表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
124/180

ディヴィジョンマウンテン第73層

 結局しっかり休憩して結構いい時間になっちゃったので、71層は明日からにしてそのまま夕飯をとった後、合成スキル上げをしてからゆっくり眠っておいた。

 そして翌日いつもより1刻分早く起きて71層に突入。ここからは50層までと同じようにずっと向こうまで開けてるけど、そこらに川だの池だの水辺が見える。

 ここの魔物の気配もサーチエリアに引っかかってる、その反応のある川にちょっと近寄ると、全身にどす黒い模様の入ったコイの姿がすぐみえた。結構な大きさだな、レイトよりも大きいかも?リアルにはいなさそうな大きさだ。


----------

≪識別結果

マウンテンポンドグラッジカープ 危:D

山の池に住む怨念をもつ鯉。襲われた際には水を使った技で反撃するが、死ぬ間際に怨声を放ち相手を呪う≫

----------


 この呪うっていうのは多分状態異常なんだろうと調べたけど、呪いの状態異常に陥ってるとスキルアーツを使おうとしたときに急激な肉体の痛みに襲われて不発するようになるらしい。

 しかもこれが解呪を行うまでずっと続いて、時間経過ではまず直らないそうだ。呪われないようにする対策は多分フリップエリアで行けるだろうけど、念のために解呪薬という粉薬は図書館の帰りに購入しておいた。

 ただ相当苦いらしいのでできれば使いたくないところ。こいつは倒してみるけど、フリップエリアで呪い弾けなかったら残りは無視で進むかな。


「ベード、モイザ、フレウド、呪われる可能性があるから下がっててくれ。ここは僕だけでやるのがいいと思う。呪われて苦い薬飲みたければ別だけど。」


「ば、ばぅう!」「――――!」「ココッ!」


 僕がベードから降りつつそういうと、ベードが一気に僕から引き離れた。モイザとフレウドもベードに乗ったまま遠慮しますという感じ。


「んで、レイトは平気、なんだろうな。」


「きゅ。」


 当然だと返されてまぁそうなんだろうなと思いつつコイもこちらに気づいて臨戦態勢だ。そしてこちらに向かって水の礫を数発ほど飛ばしてきた。

 資料通りだと怨声が危険なだけでこいつ自体は耐久も低めで水技もそれほどではないとのことだったけど、そうやらその通りのようだ。もっと水術、というか水魔法に長けていればこの水の礫でも10に満たないこんな数じゃないはずだ。

 ウィンドセヴェラルスラッシュであっけなく水の礫をすべて切り裂き、そのまま切り裂く風はコイに向かっていく。慌てるようにしてたけど、泳いでよけられたのはちょっと予想外。そりゃ水の生き物は水の中じゃ結構早いか。


「そんじゃ水から追い出すしかないか。ウォータウォール!」


 避けていく先に水の壁を作り出して川の外にとはじき出す。陸に打ち上げられてピクピクとはねるコイに追撃を与えようとしたけど、この世のものとは思えないような重低音がコイから響き渡る。

 思わずすぐに耳と目を塞いじゃったけど、あれが怨声だったのか?すぐ確認しようと目を開けたときにはコイはすでに消滅していた。フリップエリアで覆ってても聞こえたってことは僕のろい状態になったんだろうか?

 試しに杖を取り出してフリップスペースを杖先に作ったけど、別に問題はないようだな。フリップエリアで声を完全には防げなかったみたいだけど呪い効果ははじけたようだ。

 これならまぁ、うるさいの以外は問題なくコイを狩れるな。離れてたベード達も呪いの影響はないみたいだけど、怨声は聞こえたようで、もっと近くで聞くのはちょっと嫌という感じで僕がコイを狩るたびに離れるもんだからあんまり多く狩るのはやめておいた。

 72層は同じコイなので、一匹も狩らずに走り抜けて73層に突入。ここの魔物は水の中にもいるけど陸にも上がってるらしいから、陸にあげても弱体化とはいかないだろう。

 そして陸上に赤い姿を3体発見。レイトくらいの結構な大きさだけど見た目は普通のカニという感じだ。


----------

≪識別結果

マウンテンリバーサイドバブルクラブ 危:D

山の川辺に住む泡を放つ蟹。敵に向かって泡玉を放つ。その泡玉ははじけるとき想像以上の威力を誇る≫

----------


 資料では皮膚の出てる箇所付近で受けると泡玉の威力で皮膚がはがれる可能性ありとあったので、あんま近くで破裂させないように注意が必要だ。といっても向うはこっちに気づいてないみたいだし、急に襲われる心配はないだろう。

 むしろこちらから仕掛けるわけで、まずは確実に一匹仕留めたいけど、炎がどのくらい効くだろうか?やってみるだけやってみよう。


「一番近くの奴に僕から仕掛ける。他二体は3人に任せるよ!」


「ばぅ!」「――――!」「コ!」


「フレイムブレイク!」


 炎の斬撃波を両手で二発放ち、手前のカニにその二連撃が命中。泡をはいてひっくり返ったけど、まだ消滅はしてない。やっぱ水属性の相手に炎は効き目薄いのか?

 残りの二体もこちらに気づいて泡を放ってくるけど、フレウドが風ですべてこっちに近寄る前に破裂させてくれた。結構やるじゃないか。そしてベードとモイザはすぐにその二匹を拘束。残ったもう一匹が起き上がる前に、僕がウィンドランスを2発当てると消滅した。

 残る二匹もベードの影に拘束されたほうは、さらに影の線がその体を貫き消滅。モイザの糸に縛られていた方はそのまま引き裂かれて消滅した。甲殻が固いかと思ったけどそうでもないのかな?

 思ってる以上に蟹戦が楽だったのでちょっと調子に乗って陸にいるカニはあらかた倒しまくってすすんでしまったせいで、昼飯時過ぎになって73層を突破。お昼には僕はカニから出たカニ足を茹でて食べてみたけど、結構おいしいもんだな。なぜかベードとモイザとフレウドも興味津々に見てたので食べさせてあげることに。

 ベードはまぁまぁといった感じ。モイザは微妙という顔だった。フレウドには特別熱い状態で小さくしてからあげたけど、固形のもので食べれて嬉しかったようで、バクバク食べていく。

 それを見てちょっと思うところあって、王都で買ったサバを煮込んで熱々の状態であげてみる。それも食べれたようでいつも以上に食を進めていた。フレウドはどうやら熱い液体系かとてつもなく熱い魚介類ならいけるようだ。今後は熱々魚介類がフレウドのメインになりそうだな・・・


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