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魔道蛇の道

 翌日朝早くにトレビス商長がギルドの人を2人連れて家を訪ねてきて、さっそくリザードマンたちに店番をさせるための指導を始めさせてもらいますと声をかけに来てくれた。

 いつもならみんな起きてる時間なんだけど、レイト以外はまだ寝つぶれていたからもう少ししたら出発しますと話しておいた。

 それからメティシスタイスゲードの練習を2刻ほど行ってたらようやくみんな起きてきた。全然少しじゃなかったからトレビス商長のほう手伝っててもよかったかもしれないな・・・


『うっ、おはようございます主。』


『主、おはようございます、遅くなりすいません・・・』


「良いっていいって、それより大丈夫?二日酔いって感じ?」


『まったくだらしない・・・』


『ぅぅー・・・僕まだちょっと頭痛いかも・・・』


『うーん、よく寝たから俺は何とか大丈夫だな。』


『俺ももう大丈夫です、お待たせしたぶんいつもより早く走りますよ。』


『私も行けます。』


 ベードもモイザも頭を振るとしゃきっとした目つきになる。どうやらほんとに大丈夫のようだ。


「それじゃあいつもとは違う方法で行こうか。さっき行き来できることは試せたし、メティシスタイスゲード。」


 ベードも余裕で通れるほどの大きい黒い空間の裂け目を出現させる。リザードマンの集落跡地とつながる転移ゲートだ。


『これは、リザードマンの家を転移させるときに使っていた術法ですね。』


「そうだよ、僕とレイトで行き来できることは確認済みだから、行こうか。」


 まだポイントインストレーションしたところや自宅敷地内、あと教会しかつながらないから、まだトランスロケーションとあんまり変わらないけど、ゲートをまたぐだけでいいから維持し続けなければこっちのほうが楽かもしれない。


『おぉ、くぐっただけでほんとにリザードマンたちのいたところに来れちまった。主の空間魔法ほんとすごいな。』


『詳しく言えば主のは時空術だがな。』


 なぜかベードがそんな指摘をしたけど、ほとんど時術のほうは使いこなせていないのが実際の現状なんだよな。クイックアップやヘイストは使うときには便利だけど、ヘイストは特に負担も大きいし考え物だ。

 ほぼなにもなくなってしまったリザードマンの集落跡地からさらに北北東方面にとベードが足を進める。ベードの足なら魔術師様という四魔帝の場所まで二日ほどだろうといリザードマンたちからきいているけど、いつもよりも少し早いのは遅れた分を取り戻すためかな?

 その道中にリザードマンたちの話題にもあった魔道蛇に遭遇する。真っ黒な見た目のうろこは今僕の着てるローブの素材にもなってるわけだ。


----------

≪識別結果

マジックスネーク 脅:D

魔道を操ることができる蛇。魔術師輪廻蛇が生み出した基礎魔法を操る蛇。その黒燐はある四魔帝を見立てて生まれたものだ。≫

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 まちがいなく魔術師輪廻蛇ってのが四魔帝の魔術師様だな。リザードマンたちの胸や腰の黒い皮布もこいつから作ったらしい。狩りやすいのであれば少し戦っていくのもありかもしれないな。


「レイト、こいつらと少し戦っていこうと思うけど。」


『なぜ急に己に聞く。リュクスの好きにすればいいだろ?』


「いや、手伝ってくれるかなって、数もそこそこ、えっと12匹?いるみたいだし。」


『む・・・まぁいいだろうお前たちだけでもこのくらい朝飯前だろうが、己が葬ってくれる。素材がほしいのだろ?』


「うん、焦がし切らないようにね?」


『誰にいっている。』


 そういうと僕の頭上からぴょんと飛び出してあたりに散らばっていた12匹に目掛け、細い電撃の一閃を体から放つ。あっけなくその一撃でヘビたちの反応が消えた。


「うわ、すごっ・・・」


『このくらいはできる。お前でももう練習すれば炎で似たようなことができるようになると思うぞ。』


「え、そうなの?」


『どうやらお前は属性の中でも火に愛されているようだからな。』


 火に愛されてる?そんなの初めて聞いたな。まぁ確かに何かと一番炎の術法が扱いやすいけど。それはさておき綺麗に残った蛇の死体を袋にと回収しつつ先にと進む。

 ・・・ふと思ったけど、これ王都じゃなくって山向こうのリプレさんが出してきたものだよな?いや、今更気にしてもしょうがないか。

 それからもちらほらと蛇を見かけたのでレイトだけに頼らずみんなでヘビ狩りをしつつ進む。もともと狩られるために生まれた存在らしいし、ちょっと乱獲しちゃった気もするけど、いいよね?

 夕飯後に確認したらかなりの数の蛇皮があったのでちょっとこれから会う四魔帝に怒られないか不安だけど。夜になったのでテントにみんなで入り、就寝アンドログアウトだ。

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