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015

「ふう。とりあえず腹ごしらえはできたな」

「満足……」



 具の無くなった串を投げ捨て、二人のんびりと落ち着く。

 

 

「で?キミはどうしてここに捕まってたんだ?」

「?」



 その質問にキョトンと首を傾げるサラ。

 質問の意味わかってないのか?

 

 

「いや、だからどうしてここに居たんだ?」

「んー……分かんない」

「分かんないって……俺がくる前はどうしてたんだ?」

「誰かいた……」

「誰か?」



 何だろう、話がかみ合わない。

 取り合えず、合わせて訊いて行こう。

 

 

「うん。でもみんな居なくなった」

「どうやって?」



 その問いに視線を降ろすサラ。

 

 

「どうした?」

「地面からね。黒いの出てくるの……」

「黒いの?」

「うん……」



 言われ、床を見て手のひらで触って見るも、石でできた床になにか細工があるようには見えない。

 どういうことだ?

 俺は少し頭を悩ませてから、

 

 

「消える時はどうやって消えた?」

「引っ張られる」

「引っ張られる……?」



 影に……。

 何かの魔法だろうか?

 というか、それが本当ならばここに長居するのは危険じゃないのか?

 話しを聞くのは、もう少し落ち着ける場所に行ってからがいいか。

 まあ――そんな場所がこの先あるかどうか怪しいところだが……。

 

 

「とりあえず、ここを移動しよう。キミの言うことが本当ならその影がどこからか襲ってきてもおかしくないからな」



 立ち上がり、サラへと俺は手をさし伸ばした。

 

 

「うん……」



 俺の手を取ったサラが立ち上がる。

 それから、牢を出て進む道だろう、大きな両開きの扉の前へ行く。

 

 ただ――どうやってこれ開けるんだ?

 

 石でできた、高い天井まである大きな扉。人間用と言うよりは巨人用とでも言った方が正しそうな。

 とってもなければ、そもそもずっしりと重そうな。一人では開けれる気がしない。

 

 

「あかない?」

「どうだろうな」



 サラに訊かれ、俺は扉へとなんとなく触れる。

 ただの石の扉だ。

 見上げ観察するもないも起きない。

 のハズだが……。

 


「くる……」

「くる?」



 サラが扉、いや――扉の向こうにいる何かを睨み警戒を示した。



 ズシンッ――。



 何か居る?

 俺は最初は分からなかったが、次第に扉の向こうから近づいてくる地響き衝撃音に警戒し、サラをかばいながら後ずさりする。



 ズシン。

 ズシンッ――。

 ズシンズシンッ!!

 

 

 そうして――、

 

 

 ドゴーーーーン!!

 

 

「っ――!?」



 目の前の扉は"蹴り"飛ばされた。

 

 

 

「なんだこいつ……」



 爆発したように粉々に砕け散る扉と巻き上がる土煙、蹴破られできた大穴からガラガラと巨大な足に破壊され砕けちって、崩壊した扉の外から這い出てくるようにして、そいつは部屋の中へ侵入する。

 それは、大きな巨人とでも言うべきだろうか?

 

 全身、石灰石の如く白い石でできていて天井ギリギリの巨体。見た目、古代の学者のような白い?繫ぎを着た外人を石が模っている。

 言わば――石の彫刻。まさにソレだった。巨大な巨大なな彫刻だ。

 そいつはその身に似合う巨体な魔法使いの杖を持って、部屋へと強引に侵入してきたのだった。

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