表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
110/180

フレウドの第一部戦

 さてフレウドは次の組だな。その次はベードの組になる。フレウドはすでに待機位置の真ん中のリング周辺にいるはずだ。

 前の試合のフクロウと馬の対決は、馬が体当たりでフクロウを場外に吹き飛ばしての勝利で終了。場外の地面に落ちてなくても、リングから出たらだめなんだな。もしかしてあんまり空飛んでなかったし、上空にもある程度の制限をつけているのかな?

 人が戦う場よりも広いとはいえリングという狭い中だからちょっと飛行系の魔物はきつそうな気もするな。フレウドはその点、小さいしちょっとした跳躍はできても飛行レベルの滞空時間はなかったはずだ。

 ただ、4匹の組み合わせ戦での初戦からロケテッドブロウワイバーンとの試合だ。赤黒い鱗に覆われたワイバーンの体格はこの間のワームよりは小さい気がするけど、それでもフレウドとは何倍もの差がある。

 開戦前から見てる僕がすさまじく緊張する。棄権させたほうがいいだろうか?いや、フレウドはやる気のようだし、水を差すのはよくないか。それにもう試合が始まる。


「それでは中央従魔戦、試合開始!」


 開幕の合図と同時に、ワイバーンが炎のブレスをフレウドにと放つ。おいおいいくらなんでも急すぎるだろ!って思ったけどフレウドはその炎をすべて吸い尽くしてしまった。そのおかげか保護術式には影響なしのようだ。

 フレウドがどや顔でワイバーンを見上げると、ワイバーンがあからさまに不満そうな顔でその大きな翼をたなびかせ、突風を放つ。

 しかし吹っ飛ぶどころか、その突風もすべて吸い込み尽くしてしまった。あんなふうに戦闘面で炎食と風食をしっかり使うとは思わなかった。

 とはいえ、その二つを無意味にされたことでワイバーンは激怒したのか、凶悪な三つの爪が生えた前足でフレウドを叩き潰そうとする。うまく転がって避けるが、何度も何度もフレウドをたたきつけようとワイバーンが襲い掛かる。

 よけ続けられたワイバーンは、体を回転させてヒレのような物が付いた尻尾でフレウドを薙ぎ払おうとする。それを見計らってなのか、少し飛び上がって尻尾を回避した直後に、ワイバーンの足元に向けて油弾を放った。

 尻尾を振りぬくために回転していたワイバーンは、足を滑らせてその場に倒れこんでしまう。そこを狙うようにさらに油弾を浴びせる。

 油弾は確かに命中するけど、ワイバーンに直接当たったわけじゃなく保護術式の薄いベールのような膜にと当たる。それでもフレウドは気にせずにすぐさま炎弾を放った。

 燃え上がるワイバーンの周囲の強固な保護術式の膜が、ミシミシと音を立てているのが聞こえてくる。ワイバーンは起き上がって必死に振り払おうとするけど、むしろ燃える炎の大きさが大きくなってる気がする。

 もう消すことはあきらめたのか、フレウドにと向きなおしてそのまま突っ込んでいった!?フレウドも少し意外そうな顔をしたけれど、すぐさま炎の壁を作りその突進を防いだ。そこで保護術式が割れる音が鳴り響き、燃え上がっていたワイバーンの周囲の炎も鎮火した。


「勝者、デュアルアトリビュートチキン!」


「コ!」


「おぉぉぉ!」


 思わず大きい声出したけど、ここからじゃフレウドには聞こえてないだろうな。翼を上げて誇らしげなフレウド。圧倒的体格差だったけど、よく勝てたな。

 ワイバーンがかなり残念そうな表情でリングを後にする。フレウドもリングを後にすると、リングの外でスタッフの人が5人ずつ二匹に近寄っていったのが少しだけ映った。おそらく消耗した保護術式のかけ直しとかをするんだろう。

 その間にちょっとおっかなびっくり気味に馬がリングにと上がってくる。そりゃそうだよな、相手なんか体毛が青いけど凶悪そうなトラだもん。さっきのワイバーンに比べたら小さいけど、四腕熊くらいはあるんじゃないか?


