広がる南端の街の聖域
昨日はちょっとゲームに夢中になってて書き遅れてました・・・
あと、ノリが悪くなってきてるかも。
もう少ししたら一気に時間軸が進むかもしれません。
そんなわけで、僕からいろいろと話したわけだ。まずは蜘蛛糸、蜘蛛達は引き続き露店に補充してくれているようで、トレビス商長が露店に結構な数並んでいると教えてくれた。購入制限を増やすといいと教えてくれたので、あとでやっておく。
続いて緑甘樹についてだが、異様な成長速度だといわれた。何か思い当たる節はといわれたが、すぐには思いつかない。しいて言えば来訪者の能力なのかもしれないというと、少し悩みこんだ。
緑甘樹の実については、モイザの技術貸借を教えた。そうすると、茹で作業をレササに完全に任せたモイザが寄ってきた。そうしてトレビス商長にと前足を差し出す。聞いてみると、トレビス商長と握手?をしたいようだった。恐る恐るだが、トレビス商長が前足を握る。
少し握られた後に、握られた手から前足を抜くと、何やら体を丸めて、糸を足で編み始める。出来上がったのは僕の腕輪くらいになりそうな糸輪だった。おそらくトレビス商長から裁縫か何かの技術を借りたのだろう。素早くはできなかったところを見ると、完ぺきなコピーではないようだな。
驚いたトレビス商長がもう一度できるのかと聞くと、モイザは首を横に振った。代わりにもう一度手を差し出したので、トレビス商長がまた握る。そして、手を離した後にもう一つ作成して見せた。なるほど、こうして触れ合うと1度だけ借りれるという感じか。
僕のスキルの場合は従魔契約のおかげでいつでも借りれるんだろう。これじゃ普段使いはできないだろうと思ったんだけど、何やらトレビス商長とモイザに考えがあるらしく、しばらく握手と糸輪の製作を繰り返していた。
20は超える数を作ったところで、モイザが握手をストップ。そして握手せずに次の一つを作り始めた。まさかと思いステータスを確認、【裁縫Lv1】のスキルが付いてる。
トレビス商長も満足げそうだった、こうなるのをわかっていたんだろうな。後でこれも売り物にしておいてほしいといわれてしまった。さりげなく小ポーチに入れて渡されたので、使えということですね。木の実の蔕取りも料理も貸借のおかげだとわかったようで何より。レッサーが茹でるのを引き継いでるのは貸すほうの能力だね。しかしベードもモイザも新しいスキルとは、うらやましい。
僕だって結構杖で戦ってるし、農業してるし、そういうスキル発現しないかな。まぁもう少し頑張ればきっと発現するはず、頑張ろう。
「それにしても石壁生成に関しては少し残念でしたね。余裕をもって向かいすぎて、術式展開の場面を見逃してしまいました。まさか15人もの術士をこれほど早く送っていただけるとは、予定外でした。私が見た術式は2回ですが、どちらも7人の術士によって行われました。
出発前に伝えたように、術式を組み始める時間も遅かったです。おそらくですが今回は以前より1刻半ほどは速く始めたのでしょう。以前の拡張よりも3倍ほど広がりましたので、予想はしておくべきでした。術式を組み上げるところから、魔素が空気中にあふれるところが、この拡張で一番盛り上がる場面でしたのに。」
「いえ、大丈夫ですよ、僕は知らなったわけですし。」
「そういっていただけると、申し訳ないですね。驚いていただこうと隠していたのがよくありませんでした。前日のうちに伝えておいて差し上げるべきでした。」
「ほんとにいいんです、僕は人酔いしちゃう場合があるんで、今日は結構ダメな感じの雰囲気でしたから、初めから行ってたらもっと参っていたかもしれません。」
ここまで人が多いと、ちょっと駄目になっちゃうんだよね。露店とか出てて、食事スペースのための空間があって休めたり、人が多くても列形成のためとか、通行中だとまだ平気なんだけど。
