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5.泣いて怒った闇の森の魔女

 罠が、発動……

 罠。

 その言葉は、しばらくアンナ・アンリの頭の中を駆け巡った。つまり、それは、オリバー・セルフリッジが彼女に罠を仕掛けていた事を意味しており、同時に彼が彼女を騙していたという事でもあったからだ。彼女がその現実を受け入れられたのは、その混乱が治まった後の事だった。それはほんの一瞬のようにも、かなりの長時間のようにも感じられた。

 セルフリッジが言った。

 「僕はこれから、あなたを尋問しなければなりません」

 その言葉は、アンナには死刑宣告のように響いた。

 “尋問。そんな…… この人だけは、信じていたのに……”

 ワナワナと震える。それから彼女は思う。

 “許せない!殺してやる!罠だと? 闇の森の魔女を騙したその報いは受けてもらう。地獄の苦しみを与えた挙句に殺してやる。助けを乞うても無駄だ!

 殺してやる! 殺してやる! 殺してやる!”

 アンナはそれから、セルフリッジを睨みつけようとした。だが、その彼女の表情を見るなりセルフリッジはこう言ったのだ。

 「そんなに悲しそうな顔をしないでください。訳は、ちゃんと説明しますから」

 “悲しそうな顔?!”

 アンナは彼のその言葉を否定しようとしたが、実際に冷たいものを顔に感じた。いつの間にかに彼女は涙をこぼしていたのだ。それからセルフリッジは、彼女に向かって近づいていった。少しも彼女を警戒した様子はない。

 “何をする気だ?”と、彼女は思う。しかしそれから彼は、横たわった彼女の身体を優しく抱きかかえるとこう言ったのだ。

 「こんなに身体を冷やして、いったい、何をやっていたのです? あなたの身体はまだそれほど強くなってはいないのですよ?」

 自分を慮ったその言葉に、アンナは軽く混乱した。

 “今更、優しく接してどうするつもりでいるのだ?この男は”

 それから彼は、彼女をそのままベッドまで運ぶと、静かに寝かせ布団をかけた。彼自身は少し離れた位置に立つ。

 「どういうつもりですか?」

 アンナはそれから言った。

 「これから、尋問をするのでしょう?」

 そのアンナの言葉を聞くと、セルフリッジはこう返した。

 「そうですよ?」

 不思議そうな顔で。

 「では、どうしてベッドに寝かせるのです? 布団までかけて」

 次にアンナがそう問いかけると、彼はこう返した。やはり不思議そうな顔のままで。

 「だって、あそこに横になったままでは、アンナさんが身体を壊してしまうじゃありませんか。これだけ寒いのに。床の上は、とても冷たいです」

 ――だから…

 そう言いかけて、アンナは言葉を止める。なんだかおかしい。尋問すると言うのなら、相手を弱らせるのが普通だ。それとも、優しく接して心を絆すつもりか? いや、状況からしてそれもおかしい。そもそも、この男はわたしから何を聞き出すつもりでいるのだ?

 彼女が悩んでいると、セルフリッジは言葉を発した。

 「まず、その罠について説明しましょう。それは、回収したロストが意思ある何者かであった場合にかけなくてはならない、と決められている魔法です。ロストが、何か敵意ある魔法を発しようとした時に、自動的に発動し、束縛するという。

 あの闇の森の中で、あなたがまだ目覚めていなかった時に、僕がかけておいたのです。あの時、あなたは仮死状態と言っても良いような状態でしたから、魔法をかけられた事に気付いていなかったのでしょう。いかに、“闇の森の魔女”であるあなたとはいえ、無理もない。

 ただ、決まりだから一応は使いましたが、僕は本当は必要ないと思っていました。あなたを信用していたからです」

 そこまでを聞いてアンナは思った。

 “――闇の森の魔女であるあなた…

 知っていた。この男は、わたしが魔女である事を知っていた! やはり、騙していたのか? わたしに安心をしていたのは、この罠をかけていたからで……”

 そして、口を開く。

 「何故、黙っていたのです?」

 セルフリッジは、その言葉を受けてまた不思議そうな声を上げる。

 「何をです?」

 「とぼけないでください。何故、わたしが“闇の森の魔女”だと知っている事を、黙っていたのか、と訊いているのです」

 それを聞くと、セルフリッジは首を傾げた。

 「何の話ですか? そもそも僕は、それを隠してなどいませんよ? 初めから、僕は“あなたを連れに来た”とそう言ったじゃありませんか。あの森にいる人間が、闇の森の魔女だけなのは当たり前です」

 “なっ?!”

