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名前のない"私"  作者: 月乃
3/7

日常(1)





今日もまたシンクを洗い、蛇口を磨き上げる


燻んだ銀色が輝く様が今日の自分が一日頑張った証左である気がして、つい念入りに拭き上げてしまった




「ほら、そろそろ歯を磨きなさい」


我が子に声を掛けて、食洗機のスイッチを押す。


「えー、まだ動画見てる途中なのに」


「明日も学校でしょう。早く寝ないと寝坊しちゃうよ。」





しぶしぶと洗面所へ向かう息子の後ろ姿を眺めながらエプロンをいつもの定位置へとしまう


今年10歳の息子、悟は最近反抗期なのか言うことを聞かなくなってきた。子どもの成長ってなんでこんなに早いんだろう。あと3年で中学生だなんて信じられない!結婚して12年も経つの?嘘でしょ





ふと、スマホを覗くと真っ暗な画面に目の下に隈がある疲れて老けた女が見える


簡単に纏めて括っただけの黒髪。吊り目がちだった瞳は今は加齢とともに目尻が下がって少しだけ優しく見える気もする。高くはない鼻。化粧っ気もなく、唇もカサカサに乾いた女。身長は高めだし、スタイルは悪くはないはずだけどちょっと最近肉付きも良くなってきたかも…




今年、34歳。




加齢のせいなのは仕方ないとはいえ本当に女なのかも怪しいわ、と画面の中の自分を見つめる




私ってこんなんだったっけ…?









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