あの時のやりなおしです。
響ちゃんはどうやら百合枝様とお知り合いの様だ。
──いや、それよりまず訂正をしなければ!
「響ちゃんっ違……」
「ええ……お陰で良いものが見れましたわ……」
「ええっ?!」
訂正をしようとする私の言葉に何故か百合枝様はわざとかぶせてきた。
更にニッコリと微笑んで言う。
「サイクリングはもっと空気の良い場所で、程よいスピードで走るのをオススメ致しますわ」
「ぐっ…… 相変わらず嫌な女だな!」
なんか益々よくわからない状況に!
っていうか……あれ?
百合枝様は『吉井響(忘れた)』の会長なんじゃなかったっけ?!
「今後こいつに手を出してみろ……ただではおかねぇ……」
響ちゃんはそう言って凄む。
誤解を解きたいが……何故か百合枝様が響ちゃんの誤解に合わせてくるので、どうにもならない。
「ふふ……なるほど。でも響様、貴方にそんな権利があって?」
百合枝様は悪役気取りでそう言うと、チラっとりりあちゃんを見た。
「貴方にとって彼女は……柳田律さんは何だと言うのです?」
──え……この状況って?
あのときに状況が似ている……
『お二人は……その……どんなご関係なのですか?』
なんでこんな流れなんだかわけがわからん……
わけがわからんが……百合枝様はりりあちゃんに視線を向けた。
多分、先のやり取りも知ってる……気がする。
……百合枝様なら知っててもおかしくないのでは?
なんせ『吉井響(忘れた)』の会長……あっ、『そっと愛でる会』だ!……たしか!!
きっと、そっと愛でられていたに違いない!!
……KOEEEEEEE!!!
何故かはわからないけど、百合枝様は先のやり直しをさせたいようだ。
そう考えれば辻褄が…………
合うような?合わないような?
そう思いながら百合枝様を見ると、なんだか期待に満ちた顔をしてらっしゃる。
……やっぱり当たってる気がする。
何気にりりあちゃんを見ると、彼女もまたなにかを期待した顔をしていた。
っていうか……
なんなんだろう、この人達は。(切実)
この中では最も自分がマトモだと自信を持って言える気がする。
きっと美少女はおかしな人が多いに違いない。
なんだか妙に冷めてしまった……
もうこれは成り行きを見守ろう…… 見守るとは言っても、響ちゃんは頭上に寄りかかっている為、見えやしないけど。
ただ、また犬と言われてしまった場合、どうすべきだろうか。
……流石に「わん」はまずいだろうし。
「コイツ……柳田律は……」
すうっと息を吸い込む音。
なんだか声に淀みがない。
──きっと、響ちゃんの本音!
一体なんて答えるんだ!!?




