第13話 新しい仲間~その1~
「……いい加減どういうことなのか説明しろ」
いつもはどなり散らすルキフールは、ひざまずいて頭を下げたままのファブニーズに向かって、怒りをにじませながらも静かに問いかけた。
対して相手から言葉もない。
弁明はどうしても魔王本人に会ってからさせてほしいと述べたまま、ルキフールに何度問いかけられても黙りこくったままだ。
ファブニーズが下げた頭の額からのびる巨大な角は、先が欠けていてヒビが入っていた。
当初は痛みにのたうちまわっていたが、今ではそれも収まり落ち着いた状態になっている。
「ファブニーズッッ!」
突然広間の奥からあわてた様子で魔王ファルシスが現れた。
マントをなびかせながら階段の途中で足を止める。
まだ若い魔王の整った顔立ちは悲痛そのものである。
「……大丈夫なのか?」
ここでようやくファブニーズが顔をあげた。その表情はどこかほがらかでさえある。
「ええ、わたくし自身には大事はございません。
残念ながら何の成果もあげることができず、とんだ体たらくですが」
するとファルシスはそばまで近寄り、ひざまずく相手の肩に手をかけた。
「なにを言っているっ! たった1人で地上に出向いて勇者どもに挑んだというではないかっ!
むしろよく無事で戻れたものだっ!」
「バカをおっしゃいますな。
私はドラゴンの王、その称号を冠しておきながらなんの功もあげることもできず、名を落としてしまい申し訳もございません」
再び頭を下げたファブニーズに対し、ルキフールは横目で静かに告げる。
「まったくとんだ不名誉でございますな。
重大な命令違反を犯したうえ、結果を残すこともできずおめおめと舞い戻ってくるとは……」
それを聞いたファルシスが顔をあげて相手をにらみつける。
「こやつなりに責任を感じた結果だ。責め立てたところでどうにもなるまい」
「しかし責任は責任です。
このような重大違反にはそれなりの厳罰に処さなければなりません」
そしてルキフールはしばし沈黙したあと、語気を強めてはっきりと告げた。
「ファブニーズっ! お前は更迭処分だっ!
魔界大隊の長を降りて謹慎してもらう!」
「ありがたく拝命いたします」
ファブニーズは落ち着いた調子で答えた。しかしすぐに付け加えた。
「ですがこれだけは言わせていただきたい。
私は勇者コシンジュの重大な弱点を発見いたしました」
「重大な弱点?」
肩から手を離し後ろに下がったファルシスが眉をひそめる。ファブニーズはうなずく。
そして自らが地上におもむいて勇者と一戦交えた際の顛末を語った。
「……つまり、コシンジュはたとえ相手がどんな悪人であっても、その命が失われることを極端に嫌う人間性の持ち主であるということです」
「フッ。こちら側のあまたの同胞を手にかけておきながら。
聞いていて虫唾が走るわっ!」
あざけりと怒りが入り混じった表情で腕を組むファルシス。
そこへルキフールがおごそかに告げる。
「それで、継続するのですか?
