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ディヴィジョンマウンテン第82層

 ログインしてきて81層にとすでに足を踏み入れたけど、資料で書いてあったようにここからは完全に川から大河に池から湖に変化しているらしく、ほとんど水の場所だらけで陸地の踏み場が少ない。

 まだ一応陸上を通って進めそうだけど、普通の歩きじゃ川越しないといけなくなった時がきつそうだ。僕たちはベードが水を凍らせて進んでくれているおかげでだいぶ楽に進めているけど。

 80層にあった中央の大池よりも、さらに広い湖につくとサーチエリアで湖深くに反応あり!ベードにいったん止まってもらって、湖に氷が広がらないようにしてもらって置く。さてどう識別するか。


「ばぅわぅ?」


「あぁちょっと待ってくれよ。できれば識別しておきたいんだよな。まぁなんとなくなんだけど。」


 ここにいるのは資料通りならタコのはずだ。なんとなくサーチエリアに引っかかってる8匹の形もタコっぽい形をしてる。だとすると水面に上がってくることはまずないだろうな。

 さらに資料では危険度Dレベルの魔物だからベードが湖を凍らせたらきっと倒せちゃうだろう。

 ちょっと湖底は深くて大変そうだけど、ウォータウォールを使って何とか一匹を湖から上げられるか試すか。


「ウォータウォール!・・・あ、途中で止まっちゃった。」


「きゅ・・・」


 おいおいとレイトにあきれられてるけど、僕の水壁に押し上げられたタコがこちらに気づいたのか、そのまま水面付近にと上がってきた。


----------

≪識別結果

マウンテンレークフレッシュウォーターオクトパス 危:D

山の湖に住む淡水の蛸。自身の周囲に水の保護壁を張って陸上にも上がることができる。その保護膜はなかなか頑丈である≫

----------


 あれ、81,82層の資料で湖に住むタコでこちらから危害をくわえても、水の保護壁以外の危険性はなしとあったけど、陸に上がってくることは書いてなかったぞ。

 危険度Dなのはあってるけど、資料通りとは思わないほうがいいかもしれないか。90層まで一応魔物名はあったけど、内容が少なくなってはいたからな。

 で、陸上に上がってきてこちらをにらんでいるタコだけど、湖底の他のは上がってくる様子はない。ちょっかい出しちゃったこいつだけってことか。灰色の体は頭の部分だけでもモイザよりも大きいけど、そこから生える8本の脚もなかなかの太さだ。

 そんな体の周りを覆う水の保護壁とやらは、まさにバリアのようにタコの体を守っている。あのバリアなしじゃ陸上ではいられないって感じかな?


「でもあのバリアいいな。もっと広げられるなら防御役として勧誘してみるか?」


「きゅ!?」「ばぅ!?」「――――!?」「ココ!?」


「そ、そんな正気かってみんなで驚かなくてもいいじゃないか。さすがに魔素消耗するだろうから陸上を連れまわすのは気が引けるし、半分冗談だよ。」


 まぁ半分くらいは本気だったけど、なんてやり取りをしてると、タコはこちらに向かって水の礫を飛ばしてきた。あのバリア展開しつつ、10を超える数の水つぶてを飛ばしてきたってことは、結構水術の扱いには長けてるんだろうな。

 でも水つぶての威力は全くない。ベードが冷気を込めていた前足を振りかざすと、あっけなく全部凍ってその場で割れてしまった。そのまま冷気はタコにも襲い掛かる。

 水の保護壁の一部が凍り付いたけど、それだけでタコは身動きが取れなくなってしまったようだ。氷を避けるようにあたふたしてるけど、保護壁の展開しなおしは難しいんだろうか。

 ベードがそのままタコに近寄り、今度は直接前足を保護壁にと振り下ろす。そして保護壁だけでなくタコも凍り付かせると、あっけなくタコは砕け散って消滅してしまった。


「水は氷に弱いとはいえ、かなりあっけなかったな。ところでベード、その氷でこの湖の底まで凍らせられるのか?」


「ぅー・・・ばぅ!」


 ちょっと時間かかるけどやってみるとのこと。素材として一気にタコの足が8つ分入ったので、この湖底ののこり7匹も倒せたら一気に64個もタコ足の素材が手に入る。

 ベードが両足にじっくり冷気を貯めるのに結構時間はかかったけど、湖底までがっつり凍り付かせたようで、しばらくするとダンジョンポーチに素材が増えていた。


「後でちゃんと食べれるかは識別で確認するけど、多分食えるだろ。ギルドの依頼用にも考えてもうちょっと集めたいとこだけど、それはベード次第かな?」


「ばぅわぅ!」


「お、まだまだいけるか。じゃあ通り道の湖のタコくらいは狩って進むか。」


 僕の提案通り、道中の湖に差し掛かるとベードが一気に湖を凍らせてタコがりしてくれる。ただ湖底まで凍らせてるから湖全体が凍るわけじゃない。およそ半分ほどの広さが今の限界みたいだ。それでもかなり広範囲だと思うけど。

 それを見て僕も一部は手伝うよといったんだけど、ここは自分がとベードが張り切っていたので手は出さないことにした。

 82層途中でさすがにベードに疲れが見えてきてたのでこれ以上は狩らなくてもいいと声かけたけど、結局82層の残りもタコがりして進んでいた。

 なかなかに時間がかかる2層だったけど、タコの素材はとてもホクホク。ベードは82層攻略後はかなりお疲れな感じだ。ちょうど昼飯時だしここでしっかり休憩入れるとしよう、ベードもタコ食べるかな?


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