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自由への指針④~レッドライン~

レッドラインに参加できない澄人が強くなる決意をします。

お楽しみいただければ幸いです。

「レッドライン……」

「清澄ギルドの水上夏澄です!! 現在地にレッドラインが出現しました!! 法に(のっと)り、この街にいるビショップ級以上の全ハンターへ出動を要請してください!!」


 立ち上がりながら赤い光を眺めていたら、夏さんが追いつめられているように電話の相手へ叫んでいた。

 この場所のことを詳しく説明しており、周りを見ている夏さんと目が合う。


 早く離れろと空いている手を振ってくるので、最後に夏さんの助けになりそうなことを行うことにした。

 左手で右の手首を持って、あらん限りの魔力を絞り出す。


 夏さんが何かを訴える目を向けてくるが、これをやったらすぐに離れるのでごめんなさいと心の中で謝る。


「火の精霊よ!! 頼む!! 夏さんを守ってくれ!!」


 右手から解放された魔力は赤い炎となり、夏さんへ纏うように体の周りで消えていく。


「精霊使いの荒い主人だ。まあ、任せてよ」

「頼む……」


 すべての炎が消えかけた時、精霊が俺の耳元で笑いながら胸を張っていた。

 魔力が完全に切れて意識が飛びそうになる中、一言だけ精霊に返し、その炎を見送った。


 俺は動かなくなった体が地面に倒れる前に、思考だけでステータス画面を開き、魔力の値を倍にする。

 確認画面等を吹き飛ばして魔力を上昇させると、体へ活力がみなぎってきた。


【魔 力】 250/500


 魔力が上昇分上乗せされており、俺は声を出すことなく夏さんへ1度手を振ってこの場を離れる。

 この周辺の様子が変わってきており、道路や歩道が封鎖され始め、レッドラインが現れた場所を中心に人が立ち入れないようにされていた。


 無関係を装って封鎖されている場所から出た時、顔を強張らせながらハンター用のインナーを付けた集団とすれ違う。


(この人たちがビショップ級以上のハンターなんだ……)


 夏さんが電話口で階級を指定してハンターを要請していたため、ここに入るハンターはビショップ級以上ということだと思われる。

 全員が俺の目標を達成していると思うと、悔しくなり、帰り道を急いだ。


【レッドラインを発見してくれてありがとう。対応が遅れると街に被害が出るから、発生直後に発見してくれて助かったわ】


 その途中、お姉ちゃんから俺を労うメッセージが送られたが、どうしてもレッドラインに入ることが許されない自分に苛立ちを覚える。


(今の俺は挑戦することさえ許されないほど弱いんだ!!)


 スマホで時計を見ると、まだ20時になったばかりなのでこのまま走り続けることにした。


(20km走れば今のライフミッションを達成する! 少しでもポイントを稼いで強くなる!!)


 お姉ちゃんや夏さんがレッドラインの境界領域で戦っていると意識したら、家に帰る気がなくなる。


【ミッション達成】

 貢献ポイントを授与します

【ライフミッション:40km走りなさい】

 成功報酬:貢献ポイント500


 12時を過ぎる前に20kmを走り終わり、流石に後1時間弱で40km走るのは不可能なため、近くに公園を見つけたので椅子に座った。


 レッドラインを発見した時にも貢献ポイントをもらえていたので、今のステータスを確認して上昇できるものはさせたい。


【ステータス】

【名 前】 草凪澄人

【年 齢】 15

【神 格】 1/1《+1:10000P》

【体 力】 150《+10:50P》↑

【魔 力】 500《+10:50P》↑

【攻撃力】 E《1UP:5000P》↑

【耐久力】 F《1UP:1000P》↑

【素早さ】 E《1UP:5000P》↑

【知 力】 D《1UP:10000P》

【幸 運】 H《1UP:100P》↑

【スキル】 精霊召喚(火・土)□

【貢献P】 6250



(結構ポイントが溜まっているな。千里の道を1歩からっていうけど……神格を上げるのに1万ポイントも必要か……)


ライフミッションを数回達成すれば、1日で千ほどのポイントを稼げるので、後4日行うと神格を上げることができる。

 しかし、神格を上げるだけではなく、能力も同様に基準値へ上げなければいけないので、頭が痛い。


(体力が中途半端だから、とりあえず200にしておこう……)


 250ポイントを使用して体力を200に上昇させた後、残り6000ポイントをどう使うのか考える。

 表示されているポイントの数字を何度か叩いていたら、突然画面が切り替わった。


「なんだこれ……」


【ポイントショップ】

●装備品

●回復アイテム

●強化アイテム

●魔法アイテム

●その他


 文字が羅列されており、左側の丸印が点滅していたため、一番上の装備品の項目を選択してみる。


○装備品

 ――取扱いなし――


 展開して詳しく出るのかと思ったら、なにもないと表示されていた。


(新しい機能を見つけたと思ったのに……一応全部開いてみよう)


 上から順番に●を押していたら、俺にはなにができるようになっているのかと頭を抱えてしまう【商品】が並ぶことになった。


○回復アイテム

 ・体力回復薬(小):200P

 ・魔力回復薬(小):200P


○強化アイテム

 ・身体能力向上(小):500P


○魔法アイテム

 ・境界時間延長(1時間):500P

 ・境界耐性(1日):5000P


(貢献ポイントで回復薬が購入できるのか!? 境界耐性って……まさか境界内で体力が減らなくなるんじゃ……それに最後は……)


 今までの品目だけでも驚きの連続だったが、最後に表示されたものにいたっては、どのように判断すればいいのかわからない。


 しかし、俺の能力を向上させたり、この様な機能を備えたりしているこの画面を信じてみたいと思う気持ちもある。


(念のために購入する練習をしてから【これ】を選択してみるか……)


 俺はその商品から一旦目を離して、一番安い回復薬のどちらかを購入してみることにした。


○その他

 ・チュートリアル用境界【危険度G】:0(ゼロ)P

ご覧いただきありがとうございました。

明日も投稿する予定です。

もしよければ、感想、ブクマ、評価、待ってますので、よろしくお願いいたします。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] >「火の精霊よ!! 頼む!! 夏さんを守ってくれ!!」 →「草凪澄人が命じる!」は必要ないの?
[気になる点] 魔力上げてから8割か9割の魔力で精霊呼べばよかったんじゃね。とは思うが、そんなコントロールは出来ないという判断かな。
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