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忘れ事

 あらかた防護の腕輪も保護術式も防御性能を試してきた。保護結界のほうが耐久は圧倒的に高いみたいで、腕輪を調べた後でファイアランス35発くらい使ったのでさすがに疲れてしまった。

 ベードに調べさせたかったけど、他に従魔を連れてきてる人どころか、保護術式の的を使ってる人がいなかったので、ちょっと他の人に見られてた感があって恥ずかしかったな・・・でも僕も僕で数人の耐久テストやってるのを見てたからお互い様だよな。

 今は部屋の確認中なんだけど、今の宿の部屋よりもでかくないか?高さが違いすぎる、何を入れる用の高さなのこれ?

 とりあえずベードは余裕で入れる大きさだな。これなら10万リラでも安いくらいなんじゃないか?なんにせよだ、ここの窓からさっきのリングがちょうど見れる。

 見れるけど、一番近くのリングだけだなと思ったら、なんか窓の横に備え付けの水晶を発見。写すリングが北西、北東、南西、南東と中央リングって書いてある。

 中央リングに切り替えてみると窓の景色が一瞬消えてまるで真上から見下ろすような形で中央リングを見ることができるようだ。でもちょっと怖いんだが?

 とりあえず初めだった北西に戻しておく。ちょっとあれだけど、これでベード達が参加したいとなった場合でも観戦できるな。

 さて、僕はどうするかなぁ。この仮面をかぶったまま参加してみるのも面白いかもしれない。ここの住人の皆さんとどれくらいの差があるのか試すわけだ。


「モイザとフレウドにも参加するか聞きに宿にもどろうか。」


「きゅ。」「ばぅ。」


 一旦部屋を出るわけだが、中への扉と外用のでかい扉がある。外用のでかい扉を開けてそのまま外に出て、コロシアム外周を回るように入口方面に戻る。入口の左側に受付用の水晶があるのを発見。受付の人なのか黒猫の女性のビスタがいる。さっきは右側で受付してるのは気付いたけど、ここには気が付かなかったな。


「こちらは従魔用の受付になります。申し訳ありませんが従魔参加以外のご用件は右受付へどうぞ。」


「あ、はい、すいません。」


 多分この感じは後ろにいる気配を消したベードには気づいてなかったな。でも従魔従魔って結構従魔に関して寛容な感じのわりに、街中で他の従魔を見てないんだよなぁ。

 別に見たいわけではないんだけど、他の従魔も気配を消してて見えないとかなのかな?

 なんて考えてたら分断門で栗毛色なのか、茶色いけどブルトンホースに遭遇した。どうやらだれか乗っているみたいだけど、金属製の馬具を装着されてなんというかかなり窮屈そうな感じではあった。


----------

≪識別結果

グラウンドオブブルトンホース 危:C

大地の加護を受けたとても体格の大きい馬。強力な土魔法を使いこなすとされているほか、その土魔法によって自身を強化しあらゆる大地を走り抜ける≫

----------


 マウンテンブルトンホースは薄いクリーム色という感じだったので違うのかなと思ったけど、やっぱり違う種類だったようだ。

 そのまま歩いて中央方面にすれ違ったから、勝手に識別しちゃったけど、マナー違反だったら申し訳ないな、次から識別するならちゃんと聞いてからにしないと。

 そんなこともあったけど宿に戻ってきた。モイザからは毒対抗薬の追加なんだけど、かなり多くなってきたな。ダンジョンに潜っていたせいで自分のお店に顔出さずにだいぶたってしまったし、一回売り出してみるのもいいかもしれない。

 でも新しい商品とか入荷してるわけじゃないのに、毎日結構な額入ってくるのはほんと何なのだろうかな。主な売れ行きは蜘蛛糸と緑甘樹の実らしいけど。

 おっと今はそれよりも武術大会に参加するかどうかだな。お昼も食べたし、みんなに聞いてみるか。


「レイト、ベード、モイザ、フレウド、みんなは大会参加したいか?僕は一応参加するつもりだよ。観戦も少しくらいはする。」


「きゅ。」


「あぁ、うんなんとなくわかってたけどレイトは不参加ね。一応保護術式はかなり安全だってことは確認してきた。どんな従魔が相手になるかはわからないけど、この機会に他の従魔と戦ってみるのはありかもね。」


 レイト不参加は予想通り、さて他三人はどうするかな?


「ばぅ・・・!」「――――。」「コ・・・」


「ベードは参加するのか。モイザは不参加ね了解。それでフレウドも出るのか?」


「コ!」


「よし分かった、頑張れ。」


 ベードとフレウドが参加ね。ちょっとフレウドは不安だけど、まぁあの保護術式があれば大丈夫かな?

 ベードにはどこまで行けるかわからないけど頑張ってほしいな。最近戦うときとか誰かが背に乗ってるってことばかりだったし、久しぶりに乗られてない状態で戦ってみてほしい。


