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光速悪魔チーターとの競争

 さらに次の日もしっかり夜に休んだ火の鳥フレウドに乗って、ひたすら西北西にと進んでもらう。途中に時折雲スライムが浮いてて避けながらにはなったけどすごい遠めに境界壁が見える。

 飛んでる僕達よりも全然高いし、空を飛べる種族でもあれを越えるのは黒竜くらいなんじゃないか?今度また会うことがあれば越えられるのか聞いてみるのもいいな。ついでに戦うことにもなりそうだけど・・・


『そろそろやつがいるはずだが、見えないな。』


「レイトも、この辺に住んでたの?」


『そうだ、このあたりは他の魔物も居なくて静かだったからな。』


「そういえばスライムも、いつの間にか下に反応なくなったっぽいね。雲スライムもこの辺には一切いないみたいだし。」


 結構すんなり答えてくれたけど、サーチエリアに魔物の反応もないこの辺はスライムが増えた今でも静かなようだ。


『どうする主?まだ一応飛べるが、もう降りちまうか?』


「そうだね、そうしようか・・・」


『気配もしないから降りてすぐ襲ってくるということもないだろうが、奴はどこに行ったんだ?』


 レイトが異様に不振がってるけどフレウドに着地してもらう。着地して僕たちがフレウドから降りたら、いつものフレウドの姿にと戻る。


『ふぅ・・・やっぱあの姿疲れるぜ・・・』


「まだ飛べるんじゃなかったの?」


『いや、飛べるっちゃ飛べるけどよぉ・・・』


『まだまだ大きくなるの短いと思うけどなー。僕なんてずっと小さくなれるんだよ?』


『そりゃネティスは生まれた時から出来たんだろ?俺はそうじゃないからなー・・・』


『そうはいいましても小さくなる方が難しいはずです、もう少し頑張ってくださいよ。ベードのほうが乗り心地もいいですからね。』


『うぅ、そりゃないぜ・・・』


『俺がスライムにも気づかれずにもっと速く走れればよかったんですけどね・・・』


「それは言わないようにって言ったじゃん。空と地上じゃ障害物の差もあるんだしさ。」


 純粋なまっすぐの速さはベードのほうが早いはずだけど、ちょっとした高低差や地上の敵なんかも考えるとやっぱり空のほうがはやい。大きさも違うからその辺はしょうがないと思うし、フレウドに乗る旅も悪くなかったんだけどなぁ。

 まぁそれはおいといて、ほんとに何の魔物の気配もない。それとこの辺だけ地面の土が違うのかな?地面が固めだし草の色が濃い気がする。


『そのうちここに奴も帰ってくるだろう。待つとしようじゃないか。』


「そうするか。そういえば、なんでそのチーターはレイトを四魔帝から落としたの?四魔帝になりたかったの?」


『・・・ここを取られた理由をきくのか。どうやら奴はここの土が走りやすくて気に入ったらしい。それだけだ。』


「えっ、それだけ?」


『そうだ。だが縄張り争いなどそんなものだ。居心地のいいところを確保したいというのは聖族人種も同じだろう?』


「まぁ、そうなのかもしれないけど・・・」


『俺も昔は人族のところ襲うのはそういう理由でしたからね・・・』


『私はそういう争いをしたことはないですが、私の母にあたる存在はよりよい環境を求めていましたよ。私は主のそばである今の環境が一番ですが。』


 ベードもモイザもそういう過去の思い出があるのか。僕もその理由が全くわからないわけじゃないけどさ・・・


『っ!そんな話をしていたらやつが来たぞ。』


「この気配、ヘビの時みたいな気配が一気にこっちに来てる!?」


 すごい速度、今までに感じたことのない速度で急に僕のサーチエリアの範囲内に入ってきたと思ったら、もうあっという間に僕達の前にまで到着していた。


----------

≪識別結果

フラッシュデビルチーター 脅:A

悪魔の如き高速を手に入れたチーター。≫

----------


『なんだぁ?ミーがてにいれたここに誰か来たかと思ったら、とんでもない組み合わせじゃねぇか。懐かしい顔と、聖族人種しかも来訪者、そして見たことない魔物たちか。』


 戻って来て早々険悪な空気を纏ってこちらに牙を向けている。ベード、モイザ、ネティスは完全にしり込みしちゃってるな。


『久しいな。戻って来るつもりはなかったんだが・・・』


『へぇー、ってことはミーから四魔帝を奪い返しに来たってわけじゃないんだな。ならまぁいいぜ。』


 レイトの言葉を聞いて見せていた凶悪な歯をしまって険悪な空気も沈めてくれた。これなら話しやすいかな。


「ここに来たのは僕が用があるからです。レイトは一応僕の従魔なので、付き添ってくれた感じです。」


『へぇー、あの雷兎様だったのが今じゃ聖族の従魔か。まぁミーに速さ負けちゃったんだからしょうがねぇよな。』


 速さ負けってことはやっぱり競争みたいなことをしたのか。レイトだってかなり速いはずだけど、サーチエリアで感じたあの速さは確かに異常といえる速さだった。


『己は確かに負けたその時は敗北感にあふれていたが、今ではそれがリュクスとの出会いにつながったのだからよかったとも思えてる。』


『へぇー・・・ちょっと意外だわ。おっと、それよりリュクスっていうのかお前さん。ミーに用事っていうのは、四魔帝の試練を受ける来訪者のうんたらってやつか?』


「えっと、まぁそんなかんじです。」


『なるほどな。んじゃミーの試練ならやっぱ競争だな!お前さんの従魔とでもいいけど、どんな手段でもいいから俺より早くゴールしたらお前さんの勝ちってことで!そうだな、丁度ついさっきココから南側は邪魔なくそスライムども一掃してきたし、人族の作った壁の街があるだろ?そこに先についたほうの勝ちでいいか?街中に入るわけにはいかねぇから一応壁をゴールにするけどよ。』


『ちょっと待て、そのルートだとスライム以外にも他の魔物がいるんじゃないか?』


『はっ!確かにな!でもミーが襲わないように言っておいてやるよ!どうせミーより先には行けないだろ?』


 うーん、とても自信過剰な感じだけど、それ僕と競うのはよくないような・・・


「あの、どんな手を使ってもいいの?」


『おう、いいぜ?どんな手を使っても負ける気はねぇからよ。』


『おい、受ける気か!?こいつの速さは・・・』


「大丈夫、レイトも僕が何を持ってるか、知ってるでしょ?」


『お前、さすがにそれは!・・・いや、確かにこいつが何を使ってもいいといったんだったな。』


『おう、なんだなんだ!?どんな手をミー使われても負ける気はしないぞ!?』


「確認するけど、先に王都についたほう、でもいいかな?それとも先に壁にタッチしたほうがゴール?」


『いや?ミーより先に街中まで行けるっていうんなら、面白れぇ。見せてもらおうじゃねぇか。』


 あーあ、そういわれちゃったらまぁ、申し訳ないけど、走るだけのチーターだと思うから、勝てちゃうんじゃないかな。


『そんじゃお前さんの合図でスタートでいいぜ?』


「そう?それじゃあ、よーい、スタート。」


 僕は自分の合図とともに、メティシスタイスゲートで王都神殿へのゲートを開いて、そのまま移動したのだった。


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