店が見えないやこれ。
南側の一角に広いスペースを発見、どうやら皆さんそこに集まっているようだ。その場所のちょっと離れたところに、一面だけ壁のない小さめの小屋がある。中に料理セットと脚立が見えたので、蜘蛛達専用の料理場所ということかな?中で一匹料理していたけど、どうやらレササのようだ、完全に料理担当になったみたいだな。
「おや、お帰りなさいませ、スクーリ様。出来上がりはいかがでしょうか、露店側から来られましたが、すべてご覧になれてませんか?」
「そうですね、広すぎてとてもじゃないけど難しいですよ。まだ家の中だって見てませんし。」
「やはりそうですか、では皆さんに解散指示を出した後に、私が家の中をご案内いたしますね。」
「わかりました、よろしくお願いします。それと作業員の皆さん、ありがとうございました。」
「おう、こっちもいい仕事出来たぜ。面白い体験もできたしな。俺達は一旦土地から出ちまうと、契約上また中には入れねぇが、なんかのようで近くに寄った時は蜘蛛達に挨拶位しておくぜ。」
あぁそうか、そういえばそんな契約があったな。なんかすんなり作業員の人が入れたから意識してなかったけど、ちゃんと契約が終わったら再度入ることはできないんだな。しっかり作業員の人たちとお別れしてから、トレビス商長とともに家に移動した。
我が家となるらしい家はこの街の民家と同じ三角屋根の家、縦には広くないので一階建てだろう、ただ街の民家と比べてもかなり横に広い。石材で固めた床下以外は木材で作られているようだ。石材と木材の造りなのは他の家と同じ材料なのかな?
入り口はさっきの広場から正面の大通り側にある、大通りのほうと、その逆側の面には大きい窓が付いている。人が通れるような大きさではないけど、蜘蛛達ならば普通に通れそうな感じだ。高さ的にベードだと飛んで入らないと無理だろう。でも体の大きさ的には行けそうだな。
まぁ外観だけ見ててもしょうがない、中に入ってみよう。ベードはついてくるみたいだけど、モイザは外で待つようだ。モイザ的には家の中はにがてだったか?まぁしょうがない、とにかく僕がまず入るとすぐに玄関口が作られていて、靴を脱いで上がるようになっている。宿屋では靴は履きっぱなしだったけど、家では靴を脱ぐのが主流なのかな?では靴を脱いで上がろうか。
玄関部分からドアを開けてさらに家の中へ。おぉ、広いダイニング、大きなテーブルもあるけど、十分に解放的だな。ちょっと奥にキッチンスペースもある、せっかくなので見に行くと、どうやらすでに魔導コンロや魔導水石が設置されているようだ。
「こちらのキッチンの下棚には鍋やフライパンなどの基本的な道具が入っています。上棚の左側には皿や椀、箸、フォーク、ナイフ、スプーンなど、食器類が入っています。補充型の10枚ずつ出てくる仕組みになっています、右側が補充用部分になっていますのでご活用ください。」
おぉ、どこでも料理セットと同じような機能があるのね、これなら帰ってきたときはいつでも料理できるな。ありがたい。
「他もご案内いたしますね。こちらのカウンター側の奥の扉がお手洗いとなっております。寝室はダイニングのテーブル横のあちらの扉になっております。
なお、一番奥の一角は何もない部屋になっておりますので、簡易神殿を設置する際にお使いください。」
ほうほうなるほど、簡易神殿の部屋まで用意してくれたのか。まぁそれは明日確認するとして、まずお手洗いを確認。おぉ、結構広めなトイレだ、宿のトイレくらい広めだけど、まぁ狭いほうがいい人にはだめかな?
とりあえずトイレ確認はほどほどに、寝室方面に移動。こっちもこっちでかなり広い。そしてさっき見えた広い窓もベッド上についているようだ。どうやらこっちが畑側みたいだな、窓から少しだけど木が見える。そしてベッドはダブルベッドの大きさだし、クローゼットもちゃんと設置してある、うーんゴージャスすぎない?まぁいいけどさ・・・
ダイニングに戻ってせっかくなのでテーブルそばの椅子に座ってみる。なぜか4席用意された椅子があるけど、多分この机なら8人くらいは座れる気がする。そんなことをおもってたら、僕の向かいにトレビスさんも座っていた。
「どうです、お気に召しましたか?最低限の必要と思うものは用意したのですが。」
「充分すぎますよ、満足しました。こんなにもらっていいのか不安なほどです。」
「いいえ、リュクス様のおかげでこの街にかなり多くの旅商の方が来ております。我々もかなり稼がせていただきましたよ。それだけでなく、あなたから得た従魔の情報でも王都よりかなりの額をいただきました。これくらいでは少し足りないかもしれませんね。」
「そ、そうですか、でも本当に充分なのでこれ以上は大丈夫です。」
「わかりました、では私たち商業者ギルドからは以上になりますので、ご自宅でごゆっくりしてください。もしこの街から出発する際はこちらに声をかけてくださいね。」
「わかりました、出発する際は声をかけさせていただきます。ありがとうございました。」
お礼を言ってトレビス商長を見送りした後、とりあえず宿を引き払うために、現在宿泊中の生産宿にと向かうことにした。あれ、そういえば延滞金払ってたっけ?というか何日宿泊してた?
そう思って受付で聞いてみると、なんかいつの間にか僕の料金が追加されていたらしく、とりあえずカギを返すだけとなった。思い当たる節があるけど、もういいや・・・
せっかく家ができたんだ、今日は少し家を堪能しようじゃないか。そして明日は簡易神殿作ってもらって、帰還できることを確認出来次第、この街を出発しよう。作って早々の出発になっちゃうけど、帰ってくる家だから別にいいよね?
現在の経過日数がわからなくなってしまいました、やばいです。
どうしようまじでやばい。
とりあえず次回は世界設定の予定なので、その際に自分で振り返って記載をしておきます。