そこにいる見かけ倒しの子竜が失敗した以上、志願者がいるとも思えませんが」
「……我々にお任せください」
あらぬ方向から声がかかってきた。
しかし3人は覚えがあるように、一斉に上空を見上げた。
少し見回すと、同時に1つの方向に引き寄せられた。
大広間の吹き抜けにはいくつかの出窓が開いており、その中のひとつに1つのシルエットが浮かんでいた。
人の姿はしておらず、巨大な鳥のようにも見える。
「勇者一行の討伐は、ひとまず我ら『飛翔魔団』にお任せください」
「『コカコーライス』か。
ブラッドラキュラーに続いて、お前も手柄がほしくなったか……」
ルキフールのため息まじりの声にファルシスが続く。
「あいかわらずマズそうな名前だな……」
一同、沈黙。何もこんな状況でボケなくても……
「て、手柄が欲しいだなんてとんでもない。
我らには確実に勇者どもに勝てる算段が付いているからこそ、こうして参上した次第にございます」
言いながらコカコーライスは頭を動かす。
毛づくろいのようなしぐさをすると、頭頂部のとさかのような長い毛が細かくゆれる。
「もちろん先ほどおっしゃられた勇者の弱点は無視できません。
それに加え我らには通常の魔物にはない大きな強みがあります」
「大きな強み?」
ファルシスが問いかけると、巨大な鳥のシルエットは片方の羽根を大きく広げた。
「空です。我らはもともと、上空からの偵察を主務とする空挺部隊。
どこまでも広がる大空を飛び交いながら地上攻撃を仕掛ければ、いくら勇者であっても簡単に攻撃することはできません」
これに対してはファブニーズのほうが眉をひそめる。
「甘く見るなコカコーライス。上空からの攻撃は私も得意だ。
しかし勇者とともにいる魔導師の力は、決してあなどれん」
「もちろんそれは考慮しています。
ですからこそ、我々は今の今まで事態を静観していたのでございます」
「それはどういうことだ?」
「お気づきになりませんか? これから勇者一行が向かう場所が」
コカコーライスのひとことに、ファルシスはすぐに視線を下げてアゴを押さえた。
「……山岳地帯かっ!」
「そう、ああいった不安定な土地柄では、勇者たちは思い通りに動くことはできないでしょう。
そうなれば空中を飛翔する我々のほうが圧倒的に有利です」
感心してうなずくファルシスをよそに、ファブニーズがいぶかしげな視線を向ける。
「私の話を聞いていたか?
作戦を立てるのなら、勇者の弱点を考慮したものでなければ許されんぞ」
「それも承知しています。まずはもっと詳しいお話をお聞かせください。
作戦の見当は付いておりますがより慎重に練る必要があります」
そこまで聞いて、ルキフールもさすがに首を縦に振らざるを得なかった。
「いいだろう。そこまで自信があるのなら任せよう。
ただし与えられるチャンスはそれほど多くはないぞ」
「お任せあれ」
巨大な鳥のシルエットは羽根をしまい頭も下げた。
そのドアはいつも乱暴に開かれる。
「帰ったぞっっ!」
光の中から現れるのはむさくるしい男、ではなくそれとは対照的な姿、どこかはかなささえ感じさせる少女と言ってもいいくらいの、若く美しい女性だった。
しかしその印象はすぐに台無しになってしまう。
その片手には血まみれになった鳥が3匹もぶら下がっているからだ。
女性は室内をズカズカと進んでいく。粗暴な態度ではあるが、見た目の印象のためかいくぶんかわいらしくも見える。
彼女のいる場所は食堂らしく、そばにはテーブルがあり客が座っているが、見慣れている光景らしくちらりと一瞥するだけで気にもとめない。
「今日の収穫だ。料理にでも使っておけ」
女性はカウンターの前まで進むと、奥にいる立派なヒゲを生やした中年に鳥を差し出す。
相手がコップを磨きながら女性を見るや、すぐに目をコップに戻す。
「『ムッツェリ』。
食材を提供するんだったら裏口から入れ。お客さんたちが気分を害する」
「そうか……」
女性は口だけを動かし、微動だにしない。
仕方なく店主が鳥を受け取ると、すると女性は前後にツバの長い帽子をとり、セミロングのウェーブがかった髪をゆさぶる。
化粧をしていないにもかかわらず、初めて見るものであればすぐに魅了されてしまいそうな容姿だが、店主は全く見ようともしない。
