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005


「はあ、はあ………」



 力を解き放った脱力感に息を整る。

 天へと貫いた閃光は止み、そうして晴れた先にはグレートアーマーの姿はなかった、ただ――静けさの中で。

 

 

 パチパチパチパチ。

 

 微笑みかけるティアラは拍手を俺へと送っていた。

 

 

「お疲れ様。合格だよ♪」

「いや、合格だよ♪じゃない!!どういうつもりだ!!」


 本当にどういうつもりだというのか、こちらはあやうく死にかけたというのに。

 冗談じゃない。

 

 

「練習練習。過程はどうあれ、力の使い方とこの世界で生き抜ける自身は少しはついたでしょう?」

「まあ……」



 確かに。

 今はもう、この世界でこの先、生きていけるかという不安はない。

 すくなくとも、戦い方については俺自体がこの世界で通用することは分かったのだから……。

 それに――。

 

 ソードクリエイト。

 

 この力についても理解できた。

 要は剣の成り立ちとその構成を理解でき、同時にイメージすることでイメージ通りの剣を生成することができる能力だ。

 今は言われた通りティルウィングをイメージして形成したが、やりようによってはその他の聖剣も生成が可能だろう。

 ただ――この形成。剣自体の質量や能力にもよるんだろうが、異様につかれる。

 

 現に、たいした運動をそこまでしていないのにも関わらず、息は上がっている。

 

 俺がティルウィングを離すと、そのままそれは黄金の粉を放ち四散する。

 

 

「とはいえ、それが今のキミの限界だね。ソードクリエイトで剣を作る時に魔力が必要だけど。もちろんそれは剣のランクによって必要な魔力が異なる。

特に、ティルウィングみたいな聖剣は創り出すだけでも魔力を殆ど持って行かれちゃう。逆に、ただの鉄の剣なら、今のキミだとおそらくはほぼ無尽蔵につくれんじゃないかな?まっ、そんなことするなら魔剣や聖剣を作った方が手っ取り早いけど……。

どう?行けそう?」

「どうにか」



 力の制限はあるものの、まあ大丈夫だろう。自身は今のでついた。なんとなくだがソードクリエイトの要領も分かった。

 

 

「じゃあ早速ダンジョンに行こうか」

「気の早い」



 その時、ティアラの体がうっすらと光を上げ透け始める。

 なんだ?

 


「あらまあ。どうやら時間切れか」

「時間?」

「ここに存在できる時間かな。キミが呼び出してくれたから、ワタシはここに居れたけどそれも限界。元々女神って言うのは下界に降りれないルールにされちゃってるから、そろそろルールのせいで下界から排除されちゃう訳だ。残念。けどまあ上から見守ってるからよろしくね♪」

「ちょっとまて、勝手に消えるなよ!!」



 ティアラは急激に薄れゆく。

 

 

「あっ、言っていたダンジョンはこの道をまーっすぐ行くと岩山があるからその辺りだから。あと最後にお着換え」

「お、おい!!」



 そうして、腕を俺に向けて払うと。俺の服は現代的な普通の服から、黒色のロングコートへとファンタジーじみたものへと変わり。それと共に、ティアラは薄れ最後のうっすらとした姿すら消えて、後には何も残らなかった。

 

「うそだろ」



 いくら何でもいきなりすぎる。

 あ~もう!!

 

 メンドクサイことに巻き込まれたもんだ……。

 そう思いながらも俺は、その場を後にした。

 

 

冒頭終了です。


お読みいただきありがとうございます

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