「それでは中央従魔戦、試合開始!」



 開幕の合図と同時に馬はやけくそと言わんばかりに虎へと突っ込んでいったけど、虎はひらりとその突進をかわして、鋭利な爪で横腹を切り裂く。その威力に馬は大きくよろめいた。保護結界が無かったら悲惨な光景になってただろうな・・・

 そのままほぼ一方的な試合展開で虎の勝利で終了。一旦どっちもリングから引っ込んで少しばかりのインターバルが挟まる。

 ワイバーンと虎がリングにと上がってくる。ワイバーンあからさまにイラついてないか?なんか口からかすかに炎漏れてるぞ。

 フレウド大丈夫だっただろうか?でも変なことしてたらさすがに違反となってリングには上がってきてないだろう。虎は虎でやる気満々といった感じでワイバーンを見上げる。どうなるんだこの試合?


「それでは中央従魔戦、試合開始!」


 開幕の合図とともにワイバーンが炎のブレスを虎に向けて放つも、虎は臆せずに少しブレスに当たりつつ、場外にならないように範囲外へと駆け抜ける。直前の試合を見てたから対策済みってことか。

 そのまま一気にワイバーンの懐に潜り込んだ!これは虎がリードを握るのか?と思ったら飛び上がった!そりゃそうか、背中の翼は飾りじゃないもんな。

 だけれどもあんまり高くは飛ばないようにしてる、上空方面にもやっぱり場外判定があるんだな。

 だけど空に逃げられたらトラは攻めるに攻められないだろう。え!?臆さず飛び掛かりに行った!?

 だけど、ワイバーンは向かってくるトラに向かい再度炎のブレスを放つ。せっかく飛び掛かろうと跳躍したのに、ブレスを真正面から受けて勢いがあからさまに落ちてしまった。そこを狙うように尻尾で勢いよくリングにたたきつけられた。虎がリングにたたきつけられた瞬間、リング上で保護術式の割れる音が響いた。


「勝者、ロケテッドブロウワイバーン!」


 ワイバーンがフンと息をついたように見えた。虎は悔しそうにワイバーンを見上げ続けたけど、スタッフが近寄ったことでリング外に出て行った。

 そして交代でフレウドとゲイルエクエストリンホースの対決になる。ワイバーンに勝利したとはいえやっぱり相手がフレウドだからか、馬は虎の時とは違っておっかなびっくりという感じはなく、むしろ勝つ気迫さえ見せている。


「それでは中央従魔戦、試合開始!」


 開戦の合図とともに馬が勢いよくフレウドにと突っ込んでいく。フレウドが風を纏うように飛び上がって華麗に回避すると、馬の進行方向に油弾を放つ。

 馬が転倒するのも構わず何発か油弾を放ち、場外まで続くような油の道が出来上がると、両翼を思い切りたなびかせ、馬にと風を吹かせた。

 慌てふためく馬は転げた状態のまま油の上を滑っていき、場外にと放り出されてしまった。なんというか、奇妙な光景だったな・・・


「しょ、勝者デュアルアトリビュートチキン!」


 フレウドと馬の対決の後また少しインターバルが挟まる。そして次の試合はワイバーンと馬の試合となった。これは予想通りあっけなくワイバーンの勝利。

 さて次が問題の虎との試合だな。ここでフレウドが勝てば難なく次の組み合わせ戦に行けるんだろうけど、負けた場合はどうなるんだろうか?


「それでは中央従魔戦、試合開始!」


 開始の合図とともに虎が一気に迫ってくる。また上によけるかと思ったけど、どうやら避けるような体勢じゃないなアレ。

 フレウドが大きく翼を広げると、フレウドの周りに炎の渦ができあがる。あれは多分フレイムストームだな。大きさはそれほどはないけど、フレウドを守る盾としては十分だろう。それでも虎は臆せずに炎へと突っ込んでいった。そりゃそうか、もっと危ないブレスにも突っ込んでいったんだもんな。

 フレウドが渦の上に出てきた!あれ、虎はどうしたんだ?まだ出てこない?渦の中が見えないんだよな。って、フレウドの着地と同時に保護術式の割れる音がしたぞ!炎の渦が消えると虎が唖然とした表情でフレウドのほうを見つめていた。あの中で何があったんだ・・・?


「勝者デュアルアトリビュートチキン!」


 意外とあっけなく試合が終わったな、隠し玉だったんだろうか?とにかくこれでフレウドは次の試合に進めるか。そして次はベード達の組だな。見えないけどフレウドと一緒に待機に向かってたからもういるはずだ。ベードも勝ち進めるだろうか?


どうすればいいのかわからなくなってきたので書きたいように書いていこう・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