バレンタイン
「はい、これ、あげる!」
え...
誰?ちょっと...あ、行っちゃった...
なんだろうコレ?
...あ、今日2月14日...?
これ...チョコ?
...今のコ、結構カワイかったよな...
何組のコだろう...
...いや、あれ、やべ、キタかおい、
もしかして、俺にもよ、モテ期がよ。
やべえドキドキする。
じゃあ、コフン。
さっそく開けてみるかな...
...あれ、おはぎみたいな感じだけど...お彼岸?
あ、でもチョコなんだね。うん。
チョコでもち米をコーティングしているんだね...
うんうん。いいセンス、いいセンス......
うーん。
あ、メッセージカード?
え、あ、なんか古風な感じで、
ちょっと、これがトキメキか、おい?
こがらしが吹きすさびます
ロンリーハートなこのじき
酢飯を冷ますがごとしで
ぞくぞくします
うーん。
...意味が解らない。
木枯らしに酢飯って...
あ、もしかして縦読み...?
「こロ酢ぞ...
...殺すぞ?!」
ひっ!
青酸カリ?亜ヒ酸?パラコート?
「あなた...鈴木(祐)さんですよね...」
「え、あ、さっきの...」
「これ、返してください!
私があげたかったのは6組の鈴木(勇)さんで
9組のアナタじゃないんです」
「え、あ、そうなの?」
「メモで6の下に線を引いておかなかったから
9と間違えた私もいけないケド、
そのツラでチョコ貰えるとかちょっと自分で有り得ないとか
思わない鈴木(祐)さんもどうかと思います...」
「え、あ、いや...ええええ?
でもそのメッセージ...」
「メッセージ見たんですか?ヒドイ!
個人情報保護法違反じゃないですか?!
酷すぎる!じゃあもしかして
私の秘密のメッセージも」
「あ、うーん...」
「末尾を縦読みで『好きです』って」
「あ、そこ?」
「ヒドイ!酷すぎる!
昔の人はいいました!
ヒトの恋路を邪魔するものは豚に喰われて死んじまえ!と!!
紛らわしい苗字に紛らわしいクラス!
なんでそんなに私の恋を邪魔するの?!なに?なに?
...あ、もしかして私に気があるの?」
「え、あ、えーと...。いいです...。
鈴木(勇)さんとの恋の成就を心から応援します」




