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「はあ……」


 満足気味の三人と宿の一回で朝食にしながら、俺は深くため息をついた。

 

「それで、いろいろ話を整理したいのだが……」


 とうとつに話が重なりすぎて問題が山積みになっている。

 ダンジョンへ向かう前に、ソレを崩さなくてはいけない。

 

「まずシャルロット」

「はい主人様。何でも言ってください!!」


 なんだそのやる気は……。

 飼い主に呼ばれた番犬の如く、食い入るシャルロット。気のせいか尻尾がフリフリと振られているようにすら見える。

 そんなことはさて置き。

 

「アンタ。俺の奴隷になるのはいいが。家族とかはどうなんだ?」


 そうだ。シャルロット自身は、まあ王との約束もあるからさておき。彼女の家族などはどうなのだろうか。シャルロット自体が奴隷扱いなら、その家族もまた、なんてことじゃないだろうか?

 そうであれば、早速、王へ交渉なのだが……。

 けれども、シャルロットはきょとんと首を傾げる。

 まるで、そんなこと忘れていたような……。

 

「どうした?」

「いえ、心配なさらないでください。ワタシには家族はおりません」

 それはなんというか……。

「ああ、なんか悪い」

「ひとり?」


 聞いてはいけないことを聞いた気がしてしまい、謝ってしまう。


「いえいえ。お気になさらず。サラさんも心配しないでください」

「でもいないってどういうことだ?」

「はい。元々私はダンジョンに蝕まれた村出身だったのですが、幼いころ逃げ遅れた私は王が救ってくださいました。それからメイドとして働かせて頂いていたのですが……。

たまたま兵の真似事をして箒を振っているのばれてしまい……」

「それで、騎士になったと」

「はい」


 なんだか、随分ととんでもない流れだな……。

 いや、それより。

 なるほど。だからこうして唐突にご主人様で、メイド服なのか……。

 そう、メイド服だ。

 

「なあ、一応あえて突っ込まなかったけど。だからメイド服なのか?」


 シャルロットはメイド服だ。

 いや、シャルロットが今着ているのはメイド服だ。

 白に黒のエプロン。頭にはヘッドドレス。

 どっからどう見ても、エプロンドレス。というかメイド服。

 

「はい!!昔のものでしたので少々小さいかなとは思いますが、それでも十分着れるものですので」


 なるほど、確かに小さい。主に丈が。

 なんかもう、スレスレなスカートなのだが……。

 パンツ見えそうで色々やばいぞ。

 

「新しいものを王に用意してもらってくれ」


 正直、このまま連れ歩くのは気が引ける。

 というより、国の元騎士をそんな恰好で歩かせているヘンタイやろうとおもわれたくないので……。

 

「かわいい」


 サラよ。余分な事は言わんでくれ。

 シャルロットがそうですか?ありがとうございます。などと嬉しそうに言っているじゃないか。」

  

 それはさておき。

 

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