むしろうっとうしいと言わんばかりに口を開く。
「お前、話は聞いてるんだろうな。例の一件だ」
「ああ、聞いている。まったくわたしも大した役を引き受けされられたものだ。
勇者だか何だか知らないが、もったいつけた連中がわざわざこの山を登りに来るというもんだから、聞いてあきれる」
かなり不謹慎なもの言いに、店主はあたりをうかがいながら少し顔を寄せる。
「発言には気をつけろ。
世の中の未来を託されてる、彼らの悪口を許さない奴だっている」
「知ったことか。わたしは山暮らしだから世の中のことなんて関係ない。
それよりこんな険しいところにわけいらなきゃいけないほど、連中は急いでいるのか?」
真顔で言うムツェリに、店主は「まるで人ごとだな」とつぶやく。
「お国の政治体制が変わったことにも興味がないみたいだしな。
魔王軍がやってきてこの地を荒らしまわってもお前さんには関係なしか」
ムツェリはそれを無視して入口に振り返った。しかし最後に少しだけ店主に振り返った。
「そうでもないさ……」
店主はけげんな顔をしたが、彼女はそれを確認することもなくそそくさと店を立ち去って行ってしまった。
「それにしても、あっという間だったなぁ」
酒場で昼食をとる一行。
コシンジュが頬張った肉を飲み込んで、見上げるようにしてつぶやく。
「まったくですね。
あれからホスティ隊長が現れて、王様を取り囲んであっという間に捕まえてしまいました。
貴族たちもああなってしまってはさすがに手が出せませんでしたね」
感心するロヒインに続いて、イサーシュも同じ調子で言う。
「それにしても、さすがはヴィーシャ姫だ。
あのあと騎士たちをまとめ上げ、次から次へと事態を収拾していった。
さすがはというところか、いや、あれこそが彼女の本当の姿なんだろう」
それを聞いたコシンジュが、テーブルにあごをついてため息をつく。
「ああ、もうこれでヴィーシャ姫ともお別れか。
短かったような、長かったような……」
「……な~に言ってんのよ。まだあいさつが済んでないでしょ?」
全員がおどろいて声のする方を向く。
メウノがおどろいて「ヴィー……」とまで叫びかけてあわてて両手で口をふさぐ。
そして押さえた声で呼びかける。
「姫さま! いったいこんなところで何をしてるんですか!?」
「なにって。あんたたちこそ黙って街を出て行っちゃって、お別れのあいさつもなし?」
あきれた表情で腰に手をやるヴィーシャは、見るとコシンジュ達が散々見慣れた盗賊の服装をしている。
短いマントについているフードをかぶっているおかげですぐに身元が割れる心配はない。
ヴィーシャはとなりのテーブルから椅子を拝借すると、コシンジュとイサーシュのあいだにそれを置いて腰掛けた。
「あ、あの時はなんだかいそがしそうにしてたから。なかなか会えなかったし……」
「ホスティやタークゼに面倒事を押し付けられそうな雰囲気だったからな。
早々に逃げてきた」
コシンジュは申し訳なさそうに、イサーシュは平然と言ってのける。
ヴィーシャは足を組み、背もたれにヒジを乗せて首をひねった。
「それが言い訳になると思う? なんて冷たい連中」
「姫さまはこの国のしかるべき地位にあるお方。本来でしたら我々との関わりはあまり持たれないほうが賢明です。
あまりお忍びで出てこられても、というより公務はどうなされたんです?」
ロヒインの問いかけに、ヴィーシャは片手をひょいと上げた。
「ああ、それならアタシはもうお払い箱よ?」
「「「「お払い箱?」」」」
全員が問いかけると、姫はそのまま肩をすくめる。
「そう。もうアタシ、ただの一般人だから」
「もう王制が廃止ですか、おどろきですね。
父君が失政で幽閉されると聞いてありえると思っていましたが、まさかこの早さで実現するとは……」
ロヒインが上ずった声をあげると、ヴィーシャは少しさみしそうな笑みを浮かべた。
「まあ、アタシもあんな奴の血を継いでるからね。
血縁者が全員責任をとるのは当然のことだと思うわ。それよりも……」
「それよりも?」
オウム返しするコシンジュに、ヴィーシャは真面目な顔を向けた。
「完全に議会制に移行するのなら、王家の者がかかわるのは危険よ?
