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第92層の夜

 夕飯の準備ができたのでネティス以外のみんなには先にいつも通り渡しておく。ネティスにはまずレイトと同じサラダの春巻きからあげてみたけど、ちょっと匂いを嗅いで一口食べてからはあっという間にレイトと同じ量の5つを平らげてしまった。

 平らげた後はむしろ目をキラキラと輝かせ次は次はとせかしてきたので、ベードの分と一緒に焼いた豚のバターソテーをあげると、こちらもあっという間にベード分と同じ量を食べつくしてしまった。

 それでもまだ足らないらしく、試してもらおうと置いておいた魚の煮つけだけじゃなく、豚肉とタコのおこのみ焼きを僕と同じ分を平らげ、サラダにと思ってだした昼の残りのタコのマリネまで持っていかれた。デザートと言わんばかりに緑甘樹の実も挟んだだフルーツサンドと口直しなのかリンゴジュースまで飲んでようやく満足したようだ。小さい体でおそるべし。いや、元の体格を考えたらこれでも少ないほうか?

 食料の消費がやばそうだけど買い込んだかいあって多分100層までは行けるかな。まぁ途中でやばいのがいたら100行く前に撤退するし、100にいるだろうボス格の魔物で撤退するかもしれない。

 夕飯後の合成してるのをよたよたと小さいままのネティスが近寄ってきて、錬金台にぴょんと乗って来た。どうやら何してるのか気になって見に来たようだけど、大きくなって見にくるんじゃないのかと聞くと、だって邪魔でしょ?と返された。それは確かにそうだけど。

 そして僕から大きくなってと指示されるまではこの姿で行くという話になった。僕としては勝手に大きくなられると確かに困る時もありそうなので、それがありがたい。

 なんて話をしつつ僕の合成を見てたけど、出来上がったリンゴ味の魔素補填薬をじっと見てる。飲みたいのか?と聞いたけど首を横に振って離れていくと、ベードやフレウドと同じようにその辺で横になっていた。

 なんて僕がのんきにやってる間もモイザは黙々と集中して毒対抗薬を作り上げる。僕たちように残してる分は十分あるので、すべてコネクトポーチに入るのでお店行きになってる感じだけど、毎日作って送った分は在庫確認すると売り切れてるらしい。なぜそんなに人気なんだろうか・・・

 僕の合成をひと段落付けたのでモイザも作り終えたところで手を止めて錬金台を片付けようとしたところで、モイザの体が光り始めた。


「え、なに!?あ、これって・・・」


 みたことある光だ。たしか、そうだ。モイザやレササが進化したときの光と同じ光だ。というかとはモイザが進化するのか!?

 光がやむとモイザの茶色い毛並みが今度は灰色の毛並みにと変わっている。足の内側にしかなかった白い毛のラインだったけど、前足の2本が完全に真っ白になったようだ。他の足には白のラインが残ってるみたい。


「やっぱり進化したのか!大きさは変わってないみたいだけど、どうなったのかステータスみてもいいか?」


「――――。」


----------

<キャラクター>

 名:モイザ・アルイン

 性:雌

 種:シンテシスストーンクラフトスパイダー

<ステータス>

 種:Lv1

 命:22400/22400

 魔:4100/8400

 力:244

 技:6890

 速:331

 知:746

 秘:519

<スキル>

【牙Lv10】【毒生成Lv64】【聖族言語Lv18】【料理Lv30】

【裁縫Lv17】【製薬Lv52】【合成Lv40】【染色Lv15】

【土石術Lv1】【陶芸Lv5】【操糸術Lv12】

<スペシャリティ>

【生産技術】【契約借技】【指示系統】

------------


「おぉ!全体的に育ってるものそうだけど、土術が土石術になってるぞ!これで石技も使えるんじゃないか?」


「――――!!」


 モイザにそういうと喜び気味に足を上げた。うーん、ちょっと時間遅いから試すのは明日といいたいんだけど、モイザはいろいろ試す気満々なようだ。


「しょうがない、テント用意するまでだぞ。」


「――――!」


 僕がそういうと早速前足から糸を出し始める。なんかの練習の前触れなんだろうか?おっと僕はさっさとテント用意しないとな。

 テント用意にはそれほど時間がかかるわけじゃないからささっと用意完了。一応掛け毛布だけは追加で2枚買ってあるけど、一枚は大体フレウドがすぐに乗ってる。ついでと言わんばかりにモイザもいつも乗ってるけど。

 今日は毛布にフレウドだけが乗ってる状態だったけど、ネティスもそれを見てフレウドと同じように毛布にのる。あれでモイザも乗ったら狭そうだな。今度もっと大きな毛布をもう一枚買おうかな?

 さてモイザに寝るよと伝えようと思ったけど、なんかモイザが真剣な感じで前足からまだ糸を出してる。いや、あれただの糸じゃない?よく見ると白い色のままだけど質感が全然今までの糸の感じじゃない。


「その糸、なんだ?触ってみても平気か?」


「――――。」


「大丈夫か、じゃあちょっと触らせてもらうよ。」


 ・・・何と言うか糸なのにごつごつしてる、この感触はあれだ、石だな。石の糸なのかこれ?


「すごいな、もしかして合成術なのかこれ?」


「――――・・・」


 多分そうって言ってるから自分でもよくわかってない感じか。でも今までの糸みたいに自由に操り切れてはいないみたいで苦戦中のようだな。


「これ以上は明日にしよう。さ、寝るぞ。」


「――――!――――・・・」


「ん?最後に燃えにくいかだけ確認したいのか?うーん・・・」


 そういうのも明日でいいとは思うんだが、まぁ一回だけならいいか。フレイムボールを作ってそこに石糸を通すことで、今までの糸みたいにあっけなく燃え尽きちゃわないか確認。

 結果は燃えはしなかったけど石糸が崩れてボロボロになってしまった。ちょっと悲しそうだったけど、まだ作れ始めたばかりなんだから気にするな。

 それより明日から93層だからしっかり休まないときついかもしれないぞと言って押し込むようにテントにと一緒に入ることにした。

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