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VRMMORPG始めます!

↓VRMMO作品から異世界転生ものとしてリメイクした作品の投稿を開始↓

https://ncode.syosetu.com/n9095ih/


「ランダムに選ばれたのはテイマーでした:リメイク」もよろしくお願いします。

 この日を、どれだけ待ちわびたと思う!?ついに、ついに僕もできるのだ!

 え、何がだって?よく聞いてくれた!


 世界にVRゲームがありふれたものになって早数年。

 普通に画面に映るゲームじゃ物足りない人は数多い。

 そんな中、この日本でついにとんでもないものが開発された、カプセル型フルダイブVRゲーム機、通称【ゆりかご】。

 その情報は世界中に広まったが、いかんせんこの【ゆりかご】は数が少ない。その上に、僕なんかじゃ考えもつかない開発費用が掛かっているだろう。


 そんなとんでもないものが、僕の目の前のベッドの上に置かれているのだ!

 いくらかかったのかって?ふふふ、なんと、これが、抽選で当たったのだ!

 とはいっても、抽選に参加するまでが大変だった。


 まずとてつもなく長い契約書を覚えること。そしてその契約書の内容から出される記入式テストに満点を得ること。なお、不正防止のために個々にテスト内容が違うらしい。

【ゆりかご】の希望プレイヤーの何億人という規模にそんなことは不可能だろう。だが、実際には希望プレイヤーは数万人ほどだった。

 それは契約書のテストの前に、うさんくさい個人識別を受けるからだ。


 まず、ほぼ履歴書というべきものを書かされる。住所、氏名、年齢、幼稚園から最終学歴、過去の職業から現在の職業。

 さすがに、職業欄に日雇いバイトの数日間の業務歴は書かなくてもよかったけれど、少し恥ずかしいのは、どれだけ【ゆりかご】がほしいのかという記入欄。

 この【ゆりかご】テストに抽選で当たればプレイすることのできる唯一のゲーム、【Different world diving】通称【DWD】なんていう、とてもありきたりな名前だけど、その偉業ともいえるVRMMORPGについて。とにかくひたすらに、書きなぐった、僕がそのゲームで、何がしたいのかを。


 そして、そんな履歴書の後には、髪の抜け毛、採血、指紋、なんていう個人情報も渡し、

 身体的問題、精神的問題がないかをチェックされて、ようやくテストに挑めるわけだ。

 怪しいと思う人はこんなのやりたがらないだろう。僕だって多少は思うところもある。

 けれど、そういうテストだということは、全国的に情報は流れてる。そして、このテストの合否抽選による結果でのみ【ゆりかご】を手にいれられる。だからこそ僕はテストを受けたんだ。


 テストの合格と当選の通知が来たときはどれだけ嬉しかったか。ただ、ちょっと残念なことがある。

 第3班、いわゆる正式開始といわれる班に分けられてしまったことだ。

 ファーストベータテスト班、第1班は約27日前にもうゲームを開始している。

 セカンドベータ班、第2班はそれから約14日後にゲームを開始。

 そして僕ら第3班は今日開始、ゲーム時間ですでに200日経過しての開始だ。


 ゲームなので、こっちの24時間が、ゲームの24時間だと、プレイ頻度が低い人には確かにつらいものになるだろう。

 だからこそ、この【DWD】では現実の10分で【DWD】の1時間経過する。20時間で1日のサイクル、日の出は4時、日の入りは18時という設定だ。

 ただ、【DWD】には数字による時間設定はない。あくまで僕たちの尺度での時間らしい。

 らしいというのは、そういうふうに制作担当者がテレビで言っていたからだ。テストにもそのあたりのことを書いた記憶がある。

 そういう折り合いから起こりそうな問題も含めてのテスト班が、第1班、第2班だけれど、こうして僕もプレイできるのだから、問題は起きていないのだろう。


 かくいう僕は、現実世界の30日分、1日2食計算で60食、一応準備済みだ。

 30日分の面倒な支払いは、全部口座振り込みで、問題ない以上の分を口座には入れてある。

 手持ちの現金もかなりあるからコンビニや出前だって行ける。この30日の為に、貯めに、貯めに、貯めて、必要以上の準備はした。

 30日後はまた、面倒な仕事が待っているけれど、30日という、ひと月休暇、これができるホワイトな会社に感謝だ。

 有給も使って、一応は金は入ってくる。安心して、心おきなく、【DWD】をプレイできる。


 ちなみに【DWD】はMMORPGなので、当然攻略情報はある。

 いわゆる【掲示板】で、きっと現在進行形で、いろいろと情報が飛び交っているだろう。

 そこで集めた情報を【プレイヤー】がまとめたサイトもあるらしい。

【プレイヤー】がまとめているのは、それもベータプレイヤーの【仕事】だからだそうだ。

 どちらも【DWD】のプレイ権のあるものだけがみれるようになっている。

 そう、僕たち第3班の正式開始も、ゲーム開始前からみれるのだ。

 だけれど、僕は一切ゲーム内情報を目にしていない。

 ゲームが始まってからは、何気なしに掲示板を見たり書き込んだり、躓いたところで攻略まとめサイトを見たりとかはするつもりだ。

 でも、プレイ前には一切情報を入れたくなかった。

 余計に待ちきれなくなるし、なによりその情報で無意識に自由度が減って、つまらなくなってしまうかもしれないからだ。


 さてさて、そろそろ【DWD】の初めの4時から200日目の時間になるかな。

 カプセルを開いて中に入ると、中に敷かれた寝心地のいい素材に、僕の体半分が埋まった。

 開いたカプセルの上側についた取っ手を引いて、カプセルを閉じる。

 カプセルに映されているのは、現在時刻10時00分の時計表記。

 そして、【ログイン可能】という文字だけ。シンプルだけれど、この【ログイン可能】の文字がないとログインはできないのだ

 僕の体調面、健康状態、そんなのから、ログインに問題ないか、チェックされているらしい。

 まぁ、そんなことよりも、もう行こうじゃないか。


「ログイン。」


 カプセルの上部分の色が黒くなり、僕の意識がまどろみに包まれる。


ゲーム開始前の現実の主人公の状況説明

※ゲーム内の日照時間変更 5時~17時 → 4時~18時 (一日20時間)

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