 それを聞いて、アンナは目を見開いて驚愕した。セルフリッジは更に続ける。

 「とにかく、僕はあなたから、どうして誰かを攻撃する魔法を使おうとしたのか、その理由を聞き出す必要があるのです。そして、あなたに何も問題がない事を証明しなくてはならない。そうでないと、あなたの安全性を、中央の人間達に納得してもらえないからです。魔法の危険度によって束縛レベルは上がるのですが、それは一番低いものですし、先ほどの僕を気遣った言葉であなたに敵意がないだろう事は簡単に分かりますが、それでも報告する義務は発生してしまうんです……」

 彼はそう語り続けていたが、アンナはそれをほぼ聞いていなかった。そして、口を開く。声のトーンを多少は抑えていたが、それはほぼ怒鳴り声に近かった。

 「つまり、あなたは、わたしを“闇の森の魔女”だと知っていながら、あれほどわたしに優しく接していた、というのですか?! 騙すつもりでも何でもなく!

 馬鹿じゃないですか! バーカ!」

 その彼女の反応にセルフリッジは驚く。

 「どうしたんですか?アンナさん。声が少し大きいです。あまり聞かれたくない会話なんですよ?」

 「そんな事は関係ありません! 何千人と殺した闇の森の魔女に、何の警戒心も抱かずに接するあなたに問題があるんです!」

 彼女は明らかに怒っていた。返答の内容も筋が通っていない。セルフリッジは、それで困惑する。どうしてなのか、と考えてそれでこう言ってみた。

 「あの……、あなたに罠をかけていたのを黙っていたのは、そういうルールだからで、仕方なかったんです。どうか、そんなに怒らないでください」

 しかし、彼女はこう返す。

 「そんなのは当たり前の話です。罠を仕掛けている事を本人に伝えたら、罠にならないじゃないですか!」

 それに、彼は更に困惑した。

 「では、なぜ、そんなに怒っているのです?」

 「怒ってません」

 「怒っているじゃないですか」

 彼女は、その困った様子の彼に、何とも言えない感情を沸かせた。

 “こんなにお人好しで、この人はこれから先、大丈夫なのだろうか?”

 「怒っていません。あなたが、あまりに馬鹿だから呆れているだけです。いったい、どうしてわたしを警戒しなかったのですか?」

 「あの、尋問をしているのは僕の方で……」

 そう言う彼に、彼女はこう言った。これで、尋問しているつもりなのか、と思いながら。

 「あなたに尋問をする能力なんて、ありません。馬鹿だから」

 「何を言ってるんです? 僕にだって尋問くらいできますよ」

 「では、蹴るなり殴るなりしてわたしを大人しくさせてみてください。尋問の基本は、相手よりも優位に立つ事です。だから、こんな反抗的な態度を執っている相手には、暴力で自分の優位を思い知らせるんです」

 そのアンナの言葉を受けると、セルフリッジは更に困った表情を見せた。そして少しの間の後で、困った顔のまま、

 「あの… どうか、困らさせないでください。そんな意地悪を言わないで…」

 と、そう言ったのだった。彼には、アンナを殴る事なんてできない。アンナはそれを聞くとまたきつく声を上げた。

 「“意地悪を言わないで”じゃありません。やっぱり、できないじゃないですか。もう、良いです。あなたが馬鹿である事を証明しますから、こっちに来てください」

 尋問する相手を更に優位に立たせてどうするのだ、と彼女はそう思っていた。そして、“もう分かった。この人は、本当に心の底から馬鹿なお人好しなんだ”と、そう思う。セルフリッジは不思議に思いながらも、その彼女の言葉に従い、少しも警戒しないままベッドで横になっている彼女に近付いていった。そして、彼女の直ぐ傍まで近寄った時だ。突然に、彼女に被せてあった布団が、彼に襲いかかって来たのだ。そのまま、その布団は彼を包むとベッドの中へと彼を引きずり込んでしまう。気付くと、アンナの顔が直ぐ近くにあった。彼女は言う。

 「これで、あなたの喉笛をわたしが噛み砕きでもすれば、あなたは死んでいます。非力なわたしでも、それくらいはできますよ」

 しかし、実際はアンナは彼の胸辺りに顔をすり寄せて埋めていた。布団も、それほど強く彼を絞めてはいない。むしろ、柔らかく包み込んでいる感すらある。

 「この、あなたのかけた罠の魔法は、直接的な攻撃魔法しか判断できないのでしょう? だから、こうして布団を操るようなものには、無反応なんです。

 簡単に、自分の仕掛けた罠の種明かしをするようなものじゃありません。直ぐに対応策を取られちゃいますよ」

 セルフリッジは、そのアンナの行動に多少は驚いていたが、それでも冷静に彼女を観察していた。そして、彼女が涙目になっているのを認める。アンナは口を開いた。

 「あなたの身体は冷えています。身体を冷やすなと尋問している相手を気遣っているくせに、その本人が外で身体を冷やしているってどういう事ですか? 本当に、あなたは甘すぎます。