何かを見るために立ち止まって、ごちゃごちゃするのは結構きつい。賑やかなのはいいけど、騒がしいのはダメという感じなんだと思う。そのせいで結構、現実では人づきあいが悪いといわれている。記念旅行で行った遊園地のパレードは不参加したのを思い出した。
「なるほど、かなり苦手なようですね、申し訳ありません。術式が一番きれいに見えるのが東門なのでお連れしてしまったのです。」
「いえ、ほんと大丈夫ですよ、結局ゆっくり見て回りましたからね。南東側に行ったら人も少なかったですし。それより、どのくらいかかりそうなんですかね。」
なんだかこのままな雰囲気はあれなので、話を変えてしまおう。
「そうですね、術士の背を越えてから一気にせりあがらせるはずです。おそらくその作業にすでに入っているでしょうから、石壁ができるのはもう1刻ほどかと思います。」
「もしかして、その高さまでゆっくりやってるのは、危険回避なんですか?」
「その通りですね、通常速度のほうに巻き込まれると惨事になりますよ。一度、その速度を見に行きますか?」
「いえ、やめておきます。」
気にはなるけど、石壁生成は満足したという気持ちのほうが強い。むしろ早く終わってほしいと思い始めているところだ。
「そうですか、わかりました。石壁生成が終わった後は、手前の石壁の撤去作業に入ります。撤去作業といっても、術士が組んだ術をといたら街の外側に崩れるので、リュクス様の土地に何か起こるということはありません、ご安心ください。ただ、結構な音がするので、従魔の皆様に注意をするようお伝えくださいね。」
「わかりました、ありがとうございます。」
「――――!」
モイザがそれを聞いて巣にと走り出す、他の蜘蛛達に伝えに行ったんだろう。ベードは壁から後ずさりしている、大きい音は嫌だよな。レイトは僕の頭の上のまま、スースー寝息を立てている、まぁ大丈夫だろ。
「それまでにお話するべきことがありましたね。この土地に屋根を張りたいということでしたね。石壁の崩壊を待ってからがよいので、明日からの作業になりますが、人員を動員し、2日ほどで終わらせます。作業音などはしますが、あまりうるさくないよう心掛けさせますね。」
「ありがとうございます、僕も様子を見に来ますね。」
「わかりました、屋根の形や柱の形など、いかがいたしますか?」
「一応周囲の畑と同じようにでいいんですけど、難しい場合はお任せでお願いします。とりあえず、蜘蛛達の巣に雨がかからないようにはしていただきたいです。」
「了解いたしました、では明日の光と風の刻に作業を始めさせていただきます。簡易設計は先に私が行っておきますね。」
そういうとトレビス商長はポーチからクリップボードを取り出して、さっそく何か書き始めてくれた。
さて、僕はどうするかな、もうちょっとで壁が崩れるんだっけ。とりあえずそれは見ていこうかな、ここなら危なくないって話だし。
ガンッという強い音の後、ガラガラと音を立て、外側に石壁が崩れていく。事前に伝えてたから、ベードも蜘蛛達もちょっと驚くくらいで済んだようだ。
石壁はきれいに四角いブロックに崩れているようだ。崩れた向こうには新しい石壁が見える、これからはあそこまで街なのか。でもこうやって広げないと、聖族の領域は狭いんだよね。この大地の北半分は丸々魔族の領域みたいだし、街や街道以外も魔物だらけだもんな。
石壁が崩れ終わると、術士の人たちがブロックを回収していく。多分壊したあの状態でも聖域の力があるんだろうな。これから王都に帰るんだろうから、そのおみやげといったところか。
石壁が崩れたせいで、僕の土地と新しい土地に境がないから面倒だな。そういえば地面の石畳みもなくなって、土が見えてる。そこも回収するのか、なるほど・・・
そして術士の人たちがブロックを集め終わると、南側にと集合した。ちょっと見える位置なので、何人かこっちにちらちらと目線が・・・まぁそうだよね、従魔いるもんね、気にはなるよね。
