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《完結》 ∞【無限】ミッション!~俺だけに与えられたシークレットミッションを達成して手に入れたSSS級の能力や神器で世界を見返す史上最強のハンターへ~  作者: 陽和
第8章~未来のために~

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異界の異変解決⑩~リリアンさんの涙~

現在の異界の状況を知ったリリアンが涙を流しております。

「うっ……」


 ただ、泣いていただけで、それ以上何も言うことができなくなった。


 しばらく静寂の時間が流れた後、彼女はゆっくりと口を開けた。


「終焉の使徒は、世界が七色の樹木で覆われ……多くの命が失われたときに現れるそうです」


「多くの命が失われたとき……ですか」


 俺の言葉に返事をすることなく、リリアンさんは小さくうなずく。


 そして、静かに話を続ける。


「……終焉が訪れるとき、七色の樹が世界中の命を吸うと言われています……私たちはこのまま死ぬのでしょうか……」


 最後の方は消え入りそうなほど小さな独り言のような呟きだった。


 だが、それを聞いて俺は別のことを考え始めた。


(樹が命を吸う? 吸っているのは七色の森で、吸い上げて使っているのが樹だとしたら……)


 頭の中で情報を整理しながら、七色の森が世界を覆おうとしている理由がわかってきた。


 それと同時に、この問題を解決するために何が必要かも見えてくると、自然と笑みがこぼれてくる。


「大丈夫ですよ。きっとみんな助かります」


「でも……」


「絶対に諦めてはいけません。そのために俺が来ているんですよ?」


 真顔になって俺の顔を見つめてくる彼女の目からは、未だに大量の滴が頬を伝っていた。


 そんな彼女を励まそうと、笑顔を見せながら胸を叩く。


「安心してください。神の使者である俺がいる以上、必ずこの世界を救います」


 俺が力強く言い切ると、リリアンさんは驚いた表情を見せる。


 そして、目をつぶったあと、覚悟を決めたような強い意志を感じる瞳で見てきた。


「お願いいたします……どうか……私たちを……お救いください」


「はい、全力を尽くさせていただきます」


 俺は彼女の願いを叶えるために戦うことを約束する。


 俺が使命感を込めて返すと、その想いが伝わったのか、彼女がようやく微笑んでくれた。


◆◆◆


(さて……メーヌに頼んで建物の強度を上げておこうか)


 リリアンさんとの打ち合わせを終えた俺は、建物の近くへ無造作にいくつかの金属を取り出す。


 フィノには別のことを頼むため、なにかあってもメーヌには一人で耐えてもらわなくてはいけない。


「メーヌ、ここの守護を任せるよ」


『任せて! さっきのがたくさん来ても壊れないように耐えるよ!』


 ついでにゆとりをもって中で過ごせるようにもう少し広くしておいた。


 俺はそのままアイテムボックスに入っている魔力回復薬を取り出して準備をする。


 地図を開き、七色の森が徐々に広がっているマルタ大陸を眺めた。


(ミュルミドネスを倒すには七色の樹をなんとかしなきゃいけない。そのためには……)


 傷ついたミュルミドネスを一瞬で回復させる七色の樹を止めない限り、あいつとの戦いに勝機はない。


 そのため、先に七色の樹を支えていると思われる森をなんとかする必要がある。


 地図で七色の森が侵食している範囲を眺めながら地図へ指を向けた。


「フィノ魔力を注ぎ続けるから、ここからここまで焼き尽くせるかな?」


 地図に映るマルタ大陸の端から端を示しながらフィノへ頼む。


『うーん……澄人の魔力なくなるんじゃないの?』


 いつもとは違って俺を心配するように声をかけてくれる。


「魔力回復薬を買い込んであるから、魔力の消費が激しいだけなら平気だよ」


 魔力回復薬(特)を飲みながら返答を待っていると、フィノは自信に満ちた口調で言葉を返してきた。


『じゃあ、全部消しちゃうね』


「ああ、やってくれ! 魔力をもっていっていいぞ」


『はーい♪』


 フィノが了承してくれた瞬間、俺の体から魔力がごっそりと抜けていく。


 全身の力が抜けて膝から崩れ落ちそうになるのを我慢し、回復薬の使用を続ける。


「くっ……これは……想像以上に……キツイな……」


『頑張って! すぐに終わるから! もっともらうね!』


 必要な分がわからなかったので俺から直接魔力をもらってくれるよう頼んだが、まさかこんなに消耗すると思わなかった。


 数分間魔力回復薬を使い続けていたら、ようやく消費が緩やかになってきた。


『行ってきまーす!』


 充分に魔力を蓄えたフィノが赤い光をまき散らしながら空高く舞い上がる。


 上空で静止するとひときわ強く輝き、炎でできた大きな竜が姿を現す。


『いっけぇえ!!』


 ——ゴォオオオッ!!


 天変地異が起きたかのように激しく燃える業火が、口から吐き出された。


 地面を融解させながら進むのを見て、俺は最後にリリアンさんに聞いたことを確認する。


(首都クサナギにある大聖堂には、異界に住んでいた人の情報が集まっている……それさえあれば……)


 誰が亡くなっているのかわかれば神の祝福で蘇らせることができる。


 体の一部という条件がその人の名前にも適用されるため、蘇生が可能だ。


(じゃあ、少しだけフィノと飛ぶか)


 俺は雷の翼を展開し、大地を溶解しているフィノと並んで飛ぶ。


 森から空を飛んでくるモンスターが妨害してくることがあるが、すべてフィノの炎で焼き尽くされていく。


(これなら大丈夫そうだ)


 フィノがこのまま七色の森を大地ごと焼き尽くせると判断し、俺はワープを発動させた。


 着いた先は七色の木々に侵略された首都クサナギ。


 あの美しい街並みが七色の森によって破壊されて見る影もない。


「感傷に浸っている場合じゃない」


 フィノがこの地を焼却してしまう前に、大聖堂にあるという名簿を確保すべく動き出す。


 湧き始めたアーミーアントを薙ぎ払いながら大聖堂へ近づく。


「リリアンさんが見たらまた泣いちゃうかな?」


 大聖堂を守るように立っていた石像も無残に破壊されている。


 彼女の泣く姿を思い浮かべながら、従者一覧の画面を開いた。


【従者一覧 3/3】

【白間 輝正】《情報》《交信》《召喚》

【楠 瑛】《情報》《交信》《召喚》

【リリアン】《情報》《交信》《召喚》

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