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わがまま姫と泥棒さん  作者: 瑠花
7/12

捜索


「なんであんな事、言ったんだよ」


「あんなこととは?」


「助けてもらったなんて、おばちゃんの言う通り誘拐されたって騒げばよかったのに」


正直助かった、騒がれていたら終わっていた。


「いいえ。助けて頂いたのは、本当ではないですか?ここまで運んでくれて、怪我の手当てまでしてくれました。本当ありがとうございます!ですから、恩返しです!」



恩返しなんて、なんか恩着せがましいですね。と笑いながら言う少女を見てリアムは、悲しくなった。

こんなに優しく美しい少女が、なぜ自分の事を"わがまま姫"なんて言うのか。

城からここまで、ほんの数時間しか一緒にいないが、この少女が、我が儘女でないことくらいわかる。

『お前ニセモノだろ!』と言った所で『いいえ。私が"わがまま姫"で間違いありません。』

そう言われるのが目に見えてる。

まだ時間は、たっぷりある。

見極めよう!この少女を。

ホンモノかニセモノかを。





城では、王女様が誘拐された!よりもあの大きな体格の王女様をどうやって誘拐したのか?その話題でもちきりだった。

塔から出れないほど、太ってしまった王女様。

これが、城で働く者の認識だった。


皆、王女様が誘拐されたというのに楽しそうに話していた。


『あの大きな王女様を誘拐できるやつだ!きっと筋肉もりもりの大男にちがいない!』


『なんで誘拐なのかしら?あのわがまま姫に一目惚れしたとかぁ?』


『世界は、広いな!あんな我が儘な化け物好きになるなんて!』


城の兵も使用人達もみんな一緒になって笑っている。

これで、あの我が儘とおさらばできる!そんな嬉しいそうな顔だった。



「そんなんじゃないのに…」


アンナの小さな訴えは誰にも聞こえてかなった。






「アンナ!!」


男は、自分と同じ色の髪を持つ女性に声をかけた。


「イワン!マリア様は?どこへ消えてしまったの?」


双子の姉であるアンナがイワンに思いっきり掴みかかり、顔を近づけながら聞いた。

今にもオレを食い殺しそうな勢いだ。

同じ顔ながら怖い。


「それを報告に来た!だからはなしてくれ、アンナ!」


「見つかったの!?」


「いや、見つかってはいないが、どうやって誘拐犯がマリアンヌ様を連れて逃げたかは、わかった。」


「そう…」


「そう落ち込むなよ。逃げた方法がわかった!今から兵を連れて探しに行く。銀髪の青年以外に何か特徴はなかったのか?」


もう少し情報が欲しい。

この国では、銀髪は珍しくはないのだ。

そして1番問題なのがマリア様の素顔を知る者がほとんどいないことだ。

片手で数えられそうな人数。

兵をむやみに総動員しても、本物を見つけられないのだ。

兵の中から先鋭部隊をつくり、オレと一緒に全てを見に行かなくてはならない。

見つけられるのか?そもそも生きているのか?


不安そうな顔をしているイワンを見てアンナは悔しそうに喋った。


「暗くてよく見えなかったのよ、、、でも声をからして、歳は私達とそんなに変わらないはず。身長は、イワンと同じくらいね…お願いイワン、、、マリア様を助けて!」


アンナが泣きながら訴えてきた助けて!と言った。

アンナは、マリア様が生きてるって信じてるのにオレは、、、。

マリア様を無事に連れて帰ってきたら、一発アンナに殴ってもらうか。


痛そうだなぁと思いながらも、イワンは生きてるマリアンヌを全力で探そう!そう決心した。



オレと同じくらいって事は、180㎝くらいかの20歳前後の男ってことか?


情報は少ない。

だが、必ず見つけ出す!マリアンヌ様の騎士としてこの命に代えても!

イワンは、兵を連れ城を後にした。

王女様なのになぜあんまり素顔を知ってる人が居ないのか?

イワンは、マリアを見つけることができるのか?

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