第34話 運命の日~その2~
勇者パーティーの集合から3日後。
ゾドラ城最上部にある大帝の塔の謁見室は、数多くの人々が整列していた。
右側に軍やその関係者。左側は官僚が列を並べる。
右側の先頭に立つのは、晴れて宰相となった鎧姿のマージ。
久々にまとった黒鋼の鎧は重々しく、マージはしきりに身じろぎしている。
ふと横に目を向けた。
玉座を取り囲む者たちは、すべて魔族となっている。
筆頭の魔王ファルシス。その横に人の姿をとった竜王ファブニーズ。
反対側には赤い鎧をまとったデーモンの長ベアールと、信じがたいほど露出度の高い衣装をまとったスターロッドの姿があった。
もっともスターロッドは今日が式典であるためか、通常とは違い少し複雑な意匠をこらしたものになっている。
首のうしろには派手な扇形の飾りがついている。
「それにしても、見るも恐ろしい光景ですな。
改めてこの国が魔王軍に乗っ取られたことを痛感させられます」
マージは横目を向けた。
数多くの高等軍人の死去によりくりあがった武官は、口の端を吊りあげてこちらに話しかけてくる。
「そして、あなた様は人間としての最高の地位についた。
皮肉なものです。かつて少数民族として迫害の対象とされてきた部族の出身者が、この国の一切をしきれる立場に躍り出られたのですからな」
マージは顔を向けぬまま努めて冷静に声を発した。
「このような場所でよく言えたものですな。
前大帝陛下は身分によらず才覚で臣下を集めてまいられたお方。
私のような出生の者でも、陛下は分けへだてなく公平に扱ってくださった。
ファルシス殿下はそれをそのまま引き継いで下さっただけのこと」
「どうでしょうな。ファルシス殿下は実情をわかっておられぬだけではないのでは?
人でない身からすれば、人間などどれも同じようなものですからな」
「逆でしょうそれは。
魔族からすれば、人がそれぞれ特徴がちがうからと言って、たがいに差別し合うことこそ醜いもの。
それを殿下はよく理解していらっしゃるのでしょう」
まごう事なき正論をぶつけたマージに対し、武将は全くひるむことがない。
「調子に乗らないでいただきたいですな。
いくら有能とはいえ、辺境に住む少数民族の分際で代々軍人を務めてきた生粋の名門貴族である私に、ケンカを売らないでいただきたい」
「喧嘩を売って来たのはそちらでしょう。
第一あなたのおっしゃられることには根拠がない。
私からすれば、あなたは単に私や殿下方に対し、差別心むき出しで敵意を口にしているだけでしょう」
「調子に乗るなタワケがっっ!」
由緒ある式典にかかわらず、相手は声を荒げてこちらを向いた。
「なぜこの私が、お前や魔王のような奴らの下につかねばならんのだっっ!
黒い肌や闇の住人の分際で、我ら生粋の武門の風上に立つなっっ!」
「聞き捨てなりませんなぁ!」
マージも抵抗して向き直った。
その瞳が、まっすぐ相手の視線を貫く。
「私はともかく、殿下をそのように言うのはおやめいただきたい。
我ら少数民族と同じく、魔界の出身者を悪く言うのは、もはやただの差別なのですぞ!」
相手の鋭い目にやられ、たじろいだ武官の横に黒騎士たちが現れた。
「大事な式典で騒ぎを起こされるのは困ります。
もしお気を悪くされているのであれば、このまま退席といたしましょうか」
騎士に言われ、武官は「このけがれた者どもめっっ!」と吐き捨てながら退出していった。
後ろにいた武官たちが声をひそめてつぶやく。
「せっかく大出世したのに、これじゃ元のもくあみですな」
「いや、あれでいいのかもしれんぞ?
