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第1のお客様『無謀なルーキー』 05

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「早くこちらへ!」

ゾーイが薬師の手を引きテントから飛び出す。

エドから視線を外したその間数十秒。

心臓がいつもの何倍もの鼓動で脈打つ。

鈴の音はしなかったということは少なくとも地を這う動物やモンスターではないはず。

ショートソードのエドでは分が悪い。


「ゾーイ!薬師を連れて逃げろ!」

テントから這い出たエドの足元には1匹の巨大なコウモリが横たわっていた。

「……ドラゴンバット」

現存するコウモリで最大級であり、翼長はゾーイより遥かに大きい。

しかし本来ドラゴンバットは湿原に生息しており、このような森林にいるはずがない。

「……湿原が乾いた??」

ハっと今はそんな事を考えている場合ではないと、ポケットから魔具を取り出す。


「魔法よ!!」

祈りと同時に少女を中心に魔力が円状に放たれる。

魔力は木々で反射し、瞬時に戻ってくる。

こっそりと買った魔法の一つ、探査魔法だ。

「聞いてください!!」

ゾーイが森の一点を指す。

「あの方向には何もいません。

 私達が食い止めるので走ってください!」

何度も頷く薬師をテントから押し出し、ゾーイはエドの元へ走る。


「俺はお前にも逃げろっていたんだけどな」

「1人でなんとかなるほど頼りにならないからね」

エドの足元には5つの肉塊が転がっていた。

少年は決して弱いわけではない。

しかし頭上を旋回しながら襲い来る肉食動物と相対するのは初めてだ。

現に革鎧に守られていない箇所は、鉤爪と牙により酷い裂傷を負っていた。

「今探査魔法で調べた。残りの数は30くらい」

うへえ、と舌を出しておどけてみせる。

ドラゴンバットは仲間を多く殺され一旦退いているものの、

腹ペコの獣は執念深く逃げる様子はない。

タイミングを見計らって一斉に襲ってくるだろう。


「なあゾーイ俺お前のことがな……」

真剣な眼差しで見つめてくるエドをゾーイが強引に引き寄せた。

「……」

数瞬合わさる唇。

「初めてなんだが」

エドが少し湿った唇を撫ぜた。

「明日もしたいなら気合を入れるわよ」

ほんといい女だと噛み締めると同時に何があっても守ると誓った。

「ああ、おかげで気合が入った」



読了感謝!




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