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―――ピピピッピピピッピピピッ
目覚ましの音で目が覚める。いつもと変わらない部屋。時計6月20日6:50を表示している。学校は8:00着席。家からの移動時間は30分。
「・・・・・・」
まだ寝れるな。目覚ましを7:17にセットをして二度寝に入った。
―7:17―
―――ピピピッピピピッピピピッピピピッピピピッピピピッピピピッピピピッピピピッ
―7:27―
―――ピピピッピピピッピピピッピピピッピピピッピピピッピピピッピピピッピピピッ
―7:37―
―――ピピピッピピピッピピピッピピピッピピピッピピピッピピピッピピピッピピピッ
―7:40―
「いつまで寝てるの!早く支度しなさい!」
部屋のドアが開く音と怒鳴り声で目が覚める。これはダメなパターンだ。
「今何時!?」
「40分よ!早く帰宅しなさい!遅刻するよ!」
「起こすならもっと早く起こしてよ!」
「目覚まし1回で起きなさいっていつも行ってるでしょ!はい、朝食!はよ行け!」
市販のパンを投げつける母親。急いで支度をして家を出る。
「よし行くぞ!相棒!飛ばせばまだ間に合う!」
俺の名前は黒川そうじ。どこにでもいる普通の高校生だ。
急いで自転車で飛ばす。田舎のため信号が少ない。どれだけ飛ばせるかが勝利への鍵だ。
―――――――――――――――――――――――――――
「オラァ!セーフ!!」
「余裕でアウトだ!!」
「途中で道を間違えました!」
「そうか!黒川、後で職員室に来い!」
「はい!」
はい、遅刻しました。余裕でアウトの8:10分。かけで新たな道を開拓しようとしたのが間違いだったな。
職員室での説教を終え教室に戻ると、いつもの席にいつもの二人がいた。1人は光希。メガネをかけた世の中でいうイケメン男。もう1人は千夏。背が低いせいかみんなから子供扱いを受けるのを気にしている女の子だ。二人は小学生からの付き合いで幼馴染みたいなものだ。
二人のところに行くと、光希は無償な顔でちこは嬉しそうに、
「はい私の勝ち!そーちゃんやっぱり遅刻した!後で奢りね!」
「俺はお前を信じていたのに・・・」
「馬鹿だねー。ゲームした翌日はいつも遅刻してるじゃん」
朝起きれなかった言い訳としては、この二人と夜遅くまでオンラインゲームをしていた為だ。
「お前らいつのまにそんなかけしてたんだよ」
大きくため息をつく。
「ねぇねぇ!今日の放課後喫茶店いこうよ!新作パフェが食べたい!」
「お前は容姿だけじゃなく中身もお子様なのか」
ちこが短い手で叩いてくるがあまり痛くない。
「俺は甘いもの好きだからいいぞ?」
「さすがみっちゃんは分かってるー!じゃあ2対1で決定ね!」
「このスイーツ系男子が」
「悪いか?お前も甘いのは好きなくせに我慢するなよ。別に歳をとっても甘いものが好きな奴は好きなんだから、変に大人ぶると笑われるぞ」
流石は幼馴染。俺の心を的確に傷付けてくるぜ。
教室のドアが開き先生が入ってくる。騒がしかった教室も静まり返り。授業が始まる。喫茶店でコーヒーでも挑戦するか。今日も放課後が楽しみだ。
―――――――――――――――――――――――――――
「おわったぁぁあ!」
帰りのSHRが終わると同時に千夏が声を出す。
「よしゃ!じゃあ喫茶店行くか!」
「いこいこー。あっ!そーちゃん自転車の後ろ乗せてって!」
「いいけど自分の自転車はどうしたんだ?」
「昨日壊れたから朝は車で送ってもらったの。帰りも送ってくれてもいいよ!」
「へいへい。気分次第でな」
教科書をカバンに詰めながら何たべるとかその後どうするとかを喋る。
「んじゃ。行くか」
ドアを光希が開け教室をでる。続いて千夏もでるがわざとドアを閉めていった。
「おい!俺も出るんだから閉めるなよ!ったく」
もう1度ドアを開けて出ようとすると、
「うぉっ風!?」
一瞬強い風が吹き足が立ち止まる。そして違和感を感じる。
「・・・どこだ。・・・ここ」
教室を出たら廊下。だがいつもの学校廊下ではなく、赤い絨毯があり、壁も白い。そしてあかりはロウソク。
後ろを見ると教室だが。机と椅子はは全て木製で出来ている。そしてさっきまで明るかった外は暗くなっていた。
「何が・・・どうなってるんだ?」
窓から外を除くといつもなら放課後の部活動で校庭には運動部がいるはずなのだか、誰もいない。地面は砂だったらはずだが、芝生で出来ている。そして空を見ると不気味に光る赤色の月が出ていた。
「おいおい本当にどうなってるんだ!?さっきまでここで話してて外も明るかったのに!光希と千夏はどこに行ったんだ!?」
状況が掴めない頭の中。急いで廊下に飛び出す。そして走る。走る。階段につきそして気づいた。扉の位置、階段の位置が学校と一緒だった。
「学校なのか?・・・足音?」
遠くから聞こえる足音。上靴で歩く音ではなく、靴底が硬い時の音だ。そして徐々に近ずいてくる。そして、止んだ。後ろだ。後ろで止まった。恐る恐る振り返ろうとした瞬間。
「えっ」
何かが体を貫いた。しかも同時に何箇所も。そのまま階段から転げ落ちる。
真っ暗な天井。血がこびりついた壁。近ずいてくる足音。動かない体。体に流れる尋常のない痛みと熱さ。体から何が抜ける感覚。手に伝わる生暖かい液体の感触。
「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!ぃだいいだいいだい!なんでぇぇぁぁ!じにだくない!」
だが終わることのない痛み。出続ける血。だんだんと薄れてゆく視界。
薄れゆく視界の中なのにしっかりと見えるものがあった。
「・・・ひゃぐ?なんだぁごれぇ」
目につく100という数字。目を逸らしても同じ位置に移り込む100。
足音が止み、静かになる空間に男か女のかも分からない声が響く。
「ようこそ。そして、また明日」
次の瞬間、体は木っ端微塵に切り裂かれ、視界が真っ暗になった。
――――――――――――――――――――――――――――
――死んだ。死んだ。死んだ。死んだ。死んだ。死んだ。死んだ。短い人生だったな。これで終わり。意味が分からずに死ぬ。訳が分からない。あの二人は?どうなった?あいつらも死んだのか?天国でまた会えるといいな。ん?
おーい
小さな声が耳に伝わる。そしてその声はだんだんと大きくなっていく。
――うるせぇな。
おーーーい!
――聞こえとるわ!
「目を開けろ!黒川そうじ!」
目を開けると同時に頬に強い表激を感じる。
「ふぅ、生きてた生きてた。階段から落ちるとかダサいぞ。なんでそんなに汗かいてるんだ?」
「生きてる?生きてる生きてる!おお!生きてるぞ!生きてるよな?なにがあったんだ?」
「おっおう生きてるぞ?階段から落ちたんだよ。おい汗だけじゃなくて涙も出てるぞ?そんなにビンタ痛かったのか?」
「おう!千夏のビンタがいたかったのもあるけど、後で話すよ!いきてたぁぁあ!」
無駄に生きていることに喜びを感じている俺に対して、二人は目を丸くした。
これを書いてる時に高校が懐かしく感じたよ
パソコン欲しいな。