新陛下に不満を持つのであれば、この先無理してついていってもムダなことだ」
マージはしらけた気持ちでそれを耳にする。
そう言う彼らのほうこそ、帝国の新しい支配者にどこまでついていけるかどうか。
それを見ていたベアールがスターロッドに耳打ちをする。
「これ、前途多難ってやつじゃないか?」
肩から上が華美な装飾でおおわれたみじかいマントに、それ以外の部分も装飾をはおった衣装を着たスターロッド。
腕を組むと胸の谷間が強調される。
「そうさな。
大帝クリードグレンにかき集められた軍人には優秀な者が多いが、ほかにももともとは大陸各地で王侯貴族の地位についていた者たちもかなりおる。
大帝を恐れいち早く恭順を示し、5人の権力者が支配していた時は地方に左遷され肩身の狭い思いをしていたりしていたのじゃが、そのおかげで今も健在というわけじゃ。
我らが多くの汚職軍人を成敗したことで繰り上げ式に出世しておるようじゃが、さてはて、それも我らの新体制のもとでいつまでもつのやら」
それを聞いたベアールの複数の穴のあいたヘルムが、首をかしげながらもうつむく。
「さっき部屋を出てった軍人、けがれた者っていっただろ。
あれって俺らのことをさすんだろうけど、ひょっとしてマージのことも指してるんだろうか」
スターロッドが感心した表情を向けた。
「ほほう、お主他者の心配しておる余裕があったのか?
殊勝なことじゃな」
「そうでもねえよ。正直、あいつの言ってたこと、すっごく傷ついてる。
やっぱり俺らって、あれだけのことをやってても信用されねえのかな、って。
それもそうだけど、おれらと人間の橋渡しを任されたマージも、肩身の狭い思いしてんじゃねえかって」
そう言って彼のほうを見上げると、スターロッドがニヤリとした。
「心配するでない。マージはああ見えて、面の皮が厚いからな。
それに我らとて、時間はかかるじゃろうがいずれは絶大な信用を得ることができるじゃろう。
もっとも本当にそうなるかどうかは我らの努力次第じゃがな」
美しいダークエルフは、保護者のような目でファルシスのほうを見る。
対面するその風貌はたとえ豪奢な衣装を身にまとわなくとも、絶大な威厳を保ち続けている。
横にいるファブニーズのそばに一般兵士が駆け込んでくる。
耳打ちされた彼はすぐにこちらに声をかけてきた。
「スターロッド、時間のようだ。みなに号令を」
うなずいた彼女は、集まった参列者たちのほうを向く。
そして背筋を伸ばして片手を斜め上にあげ、「整列っ!」と叫んだ。
大帝国の規律により統率された人間たちは私語を一切やめてまっすぐに並び立つ。
スターロッドはいまいちどうなずく。
「みなの者っ! 今日はこの晴れの日によくぞ集まってくれたっ!
これより新大帝の就任と、その婚姻を同時にとりはからう式典を開始するっ!
一同、敬礼っ!」
「「「「この晴れの日に参列できたこと、我ら一同心より御礼申し上げます!」」」」
きれいに声を合わせたあと、いっせいにみなが敬礼する。
軍人たちは胸に拳を当て、官僚たちは胸に手を建てて腰を曲げた。
うなずいたスターロッドの「扉っ、開けいっ!」の声で、奥にある両扉が開かれた。
奥の光の中から、2つの人影が現れた。
中央にいるのは、全身を純白のレースに包んだエンウィー姫。
手には鋭い先端がいくつも並んだ王冠を乗せた赤いベルベッド生地の台座を手にしている。
横にはその侍従であるエルゴルの姿があった。もっとも彼はデーモンとしての正体を明かしており、いままで魔法で隠していた角と翼をあらわにしている。
ドレスからのびる長いレースを引きずりつつ、2人はゆっくりと赤い絨毯を歩いていく。
その足がファルシス達の立つ段上の手前で止まり、ゆっくりとひざまずいた。
エンウィーは薄手のレースに包んだ黒髪をぺこりと下げた。
「こたびは、新大帝就任、おめでとうございます。
前大帝の末子、エンウィーが心からお喜び申し上げるとともに、わたくしよりこの大帝の王冠を贈呈いたします」
横に伸びる小階段を、ファブニーズを引き連れて降りていくファルシス。
だが彼女の前で立ち止まったとたん、片手を少し上にあげた。
「ここで少し発表がある。
実は、余にその王冠をかぶる意思はない」
エンウィーが顔をあげ、「え? あ……」とつぶやいた。
指をさすファルシスの頭には、ゆるやかなカーブを描く2本の角が生えている。
これではうまくかぶることができない。
「それはご配慮いたしかねました。
ですがせめてお受け取りするだけでも……」
「そうではない。
余が言いたいのは、王冠をかぶるべき者は別にいるということだ」
するとファルシスはあろうことか、自ら王冠をとり上げた。
エンウィーはあせった。
「な、なりませんっ!
