小夜曲2、どうして?
【宛先:山姫殿】
【クエストクリアしました。】
そう、メールが送られてきたのは夜中の3時
今は、相手の部屋で営みが終わった
青年はスヤスヤと寝息を立てている 和は、服を着終え 食事用ナイフで心臓を一突き
しようとした所だ。
念の為に、ガラケーを持ち歩いていたため すぐにメールがくるのがわかった
行灯の光は消え、なにもない暗い部屋で手に持っていた携帯を便りにしている
「・・・・・」
意味がわからない
自分はクエストを終えていない、どうして?どうしてなんだ?
なら、他に協力者がいると?・・・・・
靴を履き、青年の部屋からひとまず出る。
窓から見る世界はとても暗く、より一層輝きを失ったようだ
電気はついていなく、携帯の光を便りに走る
クエストの発信履歴をたどれば・・・・・ほかの発信相手がわかるかもしれない
「はぁ・・・っはぁ!・・・・ッ?!」
誰かがろうかの向こう側を歩いてくるのがわかった
和は、心の中で舌打ちをし 近くの扉を開け 無人であることを確認し
ゆっくりと戸を閉めた
―――今は、3時15分・・・ほかにも起きている人がいたのか?・・・。
コツ・・・・・コツ・・・・・
コツ・・・・・・・・・・・・・・・・
止まった?・・・・
さっきから異様な匂いがする。と和は思い、袖元で口元を隠した
まるで・・・・血のような・・・・・腐臭のような・・・・・・・
ザザっ・・・・ズズ・・・・・・・
コツンッ・・・・・・
金属音がぶつかる音が足音とともに聞こえる
戸を少し開け、外の様子を伺う
―――その時、電気が一瞬点いた
チカっ、と乱反射するように眩しい光が廊下を照らした
和は、目を細めながらもう一度、見てみる
うそだ
嘘だろ?
どうして?
嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ・・・・ウソダッ・・・・・・
赤い鮮血に塗れ、血に塗りたくられた金属バットを持つ――――
ピエロがそこにいる