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最終話『中二病でも構わない!』

 雪が日本を発ってからも、俺は雪に約束した通り毎日メールをし続けた。内容はお互いの日々や、絵美と健の進展状況などだった。電話では絵美や健とも雪は話し、避けていた件なども無事に解決することが出来た。雪が学校に居ない中でも、俺たちは楽しく過ごし手雪のことを皆で待ち続けた。

 そして、待ちに待った高校三年生の春、思っていたよりもずっと早くに雪は学校へと戻ってきた。クラスの人や、絵美たちが話しかけに行くが、俺はどんなに誘われても雪の傍に行くことはなかった。

 雪が戻ってきて盛り上がる中で学校も終わったが、俺は次々と帰っていくクラスメイトが居る中でクラスに残り続けた。雪も色んな人から遊びの誘いを受けている中断り続け、クラスに残っていた。そして、絵美と健すら帰ったあと、俺はようやく雪へと話しかけた。ここまで待ちつづけたのも、最初にメールをした日から、俺と雪は二人きりで話そうという約束を交わしていたからだ。

「おかえり、雪」

 留学した時からなんにも変わっていない雪のように見えたが、内心では寂しかったのか俺が「おかえり」というだけで雪は抱きついてきた。

「マスター、ただいま」

「おう、おかえり。雪」

 短い挨拶のような言葉を交わした後、お互いに抱きしめあいながらようやく会えたことの喜びを分かち合った。いつまでも無言で抱き合っている中、丁度夕日が沈むと同時に雪は喋り始めた。

「……ねぇ奏斗。私ね、留学中にどれだけ奏斗のことが好きなのか再認識したんだ。こんな私にも馬鹿にしないで付いてきてくれたり、何回も振っちゃってるのに変わらず好きって言ってくれたり、もう色々考えるだけで奏斗のことが好きなんだなって再認識できたの。だから、頑張って勉強して早く留学を終わらせてきたんだ。でもね、やっぱり私は色々中途半端だし、奏斗に相応しくないなって思ったり、でも、だけど……」

 心の中が荒れ始めているのか、雪の涙はより一層強くなってしまい、雪は上手く言葉が出てこないようだった。泣いて言葉が出ない雪を見て、俺は伝えようか迷っていた自分の想いを、もう一度だけ伝えようと決めた。

「なぁ雪。俺と付き合ってくれないか?」

「……でも、私は中二病とか色々中途半端だし、こんな私でも良いの?」

「当たり前だろ? 俺はどんな雪でも大好きなんだよ。好きなところなら幾らでも言えるし、雪となら明日も、毎日でも笑って過ごせる気がするんだ。約束するよ。俺の一生を賭けて君の事守ってみせるって」

「奏斗。ありがとう。でもね、その、プロポーズみたいのは私の中二病が治ってからまたお願いしてもいい?」

「いーや、例え雪の中二病が治らなくても俺は何度だってプロポーズするさ」

 これから先、雪と一緒に過ごしていく中で何が起こるのかは分からない。だけど例えどんなことが起ころうとも、俺は俺なりに目の前の最上の笑顔を守り続けるだけだ。

これにて完結です!

新作も今週中か来週中には出すと思いますのでぜひよろしくお願いします!


あ、ちなみに新作はファンタジーです

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