第八話
プロローグとは…!
短いですがようやくプロローグ完です!
ヨシュアが逃げ去った後。
アリアはしばらく泣き続けていた。
しかし、やがて疲れて眠りに落ちてしまった。
それと同時に周囲の異変は嘘のように鳴りを潜めて森に静寂が戻る。
だが、その静寂は“元に戻った”のではない。
何かを失った後の、空白のような静けさだった。
―――――――――――――
幾らかの時間が経過した。
その時、近くの茂みがガサガサと揺れた。
草を掻き分けて、弓を背負った男が顔を覗かせる。
場を伺うように現れた男は周囲に誰も居ないと判断して茂みから体を出す。
男は一応周囲を警戒しながら、横たわるメイドへとゆっくり歩み寄るが気配はない。
何かあってもすぐに対応できるように手に握られていたナイフは必要がないと判断して腰に戻した。
メイドの側に着くと男はしゃがんでメイドの首筋に数秒間、指を当てる。
脈がないことを確認すると鼻を鳴らしてメイドの衣服の中に手を入れて金目の物を探る。
指先が異物に触れるとそれを掴んで取り出した。
取り出したのは僅かばかり膨らんだ皮袋。結えた革紐を解いて中を見て、軽い舌打ち。
「わざわざ見に来てみたが、無駄足だったか…」
男は狩猟のために自宅から遠くの森まで来ていたが、異変を感じてここまで来たのだった。
文句を言いながらも皮袋を無造作に懐に入れて帰ろうとした時に白い布に包まれた物が近くに落ちているのを見た。
そこには幼児がいた。
どうやら眠っているようだ。
「ガキか…金にはならんな…いや…?」
捨ておこうと思っていた男は顎に手を当てて考えるとニヤリと笑って白い布に包まれた幼児を抱き上げた。
その瞬間、男は僅かに眉を動かした。
ほんの一瞬だけ、耳鳴りのような違和感が走った気がした。
「…あぁ?」
男が周囲を確認するが何もない。
気のせいだと判断して腕の中にある幼児に注目する。
「メイドと共にいたガキ…何か訳アリだな…」
幼児は体が浮き上がったことで薄く眼を開けたが再び寝てしまう。
布から見える幼児の顔を見て、口元には、獲物を値踏みするような笑みが浮かんでいた。
「かなりきな臭ぇが、顔は悪くねぇ…」
奴隷商に売り飛ばすことを考えるが店はここから遠い場所であった。
それに幼児では手間も掛かる分、二束三文で買い叩かれるのがオチだ。
遠くまで足を運んだ結果、それでは笑えない。
すぐに売り払うには勿体無いと考え直す。
「……こいつは安売りする顔じゃねぇ」
上等な布に包まれた幼児。
恐らく貴族の子だろう。
見目は悪くないので、育ててから売り飛ばしてもいいし、我が家の奴隷にしてもいい。
最悪、売り飛ばせなかったとしても、貴族に縁を売れるチャンスになるに違いない。
「どちらにしても、損はしねぇな」
幼児を起こさないように持ち方を変える。
男は踵を返して来た道を戻っていった。
男に浮かんでいる顔は、拾ったアリアの使い道を考えているようだった。
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