表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
169/180

草原の水たまり

 結局湿地帯のピラニアのいる泥水地帯まで1日半ほどかかったけど、その間他の集落を見つけることはなく進めたので少しほっとした。

 翌日、泥水地帯はまたネティスに乗って進むことに。ピラニアたちの襲撃を受けてるっていうのにネティスは僕達を乗せて進むのが結構楽しいみたいで、ちょっとはしゃぎ気味に進む。


「あんま泥水はねさせるなよー?」


『うっ、ごめんなさいー・・・』


『油断するな、またピラニアどもが来るぞ。次はお前たちがやるんだ。』


 ちょっと団欒する間もなくまたピラニアどもが寄ってくる。ついさっきレイトが雷でかなりの広範囲で一掃してくれたはずなんだけどなぁ。

 レイトは休憩タイムだそうなので、集まるピラニアたちは僕たちが片付ける。モイザに教わってかなり使えるようになった僕のストーンランスレインと、モイザのストーンランスレインであらかたのピラニアどもの反応は消えるけどやっぱり3,4匹は抜けてくる。

 ただベードも少し氷術が上達したようで一気に四体を凍りつかせて動きを止めてくれるので、ログアウトを挟んだけど二日間の泥水上の旅はピラニアたちがネティスの水結界まで届くことすら結局なかった。

 泥水地帯を抜けたら今度はぬかるんだ湿地帯をベードに乗って進む。道中にまたヒルの魔物がいたけど、無視して進めば日が暮れる前には湿地帯を抜けることができた。

 これですでに次の四魔帝のチーターの領域に入ったってことなのかな。また綺麗な緑の草原だな。


『気を付けろ、何かいるぞ。』


「え?僕のサーチエリアには何も引っかかってないけど・・・」


 魔物の反応どころか生き物の反応もない。あるのは草とすごく小さい水たまりのような反応くらいで・・・ん、水溜まり?


「多分あそこにある水溜まりじゃないか?」


『どうやらそのようだな。いるという感覚があってもどこかわからなかったが、よくわかったな。』


「うん、話聞いてなかったらわからなかったと思うけど、あれが多分スライムだ。」


----------

≪識別結果

プドルスライム 脅:C

水たまりのようなスライム。その身は核と水のみでできている≫

----------


 識別結果的にこの世界のスライムは核を持ってるのか。なら多分核を崩せば倒せるんじゃないだろうか。


「うーん、でも向こうはこっちに気づいてるのか?」


『どうやら気づいているようだな。』


『くっ、気配を消しているのに・・・』


『いや、仕方ないだろう。どうやら相手は気配や視覚、熱量でもなくまた別の何かでこちらに気づいたようだからな。』


 気配でも視覚でも熱量でもないものでこちらを察知したっていうのか。何で察知されたのかはわからないけど、戦う必要があるってことだな。


『ここは俺が行きます!リモートフリージング!』


「おぉ!」


 水の体のスライムがベードの氷術で凍り付いていく。水でしかできてないから凍らせやすかったんだろう。瞬間的というほどではないけどあっという間に凍り付いてしまった。そしてベードが思い切り前足をたたきつけるとぱりんとくだけて消滅してしまった。


『どうです!』


「やったね、何かされる間もなく倒せちゃったね。」


『あのウロボロスは厄介な相手だと言っていたが、これでは厄介ではないようだな?』


「どうだろう?まともに戦ったらわからないよ?僕も気配を読めなかったし。」


『ふむ、確かに己も位置を把握できなかった。奇襲されていた可能性もあったな。』


 まぁレイトが何かいると言ってくれなかったら僕も水たまりなんて気にも留めなかっただろう。この先にも水たまりには注意だな。

 そう思った矢先に少し進んだらに5か所も水たまりが。いちいち識別して3つがスライムなのを確認。ベードがここも任せてくださいと全部凍らせて対応してくれた。

 それはいいんだけど、またちょっと進んだら水たまりがそこら中に、今度は見える範囲で8か所も・・・


「いちいち識別してたらキリがないな。」


『俺がすべて凍らせられれば・・・申し訳ありません。』


『ならここは己がやろう。サンダーウィスパー。』


 8つの水たまりすべてにいくつもの雷が突き刺さる。そのうちの5つの水たまりが明らかに不振にうごめく。どうやらスライムかどうかは分かったようだけど・・・


『倒れていない、だと?』


「レイト、あいつらの核を狙わないと多分駄目だ!ベード、4匹は凍らせられるよな?」


『えっ!?は、はい!いけます!リモートフリージング!』


 ベードに指示して4体のスライムが凍り付き始めた。僕は凍ってない一匹に狙いを定めるのみ。核は目に見えないけど、サーチエリアをスライムの体に絞って集中する。

 見つけた、この感触だろう!明らかに水とは少し違う感触!自分の体の中を動き回っているのか、狙いづらいな・・・


「ちっ!スペースエリアコントロール、ディメンジョンバインド!」


 よし空間掌握からの次元束縛で無理やり捕まえた!このまま握りつぶす!ぐしゃっとちょっと嫌な音が聞こえた気がしたけど、動いてたスライムはそのまま完全な水たまりにと姿を変えた。


『・・・やるな。確かに厄介な相手だった。』


「え、あ、うん。」


『わかっているのか?雷で水の体を貫いたはずなのに、あいつの核とやらは壊れなかったのだぞ。感電をしない身だったというわけだ。氷には弱かったようだがな。』


「え?あぁそういえばそうだね。」


 気づかなかったけど普通水に電気が流れたら全体に流れるはずだ。それで核がつぶれるはずだったてことだろう。でもレイトの雷が貫いただけで感電はしなかったわけだ。ベードの凍らせる技はそもそも体全体凍らせてるから核ごと潰せてたのかな。


『ここでは己はあまり役に立たないかもな・・・』


「そ、そんなことないでしょ?僕があいつらの核の位置を見つけるから、そこを貫いてよ。動き回ってて僕の術法の速度じゃ多分よけられる。」


『ふむ、なるほど・・・それなら己でもあれを潰せそうだな。』


「うん、さっきの核を見つけたことでちょっとスライムかどうかサーチエリアで分かりやすくなったとおもうし。」


 あの核の感触、水とちょっと違う程度だけど良く感じれば見分けはつくはず。しっかり集中すればこの後の水たまりを見つけても何とかスライムとすぐに見分けがつくだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