殿下自らがそれをお取りになるな、ど……」
エンウィーの言葉が、途中で止まった。
彼女のレースに包まれた頭の上に、ファルシスが手にした王冠が乗せられたのである。
「新大帝、エンウィー。
ご就任まことにお喜び申しあげる」
エンウィーは固まったまま、「え……あ……」とつぶやき続ける。
横からそっとエルゴルが台座をとり上げると、彼女は戸惑いのあまり亡き父がつけていた王冠に手を触れる。
「そ、そんな……なぜ、このわたくしに……?」
「ふふっ、似合っているぞ。
余はあくまで魔王。2つの称号など必要ない。
大帝の座は、娘であるお前がつけばよい。
お前が女帝として君臨すれば、帝国民もそれを認めざるを得ないだろう」
「ですがそれでは殿下は?」
エンウィーは訴えかける目でファルシスを見上げるが、魔王は不敵な笑みを浮かべた。
「余はその帝国を含めた、すべての世界の盟主として君臨するのだ。
これならばお前も文句はあるまい?」
そう言ってファルシスは横に退くと、後ろに控えていたファブニーズが片手で玉座を指し示した。
「さあ、前へ。
あそこへ座り、みなにその威光をお示しください」
エンウィーは言われたままに立ちあがり、段を上った。後ろではエルゴルが長い裾を持ち上げる。
ゆっくりと振り返ると、数多くの臣下があ然としてこちらを見つめる。
エンウィーは委縮しつつ、尊敬していた父が座っていた玉座にそっと腰を落ち着ける。
裾をかかえたエルゴルがそっと横についた。
「なるほど、うまく考えたなファルシス。
これならば人間どもも文句はあるまい。ルキフールも真っ青な戦略じゃな」
満足げな笑みを浮かべたスターロッドが、ふたたび厳粛な顔に戻りまっすぐ片手をあげた。
「新陛下、エンウィー女帝の誕生であるっ!
みなの者、整列っ!」
眼下の臣下たちが、いっせいにこちらを向いた。
スターロッドの「敬礼っ!」の声で一同がきれいに動作を合わせた。
「「「「女帝陛下、我らは身命を賭して、陛下のために誠心誠意を尽くしまする!」」」」
その顔に、どれも不服の色は見えなかった。
どちらかと言えば安堵している者も多い。
横に着いたファルシスが耳打ちする。
「さあ、声をかけよ。女帝としての最初の仕事だ」
エンウィーは戸惑いの顔をハッとさせ、立ち上がって片手を上にあげた。
「みなのものっ! 大義であるっ!
不肖ながら、我は新大帝としてここに起つっ!