それじゃ大勢の信者がついて、王家が治めるのとなんの変わりもない。国の体制が変わったとアピールするには、前の体制を払拭するしかない。
これはアタシだけの一存じゃなくて、国全体が決めた特記事項よ」
「王政を払拭、ねえ……」
特権政治にこだわるイサーシュのぼやきをよそに、メウノが問いかける。
「ですが、それで大丈夫なんですか? 今頃国政は大混乱でしょう?
誰がリーダーシップをとり、この国を治めるというんですか?」
するとヴィーシャはおもむろに人差し指を突き出し、あらぬ方向に目を向けた。
「ああ、それならとっておきの奴がいるわよ?」
場所は打って変わって、ランドン王国の首都・ミンスター。
「ベロンの代理君主!? 私がですか?」
おどろいた声をあげたのは、評議員のノイベッド。
対する国王マグナクタ5世がこっくりとうなずく。
「その通りだ。そなたの力で、ベロンを誰でも政治に参加できる国にしてやってほしい」
いつもは冷静沈着なノイベッドも、これにはさすがにあわてた調子になる。
「ちょっとお待ちください。わたくしはもともと技術士官。
技術開発には自信がありますが、混乱する国を治めるには向いてません。人付き合いが苦手ですから」
「では問うとしよう。今のベロンに足りない物は何かね?」
落ち着いた調子の国王に、ノイベッドもふと考え込むようにアゴに手を当てる。
「何もかも足りません。ベロンは我が国に比べ、前時代的な暮らしを送っております」
そこで何か思いついたように顔をあげた。
「インフラ……ですか?」
「その通り。それこそそなたの専門分野だ。
我らの文化が魅力的に映るためには、まず視覚的な分野での改善こそが望ましい。
そなたにはまず王都ベロンの都市整備を行ってもらう」
「確かにその方がよいでしょう。
ですがそのためには、数多くの技術者、職人が必要になります。人材は足りているのですか?」
「なに、人が必要だというのならいくらでも連れていきたまえ。
ただし期限付きだ。それも指導力に長けた者だけに限る」
「なるほど、技術指導ですか。
たんに街を整備するだけでなく、現地の人々にそういったノウハウを徹底的に叩き込むわけですね?」
「技術者たちなら君も手なずけるのは得意だろう。
彼らを通して、ベロンの人々に我が国の素晴らしさを見せつけてくれたまえ。ひとたび魅了されれば、いずれ議会制の素晴らしさにも気がついてくれるはずだ」
ノイベッドはしばらく逡巡したあと、仕方がないと言わんばかりの表情でうなずいた。
「了承しました。
そのかわりと言ってはなんですが、現地では相当の抵抗運動が予見されます。
わたくしに対処しきれるとは思えませんので、その時はご助力お願い申し上げます」
「もちろん、我らとしてもそのつもりだ」
王様はこころよくうなずいた。
「へえ、あの頭でっかちの評議員がねえ」
イサーシュが感心した表情になると、ヴィーシャは両手を広げて息巻いた。
「あいつなら適任よ。
大抵の罵詈雑言なんかスルーだし、一度決めたことはどんな非難にあったって決して曲げない。彼を止められるのはランドンにいる王族だけ」
「そのために彼と通じていたんですか?」
ロヒインが疑い深い視線を向ける。姫は平然とうなずいた。
「そう、もし革命が成功して議会制を導入することになったら、それに精通した人材が必要になると思ってね。
前から彼に目をつけていたの。まさかここまでとんとん拍子に進むとは思わなかったけど」
「そう言うわりには、あいつから家の物盗もうとしてたじゃねえかよ……」
コシンジュがいぶかむ視線を送っても、元王女は平然と腕を組む。
「それとこれとは話が別! まあ、結局は見当違いだったんだけどね」
「どういう頭の構造してんだよ。
ってそうだ、ベロンの政治はあいつに任せるとして、お前はどうするんだよ?」
コシンジュは言いながら、突然立ち上がって両手でテーブルをたたいた。
「まさか国外退去っっ!?」
「ちょっとっ! 大声なんか立てたら怪しまれるわよ!」
あたりをうかがいながらなだめるヴィーシャに、コシンジュは申し訳なさそうに椅子に座りなおした。
それを確認した彼女は冷静にアゴをついた。
「まさか。アタシはむしろ革命の扇動者なんだから、おとがめなんかないわよ。
だけど……」
「だけど?」とメウノは問いかけるが、ヴィーシャは誰の方向も見ずに告げた。
「アタシはもともと、この国を出ていこうと思っているの」
「行くあてでもあるんですか?」
メウノがもう一度たずねて、初めてヴィーシャは彼女の方向を向いた。
そして不敵な笑みを浮かべ、人差し指を突き立てた。
「アタシ、『トレジャーハンター』になることにしたの!」
「「「「トレジャーハンター?」」」」
全員が一斉に声をあげる。何人かは首をかしげた。ヴィーシャは言葉に詰まった。
「あ、ひょっとしてみなさんご存じない?
