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番外編  作者: 晴日青
卵騒ぎ/金鷹
22/28


「どっちなんだろうなー……」

「どちらでもいい。私の子に変わりはない」

「いいこと言うよな、シュシュって。確かにまぁ、そうなんだけど……うーん」

「クゥクゥはいつも悩んでいる」

「そりゃあ、俺一人のことじゃねぇし。こっちの覚悟ができてなかったら、困るのはあいつだろ。もしなんかあったら嫌なんだよ」

「なるようにしかならない。……クゥクゥは少し人間らしくなったな」

「俺もそんな気がする」


 弱い個体は死んでしまっても仕方がない。

 そういった弱肉強食の考え方を持っていたはずなのに、セランのこととなると考えが変わる。

 弱くてもなんとかして足掻きたい。守りたい。

 そのためにキッカは日々頭をひねっている。


「お前のとき、あんなにあれこれ言ったのになー。自分もこうなると思ってなかったんだよ、ほんとに」

「過去に戻れるのなら、クゥクゥもそうなるのだと伝えたい」

「どうせ信じねぇよ。俺だってまだ信じられねぇもん」

「セランのことは好きか」

「好きだよ。好きだから悩んでる」


 うーん、とキッカは難しい顔をした。

 仮面に隠れてシュクルの目には映らないが。


「なるようにしかならねぇか……」

「いかにも」

「もし、人間らしい方向にどうこうしたとき、お前の嫁さん借りてもいいか? 俺、全然わかんないからさ」

「…………構わない」

「ずいぶん悩んだな、おい」


 とにもかくにも、シュクルの許可は得た。

 だったら、もう、なるようにしかならないという言葉に身を委ねるしかないだろう。


「クゥクゥ」

「んあ?」

「人間の姿での交尾は難しいな」

「っ!?」


 平然と言ったシュクルとは対照的に、キッカは勢いよく吹き出してしまった。


「お前なー、そういうことあんまり言わない方がいいぞ」

「なぜ?」

「人間ってそういうの隠したがるっぽい」

「公の場で行うことではないと思うが、つがいとしては至極当然の行為では」

「俺もそう思うけど、なんか話に出すと怒られるんだよ。恥ずかしいからやめろって」

「ティアリーゼもよく私を叱る」


 叱られたときのことを思い出したらしく、シュクルがしゅんと目を伏せた。それにともなって白い尾も床にへたってしまう。


「三日も尾の手入れを拒まれることがある。よほど隠したいのだろう」

「なのに言うんだな、お前は」

「ティアリーゼの怒る顔も好きだ」

「変態じゃねぇか」


 思わず突っ込んだが、シュクルに通用している気配は微塵もない。

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