諸君はこれからも帝国の発展のために、全霊を尽くすのだっ!」
全員が「ははぁっ!」と言ってもう一度敬礼をした。
それを見たファルシスが満足げにうなずく。
「うむ。それでこそ大帝の娘だ。
さすが余の妻となるべき、なるべき……」
言いながらファルシスの青白いはずの顔が赤くなり、口ごもる。
それを聞いたエンウィーもまたそっとうつむいて顔を赤らめる。
スターロッドがあきれ顔でつぶやく。
「まったく何なんじゃお主らは。
そんなに夫婦になるのが恥ずかしいのならもう少し時間をおけばよいではないか。
出会ってまだ一ヶ月くらいしか経ってないというのに、唐突に婚姻を決めよって……」
「い、いや、これでいいのだ。
どのみち妻にめとるのなら、早かろうが遅かろうが同じことだ。
それに我らの婚姻は、こ、国民へのアピールになることだし、な……」
ファルシスがありえないほど取りみだしている。ここまで焦るのは本当に珍しいことだ。
よほど相手が気にいったと見える。
そのことに安堵しつつも、これを周囲に見られるのはまずいと思い、スターロッドは前に向き直って手をまっすぐあげた。
「ついてはこれより本塔の上層階にて、我ら3魔族筆頭立ち会いのもと、魔王・新大帝の婚姻式をとり行う!
事前に通知した者は両陛下退出ののち階段前に集合すること! それ以外の者は解散とするっ!」
上層階の広間にて、ファルシスとエンウィーはもじもじしながら結婚指輪をお互いの指にはめる。
立会人は僧侶ではなく、スターロッドを中心とした3魔族の筆頭が務める。
形式だけでも神前式にしたほうがいいという意見もあったのだが、神々と敵対している身ではかえって不敬ではないかという意見に結局落ち着いた。
「まったくなんなんじゃもう。
初々しさ全開でそういう態度をとられるのはうんざりじゃ。
で、誓いの接吻は我ら後ろを向こうか?」
スターロッドが髪をかきあげながらため息をつくと、ファルシスが「大丈夫だ」と言ってあわてて首を振った。
そして王冠をかぶるエンウィーのレースを外し、どちらともなく顔を近づけた。
「なんじゃお主ら、あれだけあたふたしておいて、あっけなく口づけをかわしよって。
ひょっとして前からしておったな?」
言いつつもスターロッドは前に向き直って大きくうなずいた。
「まあ良い、これで婚姻式もめでたく無事終了じゃ。
2人は晴れて夫婦の契りをかわした。もはや誰も異存はあるまい」
目の前にいた重臣たちの中から、拍手が上がる。
その中には軍部総大将のマージの姿もあった。彼の拍手はひときわ大きい。
式が終わるとそのまま食事会となった。
各々白いクロスが敷かれたテーブルに座り、この日のために用意されたここぞとばかりのごちそうに舌つづみを打つ。
マージもファルシス達とともに談笑しながらステーキ肉を口にしていたが、突然広間の入口があわただしくなる。
「お待ちくださいっ!
このような席に勝手に乱入されては困ります!」
「うるさいっ!
もともと私もこの会に呼ばれていただろうが! 上がらせてもらうぞ!」
肉を飲み込んだマージが振り向くと、先ほど口論の末就任式前に出て行った例の高等武官だ。
彼はマージの目の前まで着たとたん人差し指を突きつけてきた。
「おいっ! たったいま話を聞かせてもらったぞっ!
貴様、我らの目を盗んでひそかに勇者どもに会いに行っているらしいなっ!」
「食事中です。ツバをまき散らすのはやめていただきたいですな」
マージの言うとおり、周囲にいる魔王の臣下たちは眉をひそめている。
「ふざけるなっ! 貴様ゾドラ軍人としての敬意を忘れたかっ!
奴らは北の人間だぞっ!
援助などせず、通報して捕らえさせるのがスジというものだっ!」
やはりそう来たか、と言いつつマージは立ち上がり、相手の目の前に立った。
かなりの至近距離で毅然とした態度をとっているので、相手の方がおじけづく。
「な、なんなのだ……」
「これは魔王殿下、並びに大帝陛下も了承済みの事項ですぞ。
もし勇者どもに何かがあれば、我らは北の連合のみならず天界の神々をも敵に回すことになります。
貴殿はそのような強大な存在を相手にして、帝国が存続できるとお思いですかな?」
真っ向から正論を突きつけられ、武官は目を泳がせつつ、退出していった。
マージはため息をつきつつ席に戻ると、横にいたベアールが話しかけてきた。
「まあそれはいいとして、あんたコシンジュ達とコンタクトとりすぎじゃないの?
