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トゥ トラスト 十話 人形の意思

♂3♀1不1

茜(♀)

ガルバ(♂)

アルフレード(♂)

テトラ(♂)

ブルーノ(不)



須藤茜

元気で勝気で行動力のある馬鹿。時としてその判断が正解を生むこともあり、嫌われたことがない。高校二年生になったばかり。

ブルーノにより誘拐され、ブルーノによって操られている。


ガルバ

幻像世界では王位継承者であり、軍人。責任感が強く堅物。本名はガルバ・アルテミス・セルバート。

階級は大佐。王家の重圧に耐えながらも軍人として頑張っているが、それが逆に自分の首を締めていっている。


アルフレード

幻像世界の基地に駐在している医者で、ガルバとは同期。25歳。女性に優しく男性に厳しい性格元々軟派な性格で、医者家系でなければ教員になりたかったため茜には誰よりも優しい。


テトラ

ミシュテラン国第二王子、茜の誘拐を命令した人物。手に入れるためなら手段を選ばないわがままな性格の持ち主。年齢は不詳。


ブルーノ

最初しか出てきません。ミシュテラン国第三王子、人を操って遊ぶ趣味がある。転移魔法とらんすに長けている。少し歪んだ少年。年齢は不詳。







テトラ「調子はどうだい?」


茜「……」


テトラ「ブルーノがいないとお人形さんだね、口うるさいのは嫌いだが少女ありすは魅力的だ。いっそこのまま貰ってしまおうか……それも、ふっ、ふふふ…また、いいね。ねえ?少女ありす


茜「はい」


テトラ「ふっ、お人形さんと戯れるのは飽きない。時間を操れるようになってから何百年生きているか…少女ありす、君にはわからないだろう?わかるはずがない。何百年と生きて知ったことは世界は何も変わりはしないということ。ミシュテランの政策、飢饉、砂漠化…何一つ変わらない変えられない。ならばどうするべきか…違う人間を呼ぼうと思って修行を積んだ結果、君が来たんだよ」


茜「……」





茜「私が呼ばれた理由…。そんなことだったなんて…。セルバートを襲った理由も、私を呼んだ理由もこの人のワガママでエゴな考え方だったのね。ミシュテランの状況は私は見てないから知らないけど、話し合いでなんとかならなかったの?少なくとも日本はそうしてる。例え、虐げられようとも国民の生活のためにアメリカに頼ってる、輸入に頼ってる。分かり合えないってこと??わかんない…頭が。頭が痛い」





テトラ「少女ありす、君とガルバは魔力波形を一致させてる。それはね、君たちが気持ちを共有するだけで出来ることなんだよ。セルバートはその研究に失敗しているから知らないかもしれないね。でも、ミシュテランに居れば研究を続けることが出来る。尚且つセルバートの王位継承者を手に入れられる。必然的にセルバートは戦争に勝とうが負けようがミシュテランの手に落ちるんだ。君のおかげで世界は変わる。だから、君は誰にも渡さないよ」


