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カオスチートと衝撃の事実

「みんな、更新おくれてすまねぇな!」


「誰に向かってメタいこと言ってんだよ!?」


 やっぱり、こんなやつなんだよ、千糸ってやつは。

 今は授業中。国語の、「クリームシチュー」って物語を勉強しているところなんだ。


 中学に入ってからもう1ヶ月くらいたつけど、まだまだ千糸のチートっぷりは健在そのもの。

 今でも、全く理解できないメタ発言を「誰か」に向かって発言する。たまに言うんだよな……こういうの。


「ってか、授業中だから静かにしたらどう、千糸?」


「それだったら退屈で退屈で仕方ねぇだろ」


「それでも、大声で叫んで僕がみんなの目の巻き添えをくらうのに比べたらチートのほうがマシ……」


 __あ。言っちまった。


「では、遠慮なく」


 教室の床からシダ植物的なつるが生えた。先生の頭がハゲになった。友達の一人が「サンデーマンデートゥースデイ!!」と歌いだした。火災警報装置が作動し、非常ベルがなった。窓の外では春なのに雪が降りだし、竜巻が起こった。教室中の消しゴムがダンスパーティーを始めた。教室に正義の味方が突入してきた。突然女子たちが輪唱を始めた。男子はパンツ一丁で発狂しだした。魔法使いが現れ、窓のガラスを突き破ってきた。ゴジラ的な怪獣が街を破壊していた。教卓から土管が突き出て、赤い帽子を被ったおっさんが現れた。誰かが空の方向へ破壊光線を放ち、天井に穴が開いた。隕石がその穴から降ってきた。教室の真ん中にこたつが設置された。野良猫が十匹ほど現れた。ヤギが教科書とノートを食いつくしていった。校内放送でジャスコが流れ始めた。学校自体が変形し、ロボットになった。そして、さっきの怪獣に立ち向かっていった。さっきの魔法使いが揺れやらを感じなくなる魔法を使った。みんなは「ファーーー!!」と言った。先生が「皆さん静粛……ではなく、はっちゃけましょう!!」と言った。校内放送から、学校を操っていると思わしき謎の男の声が名乗りをあげた。その男は「あいつには勝てない!全員諦めろ!!」と言った。外ではまだ雪と竜巻は止んでいなかった。それどころかどんどん悪化していた。怪獣がどんどん巨大化していった。みんなは「あはははははは」と言って止まらなかった。魔法使いも窓から逃げた。何故か給食が運ばれてきた。くそまずそうだった。教室が二次元になった。みんなアニメ絵みたいな姿になった。先生の頭はまだハゲだった。床が開き、おばさん演歌歌手が出てきた。そして歌いだした。香水の匂いがした。自衛隊が入ってきて、「避難など無駄無駄無駄無駄ァッ!お前らは俺たちにとってのなぁ!モンキーなんだよ!」と言った。ハゲの先生が「違う!人間に不可能はないッ!」と言った。二人が何故か戦い始めた。みんなは戦いには無関心だった。さっき生えてきたシダ植物が進化して大木になった。当然の如く天井を突き破った。ハゲ先生と自衛隊が何故か木を登っていった。外ではまだ雪と竜巻が起こっていた。怪獣の巨大化は終わったっぽかった。怪獣が火を吹いた。その影響で竜巻が消えた。地面の雪もいくらか溶けた。隕石が割れて、宇宙ウイルスが散布された。それを吸い込んだみんながそれぞれ超人的な力を身につけた。クラスの半分は怪獣に、半分は先生の元へなんの気紛れか加勢しにいった。ハゲ先生は見事自衛隊に勝利した。先生の元へ向かった生徒は全滅した。怪獣はみんなのパワーに少し圧されていた。先生が「震えるぞハート!燃え尽きるほどヒート!!おおおおっ 黄金色のハゲ疾走イエローゴールドデンキュウドライブ!」と言った。怪獣にそれっぽい必殺技をくらわした。だが、まだパワーが足りなかった。それにみんなが加勢した。怪獣は必死に抵抗していた。しかし、みんなの力によって撃破された。そして、何故かみんなは泣き出した。誰かが「お母さんを殺しちまったぁ……!」と言った。衝撃の事実だった。ハゲ先生が「家に帰るまでが怪獣討伐です」と言った。みんなは下校の用意を始めた。先生はそそくさと先に帰った。誰かが「俺たちの戦いはこれからだ!」と言った。みんなが「おおぉぉーーーー!!!!」と、一致団結した。






 __。


「こんなもんでいい?」


「いいわけないでしょ!?元に戻せ!」


「全く、神田は堅いな~」



 ____全てが、元に。



「もう俺疲れた……」


「僕もだよ!!」


 二人とも席につき、何事もなかったかのように……ううん、うなだれて、二人とも疲れきっていた。

 さっきまでハゲだった先生が、ちゃんと電球ではなくなっていた。


「だって……こんくらいしないと面白くなくね?」


「面白くもなんともないからカオスはやめてよ。疲れる」


「また気が向いたらやるわ」


「やんなくていいっつの!!」


 色々短時間でありすぎて、本当に僕は疲れた。

 早退でもするかな……そう思ったら、また千糸が話しかけてきた。なんだよ、またチートの話か?やめてくれ、今の僕は機嫌が悪い。話しかけないほうが身のためだよ?


「……前から思ってたんだけどなー……なんで神田にだけチートが効きにくかったり、効かなかったりするんだろうな」


「…………え?」


「だから、お前にだけチートの効果が薄いんだよ。記憶干渉チートもさっぱりだしさ」


「ちょ、ちょっと待って。何言ってんのかわからない」


「待たねぇよ……神田だけだぜ?俺のチートを認識出来てんのは」




「まじで?」


「まじで」


「本当?」


「本当」








「うわー…………やば」


「うん………………やばいだろ?」



 そんなこんなで、まだまだチート生活は続いていくらしい。

 もう勘弁してくれ…………。

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