トレジャーハンターっていうのは、世界じゅうのお宝を求めて旅をする人のことなの。
ほら、ノイベッドが古代の遺物とか探してるじゃん。アタシああいうの見てもさっぱりわかんないけど、ああいうのを探してみるのも悪くないかなって思って」
ここでため息をついた者がいた。
イサーシュは腕を組み、憮然とした顔でヴィーシャを盗み見る。
「なんだ、なにかと思えば盗賊の亜種か」
「亜種ってひどいわね亜種って。
いいじゃん、別に古代の遺物なら誰のものでもないからワアワア言われたりなんかしないわよ」
不服そうに反論するヴィーシャに対し、メウノからも声が上がる。
「お目当ての品が遺物とはいえ、探索をする土地の所有者、あるいは属する国が何かを言い出すかもしれません。
それに持ち主の子孫がいた場合返却を求められますよ?」
「そんなことやってみなきゃ分からないじゃない。
ちゃんとしかるべき措置をとるわよ。もうコソ泥じゃないんだし」
「仮に所有を主張する人物が現れなかったとしても、場所によっては持ち主のなきがらが見つかる可能性もありますよね。
だとしたらそれは亡くなった人のもの。それを勝手に持ち去るなんて、いささかバチあたりのような気もしますが……」
「なによぉ、ロヒインまでそんなこと言うの?
まったくどいつもこいつも頭でっかちよね」
ヴィーシャが腕を組んでふてくされていると、コシンジュは口を開いた。
「いいんじゃないか?」
4人の目が一斉にこちらに向けられる。コシンジュはあっけらかんとしてうなずいた。
「人の物を盗むのが悪いことなのは、相手を不幸にするからだ。
ヴィーシャは義賊だけど、いくら相手が悪人だからと言って盗みゃいいってもんじゃない。
だけどれっきとした持ち主がいない物だったら、別に道ばたのものを拾ったようなもんだし」
「コシンジュ……」
感動するヴィーシャにうなずくと、コシンジュは笑って両手のこぶしをにぎった。
「それにオレ、なんだか聞いててワクワクするし!」
「あっ! わかるわかるっ!
いやぁ、やっぱり冒険好きはわかってくれるわ~!」
「あ、コシンジュが共感した」
普段ではありえないくらい2人が手に手を取り合っている姿を見て、ロヒインが少ししらけた表情になった。
するとコシンジュが少しだけ顔を向ける。
「ていうかお前ら、なんでトレジャーハンター知らないんだよ」
「ああ、きっとRPGじゃマイナーな職業だからよ。
まったく、そっちの話だったらすぐに乗ってくれるのかと思ったら意外と無知ね。
物知りだと思ってたけどロヒインとメウノにはがっかりしたわ」
少し機嫌を悪くしたロヒインとメウノの横で、イサーシュが頭を抱えた。
「もうわけがわからん……」