 今の時代がどれだけ安全なのかをわたしは知りません。もしかしたら、あなたのような人でも問題なく暮らせるのかもしれない。ですが、あなたがわたしの時代のものと関わるのなら話は別です。あなたみたいに甘い人は、わたしの時代では、真っ先に殺されていきました。良いですか? 死んじゃうんですよ?」

 それから一度口を閉じて、アンナはセルフリッジを見つめると、一呼吸の間の後で、こう続けた。

 「どうか、死なないでください」

 それは、まるで子供が駄々をこねるような口調だった。そして、彼女は更に強く彼の胸に顔をすり寄せる。

 「あの… 何をやっているのですか?」

 そんな彼女に彼はそう訊いた。彼女はこう応える。

 「分かりませんか?」

 少しの間。

 「あなたに、甘えているんです」

 そう言った彼女を、彼はゆっくりと抱きしめた。軽くため息を漏らしながら。

 「でも、甘いのはアンナさんも同じじゃありませんか。こんなに、僕に対して無防備で。僕がここで反撃に出たら、どうするのです?」

 「あなたは、誰かを傷つけられるような人ではありません」

 「なら、それは僕も同じですよ。こう見えても人を見る目には自信があるんです。あなたは、僕を傷つけるような人ではありません」

 「違います。わたしは残忍な“闇の森の魔女”です」

 それを聞くと、またセルフリッジは軽くため息を漏らす。

 「では、どうして、その残忍な魔女さんが、泣きながら怒って僕を心配しながら甘えているのですか?」

 その問いに、アンナはこう答える。

 「あなたが馬鹿だからです」

 それを聞くと、セルフリッジはアンナに向けて手をかざした。何かをやっている。アンナは敏感にそれを感じ取った。

 「感知能力?」

 そして、そう疑問の声を上げる。それに、ゆっくりと彼は頷いた。

 「はい。僕には感知能力があります。特殊な呪で手に入れました。今は直接、あなたを感じ取っていますが、僕がかけた魔法を通じても感じ取れます。そしてあの闇の森にいる時も、僕はあなたを感じ取っていました。闇の森が、あなたに通じていましたから。そして僕には、あなたが悪意を持った存在だとは少しも思えなかった。だからこそ、救いたいと思ったのです」

 その言葉を聞くと、アンナは更に深く彼に身体を寄せた。

 「そんな事は関係ありません。それに、わたしが何千人も殺したのは本当です」

 「でも、それはあなたの意思ではないでしょう?」

 「わたしの意思の時もありました」

 しかし、それを聞いてもセルフリッジは全く動じなかった。

 「でも、あなたはそれを望んでなどいなかったはずです。だって、あんなに哀しそうにしていたじゃありませんか。望んでもいないのに、人を殺さなくてはならない。こんな悲劇があるでしょうか?」

 彼が言い終えると、アンナはゆっくりと首を左右に振った。

 「でも、それでも、わたしの罪は消えません」

 その言葉に、セルフリッジはこう返した。

 「安心してください。本当は、人を殺していない人間などいません。社会には、不当に富を独占している人がたくさんいます。ロクに働きもしないで、税金で暮らす公務員。国民を騙して、税金をむしり取る事しか考えていない官僚達。そういう人は、本当は何千人も、いえ、ひょっとしたら何万人という人を死に追いやっているのかもしれない。間接的になって自覚できていないだけで。そしてそれは、それを無視する他の人だって同じなのかもしれません。

 罪を背負っていない人間など、この世には一人もいないのですよ。だけど、その罪の意識は必要なもので、だからあなたは、その必要なものを持っているというだけの話です。どうか、自分を否定しないでください」

 その語りを聞くと、アンナは少し驚いた顔をして彼を見た。

 「あなたも婆様と同じ事を言うのですね。でも、結論は全く逆」

 「婆様?」

 「わたしの師です」

 アンナの師、ログナは彼女に罪などこの世にはないと言った。セルフリッジは、反対に誰にでもある、と。それはどちらも正しい。ただ単に、どちらを選択すれば良い効果を得られるのか、というだけの話だ。彼は、罪がある、とした方が良い効果があると考えているのだろう。

 アンナは少し考えるとこう言った。

 「あなたは、わたしが怖くないのですか?」

 「怖くないですよ」

 屈託なくセルフリッジは笑う。それに、アンナは軽くため息を漏らした。

 「本当に馬鹿」

 そして、身を寄せる。

 「あなたがこんなに馬鹿だと知っていたら、わたしは……。これじゃ、もし魔女である事がばれたらあなたに嫌われると怯えていたわたしの方が、むしろ馬鹿みたいじゃありませんか。

