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湿地帯を進む

 王都からまっすぐ北北東に進むと、地面がほんのりぬかるみ始めてるのがわかる。ちょっとベードがいやそうな顔してたけど、ウィンドシューズをかけてるから足は汚れないよというと少し安心して進み始めてくれた。

 さらに進むと地面の中に魔物の気配を複数感じ始める。資料にあったこの湿地帯の面倒な相手、それのせいで進むのが困難となるって書いあった奴だろう。

 こちらには気づいていないのだろうか、いや、気づかれてたなら、資料通りの魔物なら泥が飛んできまくってるか。


「ちょっと寄ってみてくれるかベード、一応確認しておきたい。」


『了解です!』


----------

≪識別結果

スピトマッドリーチ 脅:E

泥を吐く蛭。湿地帯を好んで住んでいて、魔を用いて作りだした泥を侵入者に吐きかける≫

----------


 やっぱり資料の奴だ。こいつらは単体ならそうでもないんだろうけど、反応が多い多い。一匹にちょっかい出せば他のも気づいて一斉に襲ってくるらしい。

 そして吐き出す泥も結構な威力らしいし、なにより当たると汚れてしまうのがこのルートが冒険者たちの足を遠ざける理由らしい。

 そんなこと気にするのかとも思うけど、そういえば王都は冒険者ギルドも結構きれいな服装してる人多かったな。もっとぼろい服とか薄汚れてたりとかしそうなもんだけど、王都というのも理由だろうか。

 まぁ僕も確かに無駄に汚れるのは嫌だし、僕以上にレイトとベードが嫌がるんだよな。ベードは最近特に汚れを気にするようになってきた。以前はそうでもなかった気がするんだけどなぁ。

 とにかくこちらに気づいてない蛭を相手する必要もないだろうからと、どんどん進んでいったけど、日が暮れても湿地帯は抜けれなかった。結構な広さがあるようだけど、ちょっと遠くに木々が見えてるから次の目的地はもうすぐかな?

 いつもならもうテントを張る所だけど、もう少しだけベードに走ってもらうと問題の場所にとつく。

 一気に深めの水地になって、その茶色い泥水のような中からちょっと大きめの木々が時折生えている。というか根が水面から浮かぶほどに根が大きいようだ。現実のテレビで見たマングローブのような木だな。

 この水地が問題で、結構深いらしく、水中の魔物や時折ある陸地にも面倒な魔物がいるらしく、そのせいで抜けた先の資料はなかった。

 特に水中の魔物がめんどくさいそうだ。その名もカニヴォレスピラニア、肉食性のピラニアという種族の脅威度Dの魔物だ。

 数も多く、動くものにとにかく噛みつくらしいので、ボートで進むのも難しいそうだ。ウィンドシューズじゃ多少の泥をはじいても水上を進むことはできない。だけどベードなら凍らせて進むことができるはずだ。


『・・・すいません主、この水、なんか変な感じです。』


「変?もしかして凍らせられないのか?」


 ちょっと足先を水につけるけど、泥っぽいのが嫌だったのかすぐ振り払う。


『泥が混ざりすぎてる。今のベードの氷術だと凍らせてもすぐに氷が崩れて、乗ったりでもすれば水に落ちるだろうな。』


「まじか・・・」


『それならニにお任せ!大きくなればみんな運べるよー!』


「それは、ありがたいけど、ピラニアにお腹噛まれるかもしれないぞ?」


『うっ、それは嫌だけど、あるじがちゃんと魔物気配教えてくれれば先に何とかしてみるよ?』


『俺も水中の相手でも、少し離れたところに少しなら凍らせらせるので、動きを鈍らせるくらいならできるかと!』


『石ならば水には関係ないですよね?寄る前であればストーンランスを降らせます。』


『俺は風があるから、水をまき上げるくらいならできるかもな。あ、でもあんま効果的じゃないから、今回はゆっくりしてていいならそのほうがいいけどな。』


「うーん、フレウドがみんなを乗せて飛べたら一番楽なんだけどなー。」


『・・・それは悪いと思ってる、頑張って練習すればいいんだろ?』


『やはり弛んでるな。己がもっと修行させたほうがいいか?』


『うっ、か、勘弁してくれ、楽に強くなれるならいいけど、しごきは嫌だぜ。』


 はぁ、まぁしょうがない。ここはネティスを頼るのが一番だろうな。ネティスは気配を消して進めるわけじゃないから、僕もサーチエリアで敵を把握しつつ、水術で応戦することになるだろう。


「なんにせよ、進むのは明日だ。テント張るぞ、飯は面倒じゃないので済ます。」


『ぬ?ここにそのまま張るのか?』


『主、それはいくらなんでも、少しお待ちください。ストーンフィールド。』


「おぉ!」


 モイザがちょっとした範囲の地面を石にと変えてくれた。確かにドロの上にテント張ったり料理セット出したりは少しいやかなとも思ってたからありがたい。


『明日の朝までは持たせられますけど、この程度の範囲ですし、それほど役に立つ技じゃないと思ってたんですけどね。』


「いやいや、十分だよ。ありがとう。」


『覚えさせておいたかいがあったな。』


 ・・・これもレイトの教えなのか。雷術くらいしか覚えてなかったはずだけど、いったいどうやって教えたんだか。その辺は向こうから教えてもらわない限り無理に聞くつもりもないけどさ。


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