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ディヴィジョンマウンテン第60層

 休憩を終えて58層に突入。資料ではここの魔物は地面にもぐってる魔物らしい。とりあえず入り口近くでは反応なし。洞窟の道は5方向に分かれてるけど相変わらずベードが自信満々に進む。ここまで迷ったことないし任せちゃっていいのかな?

 どうしても迷ったらサーチエリアとコンパス使って、できるだけ南方向に進めば下の階と同じようになんとか進めるかな?

 というか、王都側から入ってきてるから南側なんだよな。50層までは北側に進んでたからな。もう覚えたけど間違えないようにしないと。

 なんて考えてたら地中に敵の反応あり。素材集めのためにも数匹とは戦っておいた方がいいよね。でも土術使って拘束なりはじき出すなりするとなると一度ベードから降りないといけないな。ちょっと消耗しちゃうけど、こっちの技で対応するか。


「スペースエリアコントロール。ディメンジョンバインド。」


 できるだけ小さく空間掌握してから次元拘束する。捕まえた感触あり、結構暴れるけど、簡単には抜けださせない。ベードから降りて拘束意識のために右手を握りしめたまま、左手は地面にとつける。


「・・・この地面は土でいいのか?うん、土だな。ソイルウォール!」


 地中から土壁を作って拘束しておいた魔物を外にとつき出す。出てきたのはすさまじく鋭利で長い爪を持ったモグラだ。


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≪識別結果

マウンテンケイブシャープネイルソイルモール 危:C

山の洞窟に住む長い爪が特徴的な土竜。その長い爪による攻撃の危険性だけでなく、土魔法にも長けている≫

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 次元拘束で空中に固定させる。解こうとめちゃくちゃに体をよじらせてるけど、そう簡単には解かせない。というか拘束されてるせいで爪も土魔法も防いでるっぽい?


「面倒だし何もさせないのが一番だな!僕は片手しか使えないからみんなで総攻撃よろしく!」


「ばぅ!」「――――!」「コ!」


 何とか左手でフレイムランスを作って投げはなつのを繰り返す。ベード、モイザ、フレウドもその間にそれぞれ影の槍先、粘土の槍先、風の槍先を放つ。ちょっとかわいそうだったけどモグラに何もさせずに勝利。やっぱ拘束してたたくのが一番強いな。

 終わったところで空間掌握をとくけど、これしてないと次元拘束は使えないのは正直結構消耗がきつい。気軽に使うならもっと魔素量上げないとな。

 そこから通り道で反応のあったモグラを何匹か倒していく。とはいえ毎回空間掌握使うのはきついので、地面の深いところにもぐってたりするのは無視したし、59層で一匹倒した後はそのまま駆け抜けてもらった。

 まだ魔素は3000くらいはのこってるけど、次はボスだから休憩!夕飯くってしっかり一日ねて明日に60層攻略しようね。

 夕飯に使った山脈洞窟の石鎧牛肉は硬いとは言わないけど、噛み応えがすさまじかったから、僕は魔牛のほうが好きかな。ベードはすごく喜んでたのでよしとしよう。

 しっかり休憩した翌日、60層に突入。この階層は資料通り登り階段まで広がるでっかい空洞のようだ。その中心にボスとなる魔物が鎮座しているらしい。さっそく向かうとすぐに見つけることができた。おそらくあいつだろう。


----------

≪識別結果

マウンテンケイブストーンミンミクリィゴーレム 危:B

山の洞窟に住む石に擬態したゴーレム。自身が石でできているためか石筍に擬態している。石を操ることに長けている≫

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 石筍ってなんだろう?石のタケノコっていえば先端がとがってないとこ以外はそんな感じの見た目だ。大きさが僕よりもベードよりも縦には少し大きいし、周囲に同じようなのないからバレバレとも思うけど、何の情報もなしだったらこれが魔物だって一見ではわからないかも。