リーダーと思われる人が話し終えたようで、南端の大通りに歩き始める。僕の土地を避けるためか、斜めに歩かず大通りを歩き始めてくれた。もしかして教会に行くのかな、帰宅も転移か。
一応軽くお辞儀をしておくと、先頭の人だけお辞儀を返してくれた。さっきのリーダー風の人だな、まぁ全員がやるわけにもいかないのだろう。通り過ぎていく彼らを見送っていたら、トレビス商長が話しかけてきた。
「私はこの後、新規の土地の所有権について、ギルド長と街長を交え話をしてこなければいけませんので、これで失礼しますね。」
「はい、この後が大変なのですね、頑張ってください。」
そりゃそうか、このできた新しい土地をどうするのかは結構大切だよね。街の頭の3人が話し合う必要があるのはわかる。
それにしても結構早く終わったな、まだ光と空の刻前だ。闇の刻までちょっとあるし、今の時間なら露店の人少ないかな?ちょっと覗いてみるかと移動を開始。
蜘蛛達の巣を越えて、緑甘樹とリンゴの木を植えた場所で立ち止まる。緑甘樹はいいとして、リンゴの苗木がもう僕の背と同じくらいまで伸びてる。そうか、お前もか、お前も成長早いのか・・・ついてきてたモイザがじっとリンゴの木を見ていた。
「もしかして緑甘樹よりもリンゴのほうがうまかったのか?」
「――――!」
なぜか二度ほどうなずいた、なるほどリンゴの木ができるの楽しみなんだな。それならリンゴもう少し買っておけばよかったな、うーん。この後買いに行くか、この間の50個は1つ食べた以外はすでに渡しちゃったし。あと、苗木も追加で買って育ててみるか。
なんで成長が早いのかは不明だけど、早い分にはありがたい。まぁそんなこんなで露店に到着、人影はないので安心。露店に残っているのは、劣蜘蛛糸玉は20ほどだけのようだ。モイザの糸玉とサンドと茹でた実は売り切れ、マジか。まぁ人集まってて、そこの近くで販売してるもんな。
「モイザたちは忙しくなかったか?」
「――――。」
首を横に振ってるので、大丈夫ではあったようだ。糸のほうの売り上げはそれほどでもなかったのかな。それとも気を使ってるのだろうか、売上見ればわかるかな。
ウゲ、すさまじい金額になってる、こんなに売れていいのか?サンドは値段200リラで朝に追加してないから300個売ってたよね。茹で緑甘樹の実は300リラで2C質のを73個売り出した。これが売り切れたのは意外だったな、初めての食べる物だったろうに。一人一つ設定だから73人買ったってことだよね。あとノビルとレモングラスもいくつ数入れたのか確認するの忘れてたけど、減ってるように感じた。
最終売り上げが148900リラということは、蜘蛛糸と野草だけで67000リラ稼いだってことか。糸の売り上げ数が確認できないけど、結構糸作りこんだんじゃないのか?うーん、無理をしてる感じではないのならいいのだけど・・・水晶のリラを証明に移したら僕の全額が275900リラになった。
「嬉しいんだけど、本当に無理してないのか?」
「――――?」
首をかしげているということは、よくわからないのか?そう思ってると糸玉を運んできた個体が一匹。20個を一気に体に乗せて持ってきたようだ、すごいな。そして器用に展示ケースの糸玉のところに入れていく。20匹のうち全部が糸玉作業してるわけじゃないだろうに。
こうして毎回持ってきてるのは大変だよな。お前はレサキか、よし、何とか小ポーチを空けることはできるな。特大ポーチがあってよかった、とりあえず小のほうを渡しておくよ。
モイザがじっと見てきている気がする、なんか申し訳ない。明日までにポーチの中サイズを買っておいてやろう。
「とりあえず頑張ってくれてるからな、リンゴを買ってきてやる。そのあと僕は帰るけど、大丈夫か?」
「――――。」
うん、大丈夫のようだな、とりあえず近くのリンゴ農家にもう一度買いに行くか。
売り物のノビルとレモングラスのこと忘れてました。総合的な値段は変化させてませんが追記します。