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従魔たちとの対決訓練

「きゅ!」


 レイトの合図と同時に僕対ベード、モイザ、フレウドの1対3の戦いが始まった。開戦早々にベードが僕に向かって突っ込んでくる。


「スロウダウン!・・・だめか、ヘイスト!」


 ベードにスロウダウンをかけようとしたけど、僕が手を向けた瞬間にさっと横に飛んでかわされた。そのまま僕に影爪を構えて襲い掛かってきたので、慌ててヘイストで一気に避ける。

 避けたところを狙ってモイザとフレウドが土と風の矢を撃ちこんできていた。トランスポートも壁系の魔法も間に合わず、保護術式には守られたけど被弾してしまった。ベードが僕の隙を作って二人が追撃か、厄介だな・・・

 練習すらしてないけどさっさと準備してやってみるしかない。この間使ったディメンジョンハンドのおかげで空間掌握の感覚はつかんでる。ベードがまた僕を狙って詰めてきてるし、モイザとフレウドもいつでも追撃態勢みたいだけど、右手に一気に魔素を込めてできるだけ隙を少なくする。


「次元空間を愛でる手、ディメンジョンハンド。空間掌握、スペースエリアコントロール!」


 ぐっと手を握って掌握完了!ぶっつけでもうまくいったのはよかった。すぐさまフレウドに向かってあの試合で見た簡易転移を行う。


「ショートテレポート!」


「コ!?」


 超瞬間転移のショートテレポートはこの空間掌握を使った空間内じゃないと使えない。とはいえ訓練場の使ってる一角は闘技場の試合を行ってたリングくらいの広さだ。ちょうどその広さ分なら掌握できると思ったとおりだったわけだ。


「フリップスペース、インパクト!」


 取り出した杖の先端にフリップスペースを込めてフレウドの真上からたたきつける。保護術式がぎりぎりと軋むような音を立てる。ちょっとは削れただろうけど、すぐにフレウドが目の前の僕めがけて油弾を放とうとする。それがあるからフレウドから狙ったんだよ!


「ショートテレポート!・・・あっぶね。」


「コ!コココ!」


「な、なんだよ!使えるのは全部使うぞ!やるなら勝ちたいからな!ベード来てるのは分かってるぞ!」


 フレウドに集中してる間にいつの間にかベードの巨体が見えなくなってたけど、空間掌握してるおかげかベードの位置がわかる。すぐ後ろにいるなこれ、杖をぶんっっと真後ろに振りかざしたけど、さっきよりも離れてるからさすがによけられたっぽい。

 ベードはあきらめて姿を現したけど、今度はモイザの糸が僕を狙って飛んできてる。さすがにそれはフレイムウォールで対処。あっけなく糸は燃え尽きる。

 再度ベードが姿を現したまま僕にと向かってくる。ショートテレポートで引き離してフレウドを狙いたかったけど、それを読まれたのか先回りされてしまった。

 ベードの影爪が襲い掛かる、さすがにショートテレポートもヘイストもかける暇がない。なんとかフリップスペースを込めた杖を振りかざして影爪を弾き飛ばした。


「――――!」


「うぉ!?なんだ!?」


 モイザが何か声を上げると、僕の周囲に粘土壁ができ上り、そのまま僕を飲み込むように迫ってくる。でも残念、完全拘束されなければこういうのでもショートテレポートで抜け出せるんだよな。


「ショートテレポート!・・・ん?」


 僕が粘土の波みたいのから抜け出すと、モイザの作り上げただろう粘土のせりあがったところの上にベード、モイザ、フレウドが一緒になって、来るなら来いと言わんばかりにベードとモイザはその場で追撃態勢。そしてフレウドが床めがけて炎の球を放った。


「やばっ!まじか!ショートテレポート!」


 そこしか逃げ場がないように、いつの間にか床中に油が敷き詰められていた。フレウドの炎の球が床に着弾した瞬間床中が燃え上がる。僕の転移先は当然3人が乗る足場だけど、向こうも僕の動きはお見通しだろうな。

 僕が現れた瞬間を狙い、ベードの影の拘束とモイザの糸の拘束が襲い掛かり、捕まってしまった。完全につかまるとショートテレポートでは対処できないけど、これなら対処できる!


「エスケープ、テレポート!」


 使ったはいいけど、エスケープはショートテレポートのように掌握した空間のどこでも出られるわけじゃなくって、近い所に転移するだけなのか!でも、うまく背後は取れた!このまま逆に床の炎の海に押し出す!


「プッシュアウト!」


 空間術の応用の技で相手をよろけさせる程度の技らしいけど、消耗が少ないという技だ。せりあがった粘土の床から3人は押し出されて落ちていく。これで決まってくれないと、そろそろ消耗激しくてきつくなってきた。

 慌てるようにモイザが再度粘土の床をせりあがらせようとしてたけど、そうはさせない。僕が着地した粘土床を触れて、この感触を封じる空間を作り上げる・・・


「スペースエリアコントロール、クレイクローズ!」


「――――!?」


 自分の技が出なかったことに驚いたのか、慌てふためいているモイザの周囲の保護術式ががりがりと削る。ベードの分もがりがりと削っていたけど、僕へと飛んで向かってくる。直線的な動きならさすがに杖で対処できる!僕が杖を構えたのを見て、前足の本物の爪を振りかざし直撃は防がれた。

 なんてしてる間に床の炎はフレウドがすべて吸い尽くし、消火されていた。それがあるからフレウドが一番厄介だと思うんだよな。フレウドが参戦してる間じゃ僕の風と炎も使えない。だから空間術メインで戦ってるんだけど、さすがに魔素限界が近いかな?


「きゅ!」


「ん、そこまで?」


 レイトの掛け声で三人が戦闘態勢をとく。僕も空間掌握をといて一呼吸。これずっと維持し続けるのやばいくらい疲れるな・・・魔素量は3万5千を超えてるってのに、もうあと1000ちょっとしかないや。自分の素の速さを上げるために速のステータスにポイント振ってたけど、これからはまた魔にポイント振っていこう。

 そういえばあの炎の海の中レイトはどこにいたんだか。というかロックするのを炎にしたほうが楽だったか?いろいろ反省点はあるな・・・もうちょっと考えて戦わないと。


「きゅきゅ。」


「え、休んだら特訓なの・・・?」


「きゅ。」


「ば、ばぅ・・・」「――――・・・」「コ・・・」


 ベード、モイザ、フレウドもべたりとダウンしてたから思ってる以上につかれてたようだけど、レイトによる3人も休憩後特訓が言い渡された。

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