 わたしは、あなたがわたしを煩わしく思って別の部屋にしたのじゃないかと、不安になっていたのですよ?」

 「僕がアンナさんを? そんな…。僕はアンナさんが僕といると緊張をしているようだったので、気楽にさせてあげようと思って、部屋を分けたんです。だって、一応僕は、あなたを監視している立場ですから、監視されるのは疲れるのじゃないかと」

 そう言った彼の胸に、アンナは軽く頭突きをした。

 「そんな勘違いで、わたしをこんな暗くて冷たい場所に追いやったのですか? わたしが、どんな思いでいるかも知らずに。ただ単にわたしは、あなたにわたしが魔女である事がばれたらどうしよう?と不安になっていただけですよ。

 なんだかな。感知能力で確かめてくれれば良かったじゃないですか」

 「プライバシーもありますし、こういう能力は滅多に使うものじゃないと。それに、あなたには分かってしまうでしょう? 僕が感知している事が」

 「分かりますよ。むしろ、喜びますけどね。

 それに、ですね。そもそも、あんなに弱った状態で、あれだけ親切に世話をされれば、普通は好意を持ちます。なんで、その可能性を考えてくれなかったのです?」

 それを聞くとセルフリッジは困ったように笑った。

 「いえ、伝説の“闇の森の魔女”が、僕に対してそんな想いを抱くなんて、とてもじゃないですが思えなかったのですよ」

 アンナはセルフリッジの言葉に呆れた声を上げる。

 「なんで、そんなところだけ、魔女扱いなんですか?」

 それから彼女は、またセルフリッジの身体に身をすり寄せた。彼はそのアンナの行動に少し困り始めていた。もっとも、同時に喜んでもいたのだが。

 「あの… アンナさん?」

 「なんですか?」

 「その…… 実は、僕が部屋を分けたのには、もう一つ理由がありましてね」

 「はい」

 「実は、そろそろ我慢ができそうになかったんです。部屋を分けでもしないと。その、僕も男なもんですから。だからそんな風にされるとですね……」

 その言葉にアンナは笑った。

 「フフフ……。セルフリッジさんは、やっぱりわたしをどこぞの小娘だと勘違いしていませんか? わたしを誰だと思っているのです? ちゃんと分かっていますよ。男の人に、こういう事をすれば、どんな結果になるのかくらい」

 それから、セルフリッジの唇に彼女は唇を重ねた。

 「どうぞ、なさってください。なにしろ、わたしがさっきあなたに魔法をかけようとしたのは、こういう事をするのが目的だったんですから」

 そして、そう彼女が言うと、彼女を束縛していた手足の縛めは解けた。彼女が、彼に魔法をかけようとしたその理由を述べた事により呪が解除されたのだ。

 「あら? 解けちゃいましたね。そのままの方が良かったですか?」

 アンナがそう言うと、セルフリッジは少しだけ顔を赤くし「からかわないでください」と、そう言って彼女に身体を重ねた。


 ――行為が終わった後。アンナはセルフリッジに向けてゆっくりとこう言った。

 「わたし、男の人とこういう事をして、こんなに仕合せな気分になったのは、生まれて初めてです」

 それを聞いて「過去には、こういう事は、たくさん?」と、セルフリッジは尋ねる。

 「そんなには。ただ、任務でとか、それ以外でも少しは」

 その彼女の返答に彼はこう言った。

 「あの…、こんな事を言うと馬鹿にされるかもしれませんが」

 「何ですか?」

 「僕は案外、独占欲が強いんです。だから、こういう事は他の人とはしないでください」

 それを聞くと、アンナは「ウフフ」と笑う。そして、「セルフリッジさんでも、そんな可愛い事を言うのですね」と言い、こう続ける。

 「安心してください。もちろん、言われなくたってそのつもりでしたから。セルフリッジさん以外の人とは、絶対にしません。こういう事は」

 アンナの言葉を聞くと、セルフリッジは彼女を強く抱きしめた。それに、アンナは仕合せそうな表情を浮かべる。少しの間の後、

 「にしても困りましたね」と、セルフリッジは言った。

 「なにがですか?」

 「呪縛の魔法が発動して、それが解除された経緯を上に報告しなくてはならないのですが、どう報告書を書けば良いかと思いまして」

 アンナはやはり仕合せそうな顔のままで、笑いながらこう言う。

 「アハハハ。それは、困りましたね」

 その表情は少しも困っているようには見えなかったが。


 ――次の日の朝。

 セルフリッジはアンナと一緒に、宿の娘の処を訪ねた。また部屋を変えてもらおうと頼むつもりだったのだ。宿の娘は、二人の姿を見るなり言う。

 「分かりました」

 セルフリッジはまだ何も言っていない。

 「また、二人部屋に戻しておきます」

 セルフリッジは、彼女には感知能力でもあるのでは、と少し思った。

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