表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
120/180

ディヴィジョンマウンテン第57層

 次の日に54層の攻略を開始。53層は階段前の空洞から3つのルートに分かれてたけど、54層からは4つのルートに分かれていた。でもベードにはあんまり関係ないようでどう進めば昇る側の階段に行けるかわかるようだ。

 一番右のルートから進み始める。洞窟でも気にせず結構なスピードで走るもんだからすぐに54層の魔物にもであう。


----------

≪識別結果

マウンテンケイブランスラット 危:D

山の洞窟に住む石の槍を携えた二足鼠。携えた小さい石の槍らしきものは洞窟の石を削って作ったものだろうか≫

----------


 なんか識別結果もあの槍についてあやふやだな。でも確かに洞窟の石と同じ色をしてるな。槍というか術法で作る槍先みたいな形状だから、土術で作った石の槍先の可能性もあるか。

 それにしても、二足歩行で歩き回るネズミを見ているとおもう。ビスタの鼠と違うのは人型かよりケモノ型かくらいの違いしかないんじゃないか?あとはあの血走ったような赤黒い目とかかな?

 大体の魔物がああいう感じの目をしてる。違う目の奴もいるけど僕がテイムする前はモイザとフレウドもあんな目の色だったし、ベードも目をつぶり気味だったけどあんな色だった気がする。

 だからこいつは魔物、僕達に気づいたら襲ってきてるだろう魔物なんだ。ただ槍を使うってことは近接戦闘なのかな?それじゃあちょっと水術であれを作ってみるか。

 腰の杖を見て参考にしつつ、水を同じような形に形成する。これは一応四属性ぜんぶでつくれたし、四属術として四本四種の杖を出すこともできるわざだ。


「ウォータウェポンジェネレイション、ウォータロッド。」


 簡易武器生成の術法だ。別に杖の形だけじゃなく、武器の形にならいろいろ作れるけど、杖はその中でも簡単な部類だったみたい。ただ術法で作った簡易武器なので武器としての威力は自分の知と秘のステータスや作りやすさで依存で変動するっぽいし、杖だけど今腰につけてる杖のような知のステータスボーナスみたいなのもない。

 あとこの術法で作った杖にはフリップスペースを込めれない。やろうとしたら弾け飛んじゃうのを確認済みだ・・・つまり純粋に杖だけでの戦闘をする場合にはまぁまぁ使える。


「相手は一匹だし、危険度D相手にちょっと近接だけでどこまで行けるかやってみる。みんな後ろ下がっててくれ。」


「ば、ばぅ。」「――――!」「コ。」


 僕がベードから降りると同時に槍もちネズミがこちらに気づいて槍を構える。ベードは言った通りモイザとフレウドを乗せたまま後ろに下がっててくれる。

 ネズミが僕に向かって突っ込んできた。ぐっと水の杖を握る。水だから初めて作った時は握るのをためらってたけど、意識して形成し続けてる限りほとんど固体のような強度になる。

 だから両手で握られて打ち込んできてる石の槍に水の杖を合わせて、横に弾いていなすこともできる!

 ネズミが少し体勢を崩した!杖の下のほうでいなしたから、そのまま杖の先端の太い部分で思い切り横腹を殴りつける。

 ぐっとくぐもった声を上げながらもほとんどその場で耐えたネズミは即座に僕に反撃を入れてこようとする。でもさっきよりも動きが鈍いし、そんな単調な動きじゃ残念だけどさっきよりもとらえやすいな。

 相手の突っ込んでくる動きを逆手に取って軽く横に避けてから、そのまま真正面から水の杖を叩き込む。ギュッと悲鳴を上げて石槍を落としてお腹を抱えつつ後ろに下がるネズミ。これ以上痛めつけるのは僕の趣味じゃないな。


「フレイムランス。」


 放った炎の槍先が突き刺さりネズミは消滅した。危険度Dでソロでいるからもう少し強いかと思ってたんだけど、思ってるより簡単に倒せちゃったな。

 ただやっぱり水の杖はまだ威力不足か。結構しっかり作ったと思ったけど、炎の杖だったらあの二発目で終わってると思う。折角四属術があるんだから全部もっと強くしたいけど、難しいな・・・

 残りの鼠との戦闘はほとんど一方的な蹂躙だったから、55層突破後に昼休憩をはさんで56層に突入。今度は通路にはいる前の階段前の空洞に魔物がいる。


----------

≪識別結果

マウンテンケイブストーンアーマーブル 危:D

山の洞窟に住む装甲を纏う牛。まさしく石のように固い装甲を身にまとう。頭に生えた二つの角も石製で、突進の際に肥大化させる≫

----------


 今まで見た牛よりもちょっと体格の大きい牛のような生き物。牛のようなって言っちゃうのは見た目がまんま石の塊だからだ。牛の形をしてるから牛だとわかるけど。

 さて、あれはどう戦えばいいんだか。確か土に相性がいいのは樹術とか炎術らしいけど、石にも有効なんだろうか?しょうがない、一番強いのを撃ってみるか。


「フレイムブレイク!」


 炎の斬撃波が石の牛の横腹に命中したけど、コウモリの時のように両断とはいかない。でもその衝撃で大きくひるんでくれたので、厄介なことされる前にとベードとモイザが牛を拘束して、あとは堅い牛をひたすら削っていった。

 あんまり生物感がないやつだったけど、落とした素材には牛肉もあるようだ。美味しいのだろうか?今日の夕飯に一個くらい試してみるか。

 なんて考えつつ進む。時折階段前ほどじゃないけどトンネルのような洞窟じゃなく広めの空洞部分にあたり、そこに牛がいるような感じの56層と57層だったから、戦闘数少なめで突破。さすがにまだ夕飯どころかその前の時間つぶしに合成始めるにも早すぎるよな。でも次の58,59層は危険度Cの魔物だし、一旦ここで休憩入れるのが無難か。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