表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
名前のない"私"  作者: 月乃
5/7

日常(3)






アプリを開けば、今日もまた流行を作る人たちの投稿に溢れ、知人や友人たちも輝かんばかりの日常を切り取っては額縁に入れて共有してくれている


見る専門でしかない私には友人たちの投稿が嬉しくもあり、羨ましくもあり、妬ましくもある

自分の浅ましさが浮き彫りになる気がして嫌になる



「幸せの可視化って余裕ない時はこんなに心に来るものなんだなあー…」


昼下がり、家事が終わり子どもの帰りを待つばかりになった時間にコーヒーを飲みながら独り言ちる

コーヒーの香りと苦味が沈んだ奈緒の心を癒してくれる







「あれ…?」


ふとある投稿に目が止まる。

学生時代の友人、百合香のものだ。



〈 私事ですが、マイホームを購入しました 〉




百合香とその子どもたち、庭のミモザの木と一緒に笑顔で映る3人はとても幸せそうだ


「わー!すごく素敵なお家!おめでとう、っと…」


久しぶりに見た友人の顔に落ち込んだ気持ちも忘れ、お祝いのコメントを送る。


学生時代によく遊んだ彼女は、数年前からお互いに育児が忙しくなり疎遠になってしまっているが今も幸せに暮らしていると知り嬉しくなった



すぐにスマホが振動し、返事が来たことを教えてくれる



『奈緒ー!久々だね!お祝いのメッセージありがとう!新居、奈緒のお家から近いし遊びにきてね!』


「わ!そうなんだ!久しぶりに百合香に会いたいなあー。子どもたちも元気にしてるかな?」



何通かやり取りしているうちにとんとん拍子に百合香との再会の約束を取り付けていた。











評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