ま、気持ちはわかるけどさ」
「いえ、おっしゃる通りです。
ですが私が気にかかるのは、コシンジュ達の方ではなく、彼らと行動を共にしている少女のことですよ」
言うとベアールはコン、と装甲に包んだ手をたたいた。
「ああ、最近できたコシンジュの彼女のこと?
たしか前はふもとの町で少女、売春とかいう……」
ベアールがいいかけて前に向き直った。
素顔は見えないが、おそらくなにかに向かってにらみつけていると見える。
スターロッドもそれを見て眉をひそめた。
「許しがたきことじゃな。
あろうことか子供相手に欲情するどころか、それを商売にして食い物にするとは。
女のはしくれとして虫唾が走るわ」
「ゆゆしき事態です。そして旧政権はそれを見て見ぬふりをしていた。
こういった組織はすべて壊滅させるとともに、犠牲となった少女たちを保護し、入念なケアを施さねばなりません」
同じく顔色を曇らせるマージに、スターロッドはうなずいた。
「うむ、しかるべき人物を担当に据えよう。
マージ、忙しくなるところすまないと思うが、お主にも協力してもらうぞ」
マージが深くうなずくと、ベアールが両手を組んでそれに兜のアゴを乗せた。
「それにしてもコシンジュ君に彼女かぁ。
マセた子だとは思ってたけど、最近の若い子は早いねぇ」
「一度会ったきりだというのによう言うわ。
数日間行動を共にしたわらわのほうがよくわきまえておるぞ。というか惚れられておるから当然じゃな」
「コシンジュって本当に女の子大好きなんだなぁ。
俺も一度真剣に話し合ってみたいもんだ。
そしたらバアさんの言う『おもしろい奴』の意味がわかるかもね」
「なんじゃ、お主あのイサーシュと言う小僧にはもう興味なくなったのか?」
挑発的なスターロッドの視線に、ベアールはあわてて手を振った。
「んなわけないない。俺はあいつのことも気がかりだよ。
あの少年が、これからどういった剣士に育つのかも楽しみだしね」
口をつけたワイングラスを置いたマージが小さく首を振った。
「あまり彼らに興味を持たれるのも困りますな。
彼らはもうすぐパンカレを去ります。
そうなればいずれは北の連合に加わり、我ら南の連合と敵対することになるやもしれませぬ」
それを聞いて両者が口ごもる。
スターロッドが眉を寄せて問いただす。
「一度あいさつしておきたいのう。
奴らはいつ『ねぐら』を発つのじゃ?」
「それ、俺も気になる。
嫌われるかもしんないけど、一度ちゃんとお別れしたいんだよね」
「ええ。
なんでも彼らによると、あす行われる殿下と陛下の祝賀パレードを見学してからにしたいとのことです。
なんでもクリサちゃんたっての希望だとか。
内心は複雑でしょうが、コシンジュ達も同行したいと言っているようです」
「なるほど、そうなるとお忍びってことか。
パレード中に会えないのはちょっとさみしいな」
「そう言うなベアール。奴らに会うのは終わってからでよいではないか。
そうだ、ファルシスの奴もこっそり連れ出そう。
あやつに会ったら、コシンジュの奴なんというかのう?」
「ひっでえ!
バアさん、あんたどんだけ意地ワルなんだよ!」
言いながらマージとともに笑うベアール。
スターロッドもつられて笑いつつ、そばにある別のテーブルにて歓談するファルシスとエンウィーを見た。
これからやってくるであろう甘い日々をまったく疑わない姿を見て、スターロッドの笑みもおだやかなものに変わった。




