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ディヴィジョンマウンテン第53層

 昨日のうちに何とか新しいスキルアーツもあらかた試すことができた。四属術に関してはうまくいかなかったスキルアーツも多かったけど。

 ログインしてきた今日はさっそくダンジョンにもぐることにする。一応の目標はてっぺんだけど、無理するつもりはない。こいつには勝てないと思ったらすぐにでも帰還石を使ってでも戻って来るつもりだ。

 ダンジョン攻略ならとモイザもフレウドもついてくるようで、みんなでディヴィジョンマウンテン50層に転移する。お、暗転から視界が戻っても前みたいにくらつかなくなったな。時空術のスキルレベルが上がってきてるおかげかな。

 そして51層にと昇ると事前に調べてた通りの薄暗い洞窟になる。まずは少し広い空間に出るけど、階段から洩れる明かりで見えてるのかな?この洞窟エリアの高さ的には僕達よりももっと大きいのでも入れそうなくらいには余裕がある。一応資料では生成が違っても高さは固定であり、横に狭い道があるので大きい従魔が通れない可能性があるってあったから、そういう場所だけ気を付けておこう。

 広いこの場所からは3方向に分かれた道をすすむ。こっからどう進めばいいのかは個別生成なわけだから資料にはない。まっすぐ真ん中を進むのが早いかと思うところだけど・・・


「レイト、聞いたらどっちに進むのが早いかとか教えてくれるのか?たぶんわかってるんだろ?」


「・・・きゅ、きゅきゅ。」


「えっと・・・教えてもいいけど、ベードもわかってそうなのか?」


「ばぅ!」


「そうか、というかレイトなんか残念そうだな?」


 もしかして僕たちが迷って苦戦するのを期待してたのか?それとも案内役がしたかったのか?レイトはベードに任せればいいといった後ため息をはくかのように鼻息を鳴らした後、僕の頭の上で寝息を立て始めた。

 ま、まぁいいや、進もうか。暗くなったら炎で照らしても大丈夫だろうか?サーチエリアを展開しつつ考えてたけど、薄暗いままだけど見えないほどじゃない。さすがにまっすぐ続いていないから、遠くが見えるようにはなってないけど、サーチエリアで感知しつつ進むしかないな。


「お、さっそく反応があったぞ、8匹ほど天井付近にくっついてるみたいだ。この先左側だな。右側にはすぐには反応がないみたい。」


「きゅ。」


「じゃあ左だなって・・・まぁいいけど。」


「ばぅわぅ!」


 左右の分かれ道で左にと進むことに。ベード曰くそっちが進行ルートみたいだから別にいいけど。まがってすぐにベードが伏せると同時に前方から一気に8匹の反応がこっちに近づいてきてる!?

 僕もあわてて屈みつつ、僕達の頭上を通り過ぎる魔物の姿を確認。大きさ的にはちょっと大きめのコウモリといったところか。


----------

≪識別結果

マウンテンケイブサウンドウェイブバット 危:D

山の洞窟に住む音波を操る蝙蝠。発する音波を聞かせ続け聴覚不全にした相手を複数で囲み噛みついて仕留める≫

----------


 黒くてちょっと見づらかったけど、識別は問題なくできた。識別内容は資料で見たような内容通りだな。音波についての対策はこれでできるとおもう。


「フリップエリア。準備できたけど、あいつらどっかいっちゃったな・・・」


 僕達に気づいて飛び掛かってきたわけじゃなく、単なる移動だったようで結構遠くまで飛んで行ってしまった。まぁこの先にまた別の群れがいるみたいだし、そいつらと戦ってみるか。

 今度は10匹の群れを発見。やはりこちらには気づいていないようなので、僕の先制攻撃で始めさせてもらう。右手を構えて横に振り払うと、炎が斬撃波のような形となって発射される。


「フレイムブレイク!」


 コウモリの3匹にその炎の斬撃波は当たり、あっけなく両断してしまった。簡単そうなスキルアーツだけど、この精度でこの威力だから意外と扱いが難しいって記載されてただけはある。実際、炎と水は何とか成功したけど、水のほうは斬撃波がめっちゃ小さくて残念感がある。土は全くうまくいかず、風は威力は落ちるっぽいけどそれっぽいし、いっぱい作れるスキルアーツを使えた。

 こちらに気づいて残り7匹が襲い掛かってくる。飛行しながら音波を発してるようだけど、残念ながらフリップエリアの外からの音は弾いてる。風の魔素を貯めて今度は斬撃を残り7匹に向かって放つ。


「ウィンドセヴェラルスラッシュ!」


 風の刃で何度か切り刻まれた7匹が悲鳴を上げて動きが鈍る。3匹はベードの影槍が刺さり絶命。モイザが2匹を粘土の矢を数発当てて仕留め、フレウドが2匹を炎の槍を作って仕留めていた。


「思っているよりも楽に勝てたな。この調子で53層まで進行ルート上だけ倒して進もうか。」


「ばぅ!」「――――。」「ココ。」


 53層までコウモリたちが続くと資料にあった通り、53層を越えるまでコウモリに時折遭遇しては倒していた。今回の目的は素材集めだからな。コウモリからのドロップは山岳洞窟の音波蝙蝠の羽だ。両翼で1つの素材みたいだけど何に使うんだろ?こういうのも冒険者ギルドの納品にあるといいけど。

 夕飯には少し早いくらいの時間に53層を越えれたけど、一応休憩を入れる。その間に僕の合成のスキル上げもしたいからだ。先にしておきたい気持ちもあったけど、術法合成には結構なスキルレベルが必要っぽかったので先にダンジョンというわけだ。

 正直モイザの合成スキルレベルならもしかしたら術法合成できるかもしないな。そんなことを僕がそっと口にしながら合成してると、モイザも何か考え始めたようだ。もしかして燃えない糸を作るヒントになったかな?


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