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《完結》 ∞【無限】ミッション!~俺だけに与えられたシークレットミッションを達成して手に入れたSSS級の能力や神器で世界を見返す史上最強のハンターへ~  作者: 陽和
第9章~日常の変化~

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瘴気の謎⑩~はざまの世界にある黒い植物~

澄人がはざまの世界で小さなモンスターを追いかけています。

(この黒い植物はどこまで続いているんだ?)


 どれだけ進んでも、黒い木々が立ち並んでおり、終わりが見えない。


 歩きながら恐竜たちを観察していると、その数は徐々に増えていく一方だ。


 恐竜の卵が実っている木々も多数見かけたため、断続的に生まれている。


「横を歩いても俺へ興味も示さないんだよね」


 4本足で歩く恐竜の横を歩きながら呟く。


 恐竜の進行方向を遮るようなことをしても、襲ってくる気配はない。


 周囲のモンスターたちは俺へ一切構うことなくまっすぐに歩き続けていた。


 それでもモンスターである以上、警戒を怠るわけにはいかない。


「……鑑定をすれば状態くらいわかるか」


 歩きながら一番近くにいる黒い恐竜の情報を覗き見る。


【モンスター情報】

 ジュノサウルス:殺戮を導くもの(幼体)

 状態:瘴気侵食(極)・精神汚染(極)


 生まれたばかりだというのに、極まっている状態異常が二つも付いている。


(これが原因か……なんで生まれたばかりで精神が? この植物に原因があるのか?)


 俺は歩きながら剣を抜き放ち、一本の黒い木の前に立つ。


 全体から黒い瘴気が噴き出しているため、本来なら近寄るだけで体力が削られる。


 この木にはいくつもの卵のような実がついており、この中ですでに状態異常にかかっているのだろう。


「木、そのものがモンスターって可能性はあるのか?」


 ミュルミドネスが関係しているのなら、植物そのものが俺の敵になる可能性がある。


 しかし、木に対して鑑定を行っても、【瘴気に侵食された木】としか表示されなかった。


「これを切るのは時期尚早か?」


 黒いモンスターの目的地が判明していないこの状況で、この木を切ってもいいのだろうか。


 そう考えた俺は、剣を構えたままジッと木を見つめていた。


《コレヲキッテモイミガナイ……キヅカレルダケダ……》


 突如辺りに響いた声は、俺の目の前から発せられたような気がした。


(空耳か? でも、確かに聞こえた)


 幻聴だったのかと思いながらも、木から視線を外せない。


 すると、目の前の木が脈打つように動き出し、人面樹のように変貌していく。


 俺はすぐに剣を振るえるように剣へ魔力を付与する。


「クサナギスミトヨ、タスケテクレ」


「ミュル……ミドネス……なのか?」


 黒い樹木は口らしきものを動かし、俺の名前を呼んで助けを求めていた。


 形が変化した木を鑑定すると【ミュルミドネス:寄生態】と表示され、俺の知っている姿へと変貌した。


 俺が名前を呼ぶと、ミュルミドネスは顔をゆがませながら言葉を続けた。


「ソウダ。モンスタートトモニコイ。ソウスレバスベテガワカル」


 ミュルミドネスは俺の言葉に答えてくれているが、どこか様子がおかしい。 


 まるで機械音声のような無機質な喋り方で、口を動かすたびに苦痛を感じているように見える。


 しかし、助けてほしいという言葉が妙に気になった。


「何がわかるんだ?」


「クレバワカル……タノム……」


 俺の質問に答えると、ミュルミドネスが寄生していた黒い木が霞となって消えていった。


 何か起こると思って剣を構えたまま身構えていたが、モンスターは淡々を進み続けている。


(ミュルミドネスは本気で助けを求めていたのか?)


 今のやり取りが俺を油断させるためだったとしたら、何も起こらないのはおかしい。


 また、ミュルミドネスの言葉は不可解なことばかりだった。


(そもそも俺へ話しかける理由がないはずだ……誰に気付かれるんだ?)


 ミュルミドネスが話している間も、周りのモンスターたちは黙々と歩き続けていた。


 そのことから推測できるのは、ミュルミドネスは【誰か】の目を盗んで俺へ接触を図ったということだ。


 なによりも、あの苦しみ方は演技でできるものではない。


(極力植物は傷付けずに……行ってみるか……)


 ミュルミドネスの言葉をすべて信じるわけではないが、今は他に手掛かりもない。


 このまま進めばいずれ、ミュルミドネスの言葉の真偽がわかるかもしれないと思い、俺は再び歩き出した。


◆◆◆


 一時間ほど歩いたところで森が途切れ、視界が開ける。


(海? いや、湖か?)


 現われた湖は見渡す限りに広大であり、対岸が見えないほどだった。


 巨大な湖を囲うように黒い恐竜たちが集まっており、周りには見たこともない黒々とした花が咲き誇っていた。


 湖の中央には大きな黒い樹がそびえ立ち、天まで届くほどの枝を広げている。


(ここが目的地……か?)


 ミュルミドネスが目指せと言ってきた場所は、間違いなくあの巨大な樹だろう。


 何かの順番待ちをするように湖のほとりへモンスターが立ち並ぶ。


「どうして湖がこんなところに?」


 よく見ると、湖の色だけは透き通った青をしており、底が見えそうなくらい綺麗だ。


 周囲の植物や恐竜たちが黒いせいか、違和感が半端じゃない。


「大きくなっている……のか?」


 湖に近いモンスターが急速に成長しており、巨大化していっている。


 正確な大きさまではわからないが、おそらく十メートル以上あるのではないだろうか。


 湖の畔にいるモンスターが皆、同じように巨大化するという異常な光景を目にしている。


——ドボンッ!! ドボンッ!! ドボンッ!! ドボンッ!! ドボンッ!! 


「モンスターが湖に?」


 突如として巨大化していたモンスターの集団は、次々に水の中へと飛び込んでいく。


 そして、生まれたときと同じように全員が一心不乱に黒い大樹を目指していた。


 泳げないモンスターは溺れながらも必死に前へ進む。


 中には黒い大樹にたどり着く前に湖の底へ沈んでしまうものもいた。


「まさか……これって……」


 モンスターの群れが向かう先にある黒い大樹を見て、俺は七色の森を連想した。


 直前にミュルミドネスに会ったということもあるし、共通点が多い。


「そうなると湖の真ん中にある黒い樹は……やっぱり……」


 中央に向かっていたモンスターが湖の中から伸びてきた根に絡め取られ、次々と引きずり込まれていく。


 まるで獲物を捕らえるタコの触手のようにうねっており、あっという間にすべてのモンスターが捕らえられた。


「この樹は自ら獲物を引き寄せているんだ……」


 捕まったモンスターはそのまま黒い大樹の根元に引き寄せられていき、吸収されていく。


 その様子を眺めていると、湖の中心から黒い霧のようなものが吹き出し、黒い大樹に吸収された。

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