時間差チート、発動(改)(改)
久しぶり、二人とも。
「すまん神田、時間差チート(改)(改)が発動した」
「(改)(改)って何だよ! そもそも何回目だよこのやり取り!!」
「? 三回目だけど? おいおいどーしたよ神田。期間が空いて記憶障害でも起こしちまったか? 今何年の何月何日かわかる?」
「起こしてないから! 断じて、起こしてないから!!」
「ほら、あれ言えよ。いつもの、あれ。お約束だろ?」
「…………え、2019年10月21日でしょ?」
「残念。2020年7月30日だ。俺ら、高一になったんだ。おんなじ学校に入れて良かったな。あと、今年もクラス一緒だからよろしくな。あと、席も隣だからよろしくな」
「このチートがッ!!」
「ふぅー、これこれ。これないと時間差チートやってらんねーわ」
「うるせぇ……あぁ……受験とか色々終わっちゃってるじゃん……そういうイベントって普通に描かれるべきエピソードだよね……?」
「いんじゃね?」
「それで通用してしまうのが悔しい」
「まぁ今世間は新型コロモウイルスに騒いでいる最中なんだが」
「急に話変えんな。ていうか若干違う!」
「神田も感染して大変だったな」
「え? なに? 僕揚がったの? カラッと?」
「いや、三日寝込んでたぐらいだな」
「普通の風邪じゃねぇーか!!」
「夏風邪か」
「強いて言うなら春風邪じゃないかな……」
「春風。素敵だぜ。新緑の匂いふわ~」
「ふわ~って……いや、ホントに何か匂う! 良い匂い!」
「春風風匂いチートだ。さぁ嗅げ嗅げ」
「くんくんくんくんいや限定的すぎんだろチート!! あとよく考えたら新緑の匂いって何だよ! 匂わねぇーよ! あと春風風ってややこしいな!」
「はいはいじゃーな神田。また長いお別れだ。数年後に会おうぜ」
「もう僕らの出番終わり!? え、地は!? 地の文は!? 僕の語りを返せ!!」
「ばいならー」
「おい! ああ、もう、このチートが――ッ!!」
またな、二人とも。