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《完結》 ∞【無限】ミッション!~俺だけに与えられたシークレットミッションを達成して手に入れたSSS級の能力や神器で世界を見返す史上最強のハンターへ~  作者: 陽和
第7章~世界中の異変~

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開拓者①~ハンターの救出終了~

澄人が師匠とハンター協会の会長執務室テレビを見ております。

お楽しみいただければ幸いです。

「澄人、お疲れさん。もう要救助者はおらんのか?」


「終わりました」


 はざまの世界に囚われていた人たちを現実世界へ戻す作業がようやく終わった。


 目立ちたくない人のために世界各国を転々としていたおかげで、ワープで飛べる地点を大量に増やすことができた。


 今はワープの帰還ポイントにしていたハンター協会にある師匠の執務室でテレビを見ている。


「すごい数の人ですね。師匠、宣伝をしたんですか?」


 窓から外を見ると、ハンター協会の周りを大勢の人が囲んでいる。


 その中には、はざまの世界から生還した人を出迎えている人や、その光景をカメラで撮影している人もいた。


 建物の周りが異様な雰囲気に包まれている中、師匠がフーッとゆっくりと息を吐く。


「いいやわしは何もやっとらん……正澄さまがな……」


「あー……じいちゃん、いるだけで目立つし、国会に突入したんだよね……」


「そうじゃ……あの方は誰も止められんからの……」


 こちらの世界へ帰ってきたじいちゃんは、やる行動がすべて規格外だった。


 朝、今の日本がどうなっているのか知りたいと呟いたじいちゃんは、その日の午後には国会へ乗り込み、首相や各大臣へ召集をかけていた。


 その様子がテレビで全国へ放送され、失踪していたはずの人がなぜと、国会に突入したことよりも大きな反響があったという。


「まあいいか……それより、これからまた忙しくなるぞ」


「どういうことですか?」


「これじゃ」


 師匠は窓の外から視線を俺へ戻し、デスクにしまってあった封筒を俺へ手渡してくる。


 海外から送られてきたものらしく、書いてある文字が英語だが、俺の目が勝手に翻訳してしまう。


「国際ハンター協会から? なんですかこれ?」


「まあ……開けてみろ」


 師匠は苦笑いをしながらテレビを消す。


 中に入っていたA4サイズの紙に書かれている内容は、【臨時ハンター会議への出席要望について】。


 あれだけ開催しないと言っていたにもかかわらず、一ヶ月も経たないうちに会議を臨時で開くことにしたようだった。


 場所は国際ハンター協会の本部があるスイスで行なわれると書かれている。


「ふーん……」


「お前の要望通り、臨時の国際会議が開かれることになったぞ」


 師匠は手を組み、顔を伏せながら椅子にもたれかかる。


 俺はそんな様子を気にせず、テレビをつけて今日のニュースを確認し始めた。


「澄人! 聞いておるのか!?」


「ええ、聞いていますよ。話になりませんね」


 俺は持っていた紙を封筒と一緒に破り捨てる。


「ハァ!?」という師匠の驚く声を聞き流しながら、テレビ画面へと目を向け続ける。


 そんな俺を不審に思った師匠がリモコンを取り上げてきた。


「出ないのか!? あれだけ世界を煽っていたにもかかわらず!?」


「出る出ないじゃなくて……この場合、会議に出てくださいですよね? 俺の話を聞きたいんじゃないんですか?」


 ハンター協会が妙に俺へ高圧的な文章を送ってきたことに腹が立ってくる。


 封筒をさらに破き、テーブルへ叩き付けるように置いた。


「師匠。俺の話を聞きたい臨時会議なら、開催場所は日本で、会議を取り仕切るのは師匠じゃないと出席しない。と国際ハンター協会へ伝えてください」


「冗談じゃろう……」


「本気です。どうしてわざわざ俺がスイスに行かないといけないのか、意味が分からないです」


 今回の臨時会議が何のために行われるのかは明白で、俺がいなければ成立しない。


 それなのに、俺を呼び出した挙句、話を聞いてやろうという国際ハンター協会の態度が気に入らなかった。


 ただでさえ、国際ハンター協会は今回の件で世間の目を集めている。


 特に、行方不明者がここから出ていく姿は、世界中に生中継までされていたのだ。


 千人を超える人が救出されるのを国際ハンター協会は指をくわえて見ていることしかできなかった。


 今回の対応は、あくまでも国際ハンター協会の方が立場が上という対外的なアピールとしか思えない。


 そんな宣伝にわざわざ俺が乗る理由もなく、近くでやらないのなら参加しないだけだ。


 師匠は俺の返事を聞いて目を閉じ、天井を見上げるように顔を仰ぐ。


「……わかった……わしが直接伝えるとする」


 そう呟いた師匠は重い足取りで執務机の椅子へ座り、電話をかけ始めた。


 師匠が国際電話をしている間、俺はソファーに座ってお茶を飲みながらニュースを見る。


 内容のほとんどが国会に突入したじいちゃんと、行方不明者が帰還してきたという話題だ。


 報道陣が国会議事堂に押し掛けている。


 じいちゃんが国会に突入してからすでに3時間以上経過しているが、まだ建物から出てきていない。


 そのせいなのか、建物の周りでは野次馬が集まっているようだ。


 まあ、そうだろうな……もう中にじいちゃんは居ないんだけどね。


 当のじいちゃんは俺がワープで国会議事堂からこの建物まで移動しているので、もう中には居ない。


 それを知らない報道陣は、首相の話を今か今かと待っているようだ。


「澄人……臨時会議が一旦保留になったぞ」


 師匠が受話器を置くと、疲れ切った表情でこちらを見てくる。


「ああ……お前が言った条件を向こうが聞いたら怒っていたけどな……」


「わかりました。ありがとうございます」


「本当にいいのか? わしが言うのもなんだが……」


「いいんです。俺もじいちゃんみたいにやりたいことをします」


 俺は立ち上がり、師匠の横を通って執務室を出る。


 応接室のドアノブに手をかけると、執務机に座っていた師匠が慌てた様子で止めに来る。


「どこへ行くんじゃ!」


「ちょっと出かけてきます」


「どこに!?」


「異界です」


 師匠は口を開け、俺のことを信じられないという目つきで見ている。


 そのまま何も言わずにいる師匠へ背を向け、俺は廊下へ出ようとした。


 最後に振り返り、とんでもないものを見るような顔をする師匠へ、一応確認を取っておく。


「あ、師匠。しばらく学校へ通わなくてもいいですか? この状況だと、俺が通学すると他の生徒が困りそうなんですけど」


「あ、ああ……」


 オウム返しのように返事をする師匠を横目に、俺は執務室の外へ出た。


 廊下に出た俺は、日本ハンター協会が資料を保管している部屋へ向かう。

ご覧いただきありがとうございました。

もしよければ、感想、ブクマ、評価、待ってますので、よろしくお願いいたします。

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次の投稿は12月3日に行います。

次回も引き続き読んでいただけたら嬉しいです。

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