ディヴィジョンマウンテン第96層
翌日93層にと突入。下のタヌキはそれほどでもない相手だったけど、この層はどうだろうか?相変わらずひどい登り坂だからサーチエリアの察知は重要になるだろう。
ちょっと登るとすぐに魔物の気配を察知。そして姿も見えてくる。オレンジ色の毛並みをしたキツネだ。大きさは現実と同じくらいかな?
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≪識別結果
マウンテンピークフレイムフォックス 危:C
山の山頂付近に住む炎を扱う狐。敵対する相手に炎を飛ばしてくるだけでなく、体の周囲に炎を纏って突進してくることもある≫
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危ないやつだな!いや、性能とかじゃなくその、名前が!それはいいとして、炎をあつかったり炎を纏ったりするならあまり炎は効き目ないかな?
「コ!」
「ん、フレウド?そうか油術か。」
90層までは水中相手が多くて油術使えてなかったもんな。ここでならうまく機能するだろう。僕がやってみようというと、フレウドがすぐさまキツネに向かって油弾を飛ばす。
油弾の後ろから追わせるように僕もフレイムスフィアを放つ。向うから見たらきっと急な感じで横から迫ってきた2つの球のどちらにも反応できずにキツネは大炎上する。
それで倒せると思ったんだけど、燃えたまんまギッとこっちをにらんでる。あれもしかして効いてない?油術には炎耐性の消失とかあるはずだよね?
ダッとそのままこちらに駆け寄ってく来た!?対処しなきゃとと思ったけど、ネティスがすぐさま飛んで水光線を放ち、キツネに直撃。炎が鎮火するどころかキツネはそのまま倒れこんで消失してしまった。恐るべきパワー・・・
「ぐぅ?」
「あ、いいよ。ありがとう助かったよ。」
「コ・・・」
「落ち込むなフレウド、相手が悪かっただけだろ?」
僕がそういうとフレウドは足下のベードと後方のモイザをちらっと見る。あ、そうか。二人は進化したけどフレウドはまだだもんな。そこをきにしてるのか。
進化はベードみたいにレイトが干渉しなくてもモイザみたいに進化する可能性もあるからレイトのほうをそんな目で見るのはやめなさい?僕が見られてるみたいで変な気持ちになる。
炎属性のキツネに対しては水属性だから無類の強さを誇るネティス。ほんと圧倒的だな。なんか負けじとフレウドも数匹でいるキツネから時折反撃で飛んできた火の玉を吸い込んで吸収してくれてたけど。
94層も同じキツネだったので問題なく突破して95層へ。ここはキツネかな、それとも違う魔物かな?とりあえず魔物反応が進行方向にあるな。明らかにキツネよりでかいぞ。そこにいたのは赤い毛並みの熊だった。以前見た四腕熊ほどの大きさはあるだろうか。その爪先が燃え上がっているのが見える。
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≪識別結果
マウンテンピークフレイムネイルベア 危:C
山の山頂付近に住む炎の爪を扱う熊。その腕を一振りすれば纏った炎が飛び散って相手を襲う≫
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迫力は結構あるけど危険度はCなんだな。ということはキツネくらいなのか?腕は普通に二本だし。ただあの巨体と爪の炎には要注意だろうけど。
そしてまた炎が相手ということはやっぱりネティスの一撃がよく効くだろう。でもそれだけじゃ倒れなさそうな巨体だし、ディメンジョンブレイクも一緒に当てるかな。
「よし、ネティス同時攻撃だ。ベード、モイザ、フレウドも同時に攻撃頼む。」
「ばぅ!」「――――!」「コ!」「ぐぁう!」
僕が熊の位置まで空間掌握したタイミングで声をかけると、ネティスが飛び上がる。ネティスの水光線と共に僕はディメンジョンブレイクを放ち、ベードは氷の槍先を、モイザは石の槍先を、フレウドは風の槍先を放つ。
熊が迫る弾幕に気づいたが、避けようとはせず両腕をがっしりクロスさせて防ぐ体勢になった。その腕の中心にに水の光線が直撃、少し下部分に空間斬撃波も命中、槍先たちは横から打っていたために腕では防げなかったようだけど・・・
受けきった熊はその場で立ち尽くす。爪の炎は消え、腕に僕の付けた切り跡と、横腹に槍先が刺さったであろう跡が付いていた。かなり痛々しんだけど、まだ生きてるのか?
一瞬、熊にギロっとにらまれた気がしたが熊はそのまま消滅していった。さすがに絶命したか。消えるのが遅かったってことはすぐに息絶えたわけじゃないんだろうか・・・
95層ではその熊以外はさらに近づいて防ぐ暇すら与えずに倒せてたけど、96層のは少し耐えてるのかボロボロでも反撃をしてきてちょっと焦った。動きもだいぶ鈍かったおかげで従魔たちの第二激で倒れてたけど、かなりじょうぶなやつだったな・・・
しかし予定通りとはいえ、ネティスの水の結界の意味もなく一発も受けていないなと思ってたら、階段前の一匹が粘りを見せて僕たちにと爪を振りかざした。しかしそれもフレウドが爪の炎を吸収、さらに僕達に爪本体も当たる前に水の結界に弾かれて僕たち自身には届かなかった。ベードがよけれた可能性はあったけど、活躍したな結界。
あっぱれな意地を見せたけどその熊もそのあとあっけなく処理。そして時間もいい感じなので97層に入る前に昼休憩にはいる。
四つ腕熊ほどではないんだろうけど、熊リベンジできたことは個人的には嬉しかったな。ここの熊たちにはちょっと迷惑な話だったかもだけど、それはそれこれはこれだよね。