「よし、じゃあ受付に行くか。」


「きゅ。」


「ん、なんだちょっとまったってか?」


「きゅ・・・きゅ、きゅきゅ。」


 なんかレイトから待ったをかけられる。そしてレイトがベードとフレウドを見つめると、再度僕に何か言い始める。でもあれだ、また言葉の意味が少し理解できない。

 なんだろうか魔獣言語のスキルレベルは上がってるはずなのにな。しょうがない翻訳を入れてみるか。


「すまん、翻訳できるように切り替えたから、もう一度。」


『・・・そうか。聞こえるか?』


「!!?」


 んん!?なんかはっきりと聞こえてる!?こんなに鮮明に聞き取れるようになってたのか?というかこれ、耳が少し痛い・・・


『お前大丈夫か?とにかくベード、フレウドを訓練してくる。己とこいつらをあの山の30層に送れ。』


「あ、あぁ、わかった。でもくれぐれも気を付けろよ・・・」


『誰にものを言ってる。』


「お前じゃなくってベードとフレウドにだよ。」


『了解、主!』『大丈夫だ。』


 う・・・これ切ろう。なんかみんなの声が耳に響いてくる。駄目だな、必要だと思ったときだけにしよう。別にいつもの鳴き声でもある程度分かるんだ。もっと聞き分けられるようになれば大丈夫のはず。

 とりあえずだ、レイト、ベード、フレウドをトランスアルターでディヴィジョンマウンテン30層に送る。そして送っちゃったところで思い出す。僕この宿のアルター登録してないや・・・

 リプレさんにもキャンセルでいいことにしてもらったほうがいいだろうし、ちょっと急ぎ王都の教会に行って登録してこようか。そうすれば行き来してこれる。


「そんな感じなんだけど、モイザはどうする?一人で待つか?」


「――――。」


「了解、待機するのね。それじゃあ行ってくる。」


 受付で教会の位置を聞くと、王都は教会じゃなくって大神殿ですがと場所を教えてもらった。北のほうの西側なのね、また分断門を通らないといけないのか、ちょっと面倒だな。

 しかも冒険者ギルドと商業者ギルドは北にも南にもあるらしい。でも北の宿屋はコロシアムなんて目じゃないほどにさらに高いけど、サービスは少なめだそうだからここでよかったかな?

 受付の牛の人に北の宿に行けばよかったと言ったらちょっと顔青くしてたから申し訳なかったな。余計なことを言ってしまった。

 そして大神殿とやらに到着。ほんとすごい大きさだな。今までの教会がさみしく感じるほどだ。神官らしき人も数人いるようだったけど、僕のほうに気づいた一人が近寄ってきた。


「イリハアーナ様に祈りを。本日はどのようなご用件ですか?」


「すいません、空間術による転移で後程帰ってくるために立ち寄っただけなんです。」


「おや、そうですか。他の街からの転移ができるということは、来訪者の方なんですね。イリハアーナ様の加護があなたにもありますように。」


「ありがとうございます。」


 そうか、僕の空間術じゃなくって教会の空間術式だと思ったのかな?なんでもいいや、忙しいのか僕からは離れていっちゃったし、これだけ広いなら隅っこのほうでリターンアルターを使ってもばれないだろう。

 そうしてリプレさんの宿に到着、受付にはやっぱりリプレさんが、あれいない?水晶を見るとご用件の方は2刻待つか、商業者ギルドへどうぞとのことだった。

 2刻か、レイトたちはどのくらいで戻って来るのか不明だから早いほうがいいかな?その脚で商業者ギルドにと向かう。

 商業者ギルドに入るといつも通りすぐ受付。リプレさんの宿をとってる者ですがと言ったら奥へどうぞと通されたので進むことに。

 進んだ先にいたのは書類、書類、書類の山に埋もれるように机に座るリプレさんだった。


「あらま、見られちゃったわねー・・・でも用件があったらこっちにどうぞってなってるからしょうがないのよねー。」


「えっと、どういうことです?」


「あらま、わからない?私はこの街の商長やってるのよー。いつもは代理がいるんだけど、今日はその代理が出ちゃってるから、私がこの書類整理しなきゃいけないのよー。もうほんとうんざり・・・」


 えぇ、いつもは代理に任せてるって、それでいいのか?というかやっぱこの部屋商長の部屋だったのか、書類塗れだけど豪華だし、他の商長室に似てるなとは思ってた。


「忙しいときにすいません。王都のほうでいいダンジョン宿が取れたので、そちらでダンジョン素材を売ってしまうことにします。リターンアルターの場所も変えちゃうので、部屋を他の方に貸し始めて大丈夫という話をしたかったんです。」


「それもう全部いっちゃってるじゃないのー!少し急いでるようだけど、多分それ杞憂よー?まぁいいけれどねー、私も少しこうやって誰かと話さないとおかしくなりそうだったから。お部屋の件了解よー。」


「すいません、ありがとうございます。」


 よし、これで宿に戻って祭壇登録すれば完璧だな。


「あ、でも少し待ってねー。あなたを姉が呼んでるのよー。申し訳ないけど、冒険者ギルドに顔出してくれるかしらー?」


「えっと、何の案件なんでしょう?」


「一昨日に来たこの街じゃない商業者ギルドから冒険者ギルドへの案件らしいけど、なにかしらねー?ここで対応できなくてごめんなさいねー?」


 うーん、まぁそれはしょうがない。いくら商業者ギルドが元の案件とはいえ、冒険者ギルドが請け負ったならそっちに行くべきだろうし、リプレ商長は何も聞かされてないんだろうからな。


「それじゃあ行ってみます。リプレ商長も頑張ってください。」


「商長って呼ばれるの嫌なのよー!普通にさんで読んでちょうだい!」


「あ、はい、リプレさん。」


 なんかすごい剣幕で言われたし、もし次に会うときは気を付けよう・・・そしてすぐには王都に戻れそうにないかな?しょうがないとにかく冒険者ギルドに行ってさっさと終わらせよう。


ちょっと調子がよかったので2話連続投稿

そしてついに翻訳が完ぺきになっていたようだけど、従魔たちがイケボ過ぎて耳が痛いようです

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