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次の四魔帝を目指して

『ほう、それで妾のところへとこんな早くに戻ってきたわけか。』


「あ、まずかったですかね?」


『いや、別に良いぞ。妾もいつでも使うといいといったしな。』


 転移してきた理由が他の四魔帝のところに行くためと女帝蜂に伝えると、少しあきれるような感じではあったけど、怒ってはいないようだ。


『だがな、妾は西の地の数を統べる四魔帝。妾の直轄の部下たちはとても多いからの、その数で蜜つくりや新しい蜜詰めの仕事だけでなく、お主のような侵入者の観察、場合によっては排除も行う。そして隣の戦を統べる四魔帝のところのやからはその名の通り戦い好きでな、妾の森によく侵入してきては部下との戦闘になっている。出会ったらすぐにでも戦闘を持ちかけられるだろうから行くのであれば注意するがよい。』


「戦を統べる四魔帝か。」


 こっちと違って戦闘は避けれそうにないか、別に戦うこと自体には問題ないんだけど、話し合える相手ならば殺し合いになるのはできれば勘弁願いたいんだよな。

 ただ相手が理性も知性もない相手ならば容赦なく倒すつもりだ。現実感があるとはいえゲームだと割り切れるからそう言えるんだけど。


『とにかく隣のブラックタワードラゴンのところに行くならば妾のように戦い無しに話をつけられることはないだろう。向かうならばまっすぐここから東に向かえば会えるだろうが、覚悟のうえで進むがよい。』


「ブラックタワードラゴン・・・」


 ワイバーンは見たことあるけど、ドラゴンは見たことない。でもなんでタワーなんだ?それだけでかいってことだろうか?あってみればわかるかな。

 始めに四魔帝全部と会うと決めたし、となりが戦い好きドラゴンでも会いに行く。女帝蜂はなんだかんだ戦い無しで認めてもらえたっぽいからよかったけど、全員がそうとは思ってなかったからしょうがない。


『妾の部下に案内させようか?』


「いえ、ベードの足のほうが早いようですので、方向さえわかれば一気にいきたいと思います。」


『ふむ、急いでおるのか?確かにその狼の足で全力で走ったならば三日ほどで森を抜けるだろう。荒野に入ればもう戦闘狂いの竜の縄張りだ。そこからあやつのとこまでどれほどかかるかはわからないがな。』


「それだけわかれば十分です。ありがとうございます。」


 女帝蜂に別れを告げていわれた通りまっすぐ東にと突き進む。蜂に案内させなくてよいのかと最後に言われたけど、部下たちには部下たちの仕事もあるだろうしともう一度断っておいた。

 急いでいるというわけではないけど、がっつり楽しめる時間は僕には限られている。この四魔帝という大きな目標を達成できたら残りの日々で回れなかったところを回るつもりだからな。

 花と蜂しかいない道中は気楽なもんで、サーチエリアは訓練も兼ねて一応掛けてたけど、大きな問題はなかった。いやあったといえばあったけど。

 なぜか夕飯時に近くの蜂部隊が寄ってきて何かを求めるようにじっと見てきたので、しょうがないから茹でフルーツをご馳走してやった。まぁモイザとネティスも喜んでたからいいけどさ。

 蜂達がおいしそうに食べてたのを見てレイトとベードまで茹でフルーツをつまみ始めたのは意外だった。これまで何度も用意してたのに興味なさそうだったじゃん。

 レイトは茹で桃一口食べた後に野菜春巻きのほうがうまいなと言いつつむしゃむしゃと完食していた。ベードは一口で茹で緑甘樹を丸々食べたけど、微妙そうな顔で首をかしげていた。

 美味しくなかったのかと聞くとそういうわけではないのですが、思ってた味ではなかったですとのこと。やっぱお前は肉が似合うよ。

 次の日も同じようなやり取りをしたけど、ちょっとログアウトに悩んでいた。おそらく次の日には森を抜けるだろうし、ログイン日は半日ほど時間経過してるからログアウトしておくべきだろうか。

 いや、もう一日居ようかな、森を抜けない可能性だってあるし、ドラゴンの縄張りがどのくらいの広さかわからないけど、場合によっては戦闘にもつれ込んですぐにログアウトできないことがあるかもしれない。


「そんなわけでぎりぎりに[ログアウト]するからよろしくな。」


『そうか、了解した。』『了解しました!』『了解です。』『りょーかい。』『うん、わかった!』


 ログアウトという言葉はどう伝わっているのか不明だけど、すでにみんな僕が寝てる間にいなくなるというのはわかったようだ。というかレイトが教えていたっぽいかも。

 ログアウトをログアウトという言葉以外でどう表現すればいいかわからないから、わかってくれるのはありがたいと思いつつ、ベードにくっついて眠る。今は氷属性持ってるけど毛並みはちょっぴり温かいし。

 そして翌朝やっぱりベードの顔が僕の体に乗っている。ちょっと重いけど我慢できないほどじゃない。で、僕が起きると気が付いてあたふたするベード。


『お、重くなかったですか!?毎夜すいません・・・』


「別にいいよ、なんかもう慣れたし、温かいし。」


『そ、そうですか?それならいいんですが・・・』


「それだけぐっすり寝てるってことだろ?また乗せてもらうからしっかり走ってくれよ?」


『もちろんです!』


 頼られるのは嬉しいのか尻尾がぶんぶんと揺れる。テントを片づけたらみんな定位置にベードに乗っていざ出発。

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