茜「……はい」


テトラ「ふっ、本音はどうなんだろうね」


ブル「テトラお兄様、お待たせしました。準備は完了です。いつでも…」


茜「……来ました……」


ブル「楽しみだね、茜?」


茜「……はい」


テトラ「そうか、役者はふたりの方が盛り上がりそうだから隠れていようかな。忙しい身でもあるし」


茜「畏まりました」




茜「来ないで。来ないでよ、ガルバさん…!!」




茜「……愚かな人」




茜「違う、こんなこと思ってないのに!!なんで!!私は、私は!!」




茜「……ふふ、楽しみ。楽しみね。楽しみだわ」




ガルバ「茜!!」


茜「……ガルバ……」


ガルバ「大丈夫か?怪我は……ないか?」


茜「愚かね、私はテトラ様とブルーノ様の人形・少女ありすなのよ?」


ガルバ「操られているのか…!!」


茜「そうとも言えるわね」


ガルバ「あ、茜…」


茜「狼狽えていると、傷つくのは貴方よ」




茜「体が勝手に!やめて!!やめてよ!!」




茜「えん!!」


ガルバ「防御魔法あみな!!」


茜「ふん、超えてやるわ!えん!!」


ガルバ「クッ!防御魔法あみな展開しつつ我に従え精霊せいれーんえん高等魔術、破壊火炎ぶれいく!!」


茜「防御魔法あみな!!」


ガルバ「くそ、ラチがない!!茜!!目を覚ませ!!私だ!!」


茜「無駄よ!!」




茜「やめてよおおおおおおおおおおお!!」





茜「ッ!!く、ううう…」


ガルバ「茜!!」


茜「ガルバさ、逃げ…」


ガルバ「お前を連れ戻しに来たのに逃げるものか!!」


茜「理性、保て…な…早く」


ガルバ「茜!!」


茜「早く…はや、く」


ガルバ「茜…私は…!」


茜「ッ………ふ、ふふふ…馬鹿ね」


ガルバ「クッ…」





ブル「危ない危ない」


テトラ「制御が甘いのではないか?」


ブル「あの小娘、自力で目を覚まそうとしたんですテトラお兄様」


テトラ「そこまでの魔力…ますます手放したくない」





茜「いっけえええええええええ!!」


ガルバ「避けきれなッ…ぐあああああああああああああ!!」


茜「えん!!」


ガルバ「があああああああああああああ!!」


茜「燃えろ、燃えてしまえ!!」


ガルバ「ああああああああああああ!!」




茜「いや、いや!!嫌だ!!!ウッ…意識が…景色が遠のく…い、や」




アル「ガルバ!」


ガルバ「……茜、」


アル「なんて傷…。まさか、茜ちゃんが…」


ガルバ「アルフレード。茜を責めないで、くれ」


アル「一体、何があったんだよ!!お前らしくないぞ!!」







茜「遠くでガルバさんの声が聞こえる。アルフレードさんも。私、何してるんだろう。何を…?」






ガルバ「…ルミナリエは?」


アル「…っ!……魔力、波形が消えた」


ガルバ「……ミシュテラン!!!」


茜「憎悪ですか?らしくありませんね、ガルバ」


ガルバ「それは、本音か」


茜「決まっているじゃないですか」


アル「ルミナリエが死んでも動揺しないってことは、まだ操られて、」


ガルバ「そこまで私を見ていたのだな」


アル「…ガルバ?」


ガルバ「アルフレード、そういうことだろう?」


アル「…間違いない、ね」


茜「意味のわからないことを!!」


ガルバ「(食い気味に)茜!!私はやっと決意できた。お前を好きだと!!」





茜「ガルバさん…本当に…?本当なんだ…。…私のことを…」






茜「ッ!く、…ガルバさ、ううう…」


アル「これは!」


ガルバ「いけるかもしれないな」


アル「茜ちゃん!!」


ブル「させないよ」


テトラ「やあ、セルバートの王子」


ガルバ「…ッ!!テトラああああ!!!」


ブル「無礼な奴め!!」


アル「どっちが!!」


テトラ「ぎゃあぎゃあ騒がしいよ。少女ありすは私たちが貰おう。君には不相応だ」


ガルバ「それは茜が決めることだ!!」


ブル「このっ!」


アル「させると思う??いくら時間を移動できても移動に長けていても物理的なもので拘束してしまえば意味がないのは検証済み


なんだよ!!」


ブル「クッ!いつの間に!!」


ガルバ「…茜、お前の声でお前の意思で聞かせてくれ」


テトラ「ブルーノめ、捕まりおって…」


ガルバ「茜!!」





茜「ガルバさん…私は…私は、やっぱり広瀬なんかじゃなくって貴方が…」




茜「貴方が好きです!!ガルバさん!!」


ブル「何!!操作を自ら解いただと!?」


ガルバ「茜!!手を!!」


茜「はい!!」


テトラ「クッ、ブルウウウウウノオオオオオ!!!」


ガルバ「ここで終いだ!!消え失せろ!!聖獣王せるばーと!!出てこい!!」


テトラ「悪いけど、私はまだ終わらんよ。その攻撃はブルーノが受けるのだからな」


ブル「ッ!お兄様?!お兄様!!何故僕を!!置いていかないでください!!お兄様あああああああああ!!」


アル「ッ!!!ガルバ!!」


ガルバ「喰らえええええええ!!」


茜「いっけええええええええええ!!」


ブル「嫌だ!!うわあああああああああああああああああ!!」








続く

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