 とにかくこいつをどうにかしないと先に進めないだろうし、戦ってみますかね。先制に今のところ僕が使える一番威力がある炎のスキルアーツ、フレイムブレイクを放つ。

 命中した!けどその体の石をほんのり削った気はするけど物ともしてない?ゴゴゴとちょっと音を鳴らしながらゴーレムが動き出す。

 石の塊から腕部分と脚部分にあたるだろう部分が棒状に突き出しているけど、顔がない。顔というか頭にあたる部分がどこかわからない。こっちを見ているんだろうけど、異様な感じだ・・・

 ゴーレムが右腕を振り下ろし、地面をたたきつけるとそこから石が付き出してきてこちらに迫ってくる!遅めだけどかなりでかい!ベードがしっかり避けてくれたけど、また腕振り下ろそうとしてるな!


「拘束する!ベード、モイザ!手伝ってくれ!」


「ばぅ!」「――――!」


 さっきの感じ炎がどこまで効いてるのかわからないし、僕の炎でモイザの糸を燃やしちゃうかもしれないな。


「モイザ!僕の炎は右腕だけ狙うから左腕を頼む!フォースエレメンタルストリング、アンドバインド!」


 四種四属の紐がそれぞれ地面から生えて炎は右腕を、水は胴体を、風は右足を、土は左足を拘束する。モイザの糸が左腕を、ベードの影が胴体と腕をさらに拘束する。

 ぎゅっとがんじがらめに拘束されたゴーレムだったが、グググと力を入れてくる。やばっ、力がすごすぎる!抵抗するように両手を握りしめて拘束を維持しようとするけど、ガキンッという音とともに拘束が解かれてしまう。


「まじか、これでだめなのか!」


「コ!」


「ナイスフレウド!フレイムスフィア!」


 拘束を解いた瞬間を狙ってフレウドの油弾が命中。ノロめだからよけることなく油弾が命中した!すかさずそこに炎の球体をぶつけ燃え上がらせる。

 でもゴーレムはひるむことなく再び右手を地面にたたきつける。すると周りの石が自身の体を覆い炎を消火してしまった。


「コ・・・」


「いや、よくやった。少しはダメージはいっただろ!とにかく技を当て続けろ!相手はのろい、頑丈とはいえ何とか倒すぞ!」


「ばぅ!」「――――!」「コ!」


 僕はベードから降りて二手に分かれる。あの腕だけでも落とせればだいぶ変わるはず。再生とかしないよな・・・?とにかく僕は右腕を中心に狙う!

 ベード達は普通に真正面?からゴーレムと対峙する。二つに的が増えたことでゴーレムはどっちを狙うか少し迷ったようなしぐさをした後、ベード達を狙うように腕を振り下ろした。

 ベードの速さならいくら突き出す石が大きくてもよけれる。そしてよけつつ三人はとにかく技を放ってゴーレムを削っていく。僕もフレイムブレイクを振り下ろしてる右腕の付け根部分を狙って何度も放つ。

 どれくらいそうして戦ってたかわからないけど、ベード達に疲労が見えてきた。ゴーレムの右腕は一度落としたけど、今度は左腕で地面をたたきつけ攻撃してきてる。あんま意味なかったか?

 いや、明らかにさらに動きが鈍くなってる。とはいえそろそろつぶれてくれないと僕も面倒になってきたな!


「これで沈めよ!スペースエリアコントロール、ディメンジョンブレイク!」


 右手を縦に振り下ろすとゴーレムに向かい空間が裂けるかのような斬撃波が襲う。スパッとゴーレムを通過すると、振り上げていた左腕が止まる。どうなったんだと思ってるとゴーレムは二つにさけてそのまま消滅した。


「おぉぅ、この技思ってる以上に強力なのか?それとも体力削れてたからか?とにかく勝ててよかった・・・」


「ばぅ・・・」「――――・・・」「コ・・・」


「あぁ、もう昼くらいだもんな、腹減ったな。踊り場で休憩にしよう。」


 ベードも疲れ気味だったのでそのまま歩いて61層に昇る階段のほうに向かう。まぁモイザとフレウドは乗ったままだったけど。階段が封鎖されてたかは見てなかったけど、ちゃんと通れるようになってて安